細田守監督の長編アニメ最新作「未来のミライ」が20日、TOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開された。甘えん坊の4歳の男の子くんちゃんと未来からやってきた成長した妹ミライちゃんが、時を超えて不思議な冒険を繰り広げ、家族の絆と子供の成長を描くファンタジー作だ。
ウナギノボリ
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都会の片隅。小さな庭に小さな木の生えた、小さな家に暮らす4歳のくんちゃん。ある日、生まれたての妹がやってくる。両親の愛情を奪われるという初めての経験に戸惑うばかりのくんちゃん。そんなとき、自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ制服姿の不思議な少女ミライちゃんが目の前に現れる。未来からやってきた妹のミライちゃんに導かれ、くんちゃんは時を超え、冒険の旅に出る。かつて王子だったという謎の男や幼いころの母、父の面影を残す青年らとの不思議な出会い……。冒険を経てささやかな成長を遂げたくんちゃんが最後にたどり着いた場所とは? そしてミライちゃんがやってきた本当の理由とは……。
劇場版アニメ「時をかける少女」(2006年)や「サマーウォーズ」(09年)、「おおかみこどもの雨と雪」(12年)、「バケモノの子」(15年)などさまざまな名作を生み出してきた細田監督。くんちゃんの声役に、アニメ声優初挑戦という女優の上白石萌歌さんを抜てきした。ミライちゃんの声は細田作品出演3作目の黒木華さんが担当。両親役に星野源さんと麻生久美子さん、祖父母役に役所広司さんと宮崎美子さん、青年の声を福山雅治さんが担当している。オープニングテーマとエンディングテーマは山下達郎さんが手がけた。
庭を挟んで上下に1階と2階が分かれている変わった家に住んでいるくんちゃん一家。お母さんが育休明けで職場復帰し、育児と家事はフリーの建築家のお父さんが担当している。そうでなくても妹ができて自分に注目が集まらず寂しさを募らせているくんちゃん。お父さんは慣れない手つきで危なっかしく、お母さんは家に帰ってきたら妹にかかりきり。そんなくんちゃんがミライちゃんと過去へ未来へと冒険する姿は、4歳児の空想の世界なのかもしれないが、ハラハラ、ドキドキ、夢があって、そして希望にあふれている。
特に未来の東京駅や新型新幹線には鉄道ファンでなくてもワクワクすることだろう。そして過去の世界でくんちゃんが出会った青年の秘密とは……。子供は共感(共鳴)しながら、大人は4歳のころを思い出して、計り知れない可能性を持っていたあのころに思いをはせたい。(細田尚子/MANTAN)
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