現在放送中の連続ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系、日曜午後10時半)の脚本、演出を手がける福田雄一監督。映画「銀魂」シリーズや「聖☆おにいさん」、ドラマ「アオイホノオ」「スーパーサラリーマン左江内氏」など多くの実写作品を手がけ、原作ファンを含め多くの人を魅了している。とかく賛否の声が渦巻きがちなマンガ実写化作品において、福田監督作品が炎上せず受け入れられる理由とは何なのか。本人にその疑問をぶつけてみると、「絶対にやってはいけない」という実写化における“禁忌”が見えてきた。
ウナギノボリ
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実写化にあたって、福田監督が最初に考えるのは、原作ファンがその作品を愛する理由だという。「この原作がなぜ愛されているのか、なぜこの原作にこんなに熱狂するのかということをものすごく勉強しますね。それがちゃんと理解できていれば、絶対踏み外さない自信はあるんです」と明かす。
「『今日から俺は!!』にしても、『聖☆おにいさん』にしても、本当に好きな人たちのツボは、僕と全く違うところにあったりするんです」という福田監督。そのため、原作ファンに「何が面白くて読んでいたの?」と実際に話を聞いて回るなどして徹底的に愛される理由を勉強するのだという。
そうしてファンの原作への愛を探求していくと、「実写化においてやらなければいけないことではなくて、『やっちゃいけないこと』が見えてくる」という。「逆に、やらなきゃいけないことを考えてしまうと、つまらないものになってしまうんです。僕の面白みが出せなくなる。実写化をするとなると、キャストやストーリーの展開も含めて絶対的に原作通りにはなりません。だからこそ、『これだけはやっちゃいけない』ということを肝に銘じておけば、原作のファンの方にもご満足いただけるし、僕のアレンジによって、原作を全く知らない方にも楽しんでいただける」とこだわりを語る。
「今日から俺は!!」に関しては、原作の魅力を「ヘビーなグロい部分へ行かないところ」と表現し、実写版でもそれを“禁忌”とした。また、「キャラクターとしてのルールがあるから『伊藤は絶対これを言っちゃいけない』『三橋は絶対こういうことは言わない』というのがある。『銀魂』でもいろいろ勉強させてもらいました。実写化ではよく『これじゃない感』と言われますが、それを言われ始めると、作品としては小さい穴がどんどん大きくなってしまう可能性があるので、すごく気をつけていますね」と明かす。
「原作を愛している方を軽んじると、全体的に愛されない作品になる」と語る福田監督。原作とそのファンへの敬意を持ち、その上で実写ならではの“面白み”を表現できるからこそ、福田監督の作品は多くの人に愛されるのかもしれない。
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