ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」などで知られる森見登美彦さんの小説が原作の劇場版アニメ「ペンギン・ハイウェイ」が17日、公開される。自主制作作品「フミコの告白」が注目を集めた30歳の新鋭・石田祐康監督が手がける初の長編劇場版アニメだ。「絵描きの喜びを初期衝動にして作品を作ってきた」という石田監督に製作の裏側を聞いた。
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「ペンギン・ハイウェイ」は、小学4年生のアオヤマ君が住む海のない街に突然、ペンギンが現れる。不思議な現象に、仲良しのお姉さんが関わっているようで、アオヤマ君はペンギンの謎を解こうとする。女優の北香那さんがアオヤマ君、蒼井優さんがお姉さんを演じるほか、声優として釘宮理恵さん、潘めぐみさんらが出演する。製作は、劇場版アニメ「台風のノルダ」などのスタジオコロリド。
アニメ化を決めたのは石田監督だった。「オリジナルアニメの案を考えたり、いろいろな小説などを読み、1年くらい可能性を探っている中で、しっくりきたんです。いろいろなところがしっくりきたのですが、強いて挙げるとビターな感じですね。ちょっと怖かったり、深み、奥深いテーマ性など、甘いだけでなくビターなところが垣間見えた。そこがよかった」と説明する。
「ペンギン・ハイウェイ」は夏休み映画らしく子供が楽しめるだけでなく、大人も楽しめるビターさがある。「ビターなところも含めて大人志向の方が強かったかもしれませんが、絵柄は子供も楽しめる。子供たちに知らない体験をしてほしいという思いもありました。子供の頃、映画を見ていて、分からないけど怖かったりするものに夢中になっていた。それをやりたかったのかもしれません」と話す。
アニメ化にあたって大切にしたのは主人公・アオヤマ君の視点だ。アオヤマ君は、頭がよく、探究心旺盛で、少し大人びていて、生意気なところもあるキャラクター。「アオヤマ君が主人公であることを揺るぎないものにしたかった。アオヤマ君が見る世界が美しく、研究しがいのあるものに映るようにしたかった。子供の目には世界が大きく、すごいものに映る。アオヤマ君が伸び伸びとするために必要なものを描いた」と語る。
無邪気で明るい一方、ミステリアスな雰囲気をあるお姉さんも重要なキャラクターだ。お姉さんはペンギンと関係があるようだが、正体不明なところもある。「お姉さんのよく分からない感じも描いてみたかった。お姉さんは単純に自分自身がいいな!とほれ込んで描いているところもあります。ビジュアルも最高ですしね。こういう姿を見てみたい!と素直に美しく描きました」と説明する。
アオヤマ君やお姉さんの住む街にある異変があり、日常が崩壊していく。ペンギンが大量発生するなどアニメでしか描けないであろう表現も魅力で、日常と非日常が交錯する。「バランスが難しかったですね。日常をしっかり描くことで、跳躍した非日常が描ける。そのコントラストをはっきりしたかった。日常はできる限り丁寧に描くことで、非日常がぶっ飛んで見える」と明かす。
日常を丁寧に描くために画面構成や背景にも力を入れた。「3DCGと手描きのハイブリッドなんです。CGでレイアウトを作って土台を作る。それを基に手描きで描いています。CGの正確さを取り入れつつ、そのままトレースしてもつまらないので、手描きならではの表現にもした」という。
石田監督は1988年生まれの30歳。2009年に発表した自主制作作品「フミコの告白」が注目を集めた。「ペンギン・ハイウェイ」を製作したスタジオコロリドは、石田監督とスタジオジブリ出身の新井陽次郎さんを中心に11年設立。15年には「台風のノルダ」を発表し、ゲーム「パズル&ドラゴンズ」のCMなども手がけてきた。
スタジオコロリドは「30歳前後くらいのスタッフが多い。他に比べると若いですね」といい、今後が期待されているアニメ制作会社だ。代表取締役を務めるのは、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」でかつて編集長も務めた山本幸治さん。以前、「コロリドは将来性がある。彼らが世界に羽ばたくまでスキーマーとしてやっていかないといけない」と話したこともあった。
石田監督は「絵描きの喜びを初期衝動にして作品を作ってきた。『ペンギン・ハイウェイ』にしてもそうで、絵を描いていて楽しい。絵描きの喜びを大事にしている。それを失ったら作品を作れなくなるので、忘れないようにしていきたい」と意気込む。今後のスタジオコロリドの活動もますます注目されそうだ。
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