3年A組:最終回直前! “教師”菅田将暉の最後の授業 物語を一気に振り返り

連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」最終話の一場面=日本テレビ提供
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連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」最終話の一場面=日本テレビ提供

 俳優の菅田将暉さん主演の連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系、日曜午後10時半)の最終話が10日に放送される。ドラマは、3年A組の担任教師・柊一颯(ひいらぎ・いぶき、菅田さん)が、10日後に卒業を控えた生徒を人質にとって学校に立て籠もるというショッキングな場面で始まった学園ファンタジー。突然この世を去ったかつての学園のスター生徒、景山澪奈(上白石萌歌さん)の死の真相を巡ってストーリーは展開し、菅田さん演じる一颯が、生徒たちに命を懸けて授業をする様子が描かれてきた。今夜放送の最終回を前に物語を振り返る。

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 ◇次々と浮かび上がる“黒幕” 景山澪奈はなぜ死ななければいけなかったのか

 3年A組の生徒が一颯の人質にされた理由には、クラスメートである景山澪奈の死が関係していた。一颯は「なぜ景山澪奈は死んでしまったのか」、その理由を導き出すという課題を生徒に与える。第1話では、水泳の有名選手だった澪奈が全国大会でドーピングしたという疑惑が上がり、クラスで孤立するようになった事実が明かされる。そして自ら死を選んだのではないかと……。

 第2話では、澪奈が自ら命を落とす直前、ドーピングを裏付ける動画がSNSに投稿されており、その動画は一部分を故意に加工されたフェイク動画だったと一颯は話す。澪奈はドーピングをしていなかったというのだ。その動画を「投稿」した犯人は、宇佐美香帆(川栄李奈さん)だった。続いて、動画を「撮影」したのは里見海斗(鈴木仁さん)であることが明らかになり、動画撮影を里見に「指示」したのが甲斐隼人(片寄涼太さん)だったことが分かる。甲斐は半グレ集団ベルムズのリーダーに動画を撮ってくるように言われ、フェイク動画の出所がベルムズだと漏らさないよう脅されていた。このように次々と黒幕の裏の黒幕が登場していった。

 そして、ベルムズのリーダーは警察に拘束され、澪奈を陥れる動画の作成をベルムズに依頼したのが、教師の武智大和(田辺誠一さん)だったことが発覚。また、澪奈の死の当日の防犯カメラ映像とみられる動画には武智の姿が映っており、澪奈殺害の容疑もかかる。しかし、その動画もまた加工されたフェイク動画であり、映像に映っていたのは、実は一颯だったという衝撃の事実が明らかになる。一颯が映った動画はSNSに投稿され、今度は「一颯真犯人説」が拡散する。

 前回の第9話で、一颯はこうした状況に対して「真相を明らかにするためには俺が全国民の敵になる必要がある」と語った。そして、茅野さくら(永野芽郁さん)の口から「私が澪奈を殺したの」という一言が放たれる……。

 ◇「最後の最後に伝えようとしていることがある」

 ドラマ中盤では、一颯が不治の病に冒されており、まさに命を懸けた授業をしてきたことが明かされた。ドラマを手がける福井雄太プロデューサーは「“伝わるドラマ”にしたい」といい、「何かを伝えるときには必死にならなければいけない。必死になれない時代に、必死になれる状況を作り出すために『必ず死ぬ』というシチュエーションを表現した」と語っている。

 さらに、「最後の最後に伝えようとしていることがある。10話見終わったときに『こういうドラマだったんだ』と分かるように作っている。あえて言いますが、最後は賛否両論になるかもしれません。だからこそ、最後まで見て一緒に『考えて』判断してほしい」と話した。

 一颯は第1話で、生徒たちに「過去の自分が今の自分を作る。だから過去から逃げている、お前も、お前も、お前も、極めて幼稚なガキのまま成長が止まっているってわけだ。そんなやつらが一体何から卒業するっていうんだよ」「なぜ景山澪奈は死ななければならなかったのか。これから彼女の生き様を通してお前らの考えがいかにもろく弱いものなのか、思い知らせてやる」と語った。さらに「悪意にまみれたナイフで汚れなき弱者を傷つけないように変わるんだよ。変わってくれ」と訴えた。また、これまで幾度も「Let’s think.(レッツ・シンク)」という言葉を投げ掛けてきた。

 澪奈の死の真相、そして一颯の本当の目的は何なのか。最終回を見て、そして考えなければ、その答えは見つからないのかもしれない。菅田さんはクランクアップ時に「この作品が遺作となっても、なんの悔いもありません。そのくらいの気持ちです。今持っているもの全てを出し切りました」と語っている。覚悟を持って、物語の結末を見届けたい。

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