海に眠るダイヤモンド
第2話 スクエアダンス
11月3日(日)放送分
4月スタートの深夜ドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-」(テレビ東京ほか)で「乃木坂46」の山下美月さんとダブル主演の萩原利久(はぎわら・りく)さん。連ドラ初主演作で「事前に準備はしていたつもりなんですけど、現場で撮る分量や、求められるものの大きさ一つ一つを感じた時、改めて主演をやっているんだって実感がすごかった」と振り返る。「やってみないと分からないものなんだって、もっともっと対応できるような俳優になりたいって、さらにもう一段階、気持ちが高まりました」と声を弾ませる萩原さんに話を聞いた。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
萩原さんは1999年2月28日生まれ、埼玉県出身の20歳。昨年は「あなたには帰る家がある」(TBS系)、「覚悟はいいかそこの女子」(MBS・TBS)、「グッド・ドクター」(フジテレビ系)などのドラマに連続出演。19年1月期の「3年A組」では美術部と映画研究会を兼任する逢沢博己役としてミステリアスな物語の一翼を担った。1月公開の映画「十二人の死にたい子どもたち」でも高杉真宙さん、橋本環奈さんら、今をときめくキャスト陣との共演を果たした。
かつて子役として活躍し、演技キャリアは浅くない萩原さん。決して派手なタイプではないかもしれないが、その分、表現力は確かなものを感じさせてくれる。今後、より一層の飛躍が期待できる若手俳優の一人と言えるだろう。
役を演じていて「楽しさを感じるのは全部が終わった時」という。「役の作り方も一つ一つ違っていて、土台作りもそれぞれ違うので、どうやって役を作っていくのかは毎回、最初にぶつかる壁。そこはこれから先も柔軟にやっていきたいところ。探求していきたいなって」と話す。
「電影少女2019」では山下美月さん扮(ふん)する“悪のビデオガール”神尾マイによって道を踏み外していく高校生・叶野健人を熱演中だ。学園を舞台にしながらさわやかさは皆無。その中心で負の感情を覆い隠すことなく、回を増すごとに黒さを増していく健人は、マイ同様に主人公らしくない主人公だが、そこがまたこのドラマの面白さでもある。
萩原さんも「主となる2人がこんなにも黒く描かれていて、人間の裏側をがっつりフィーチャーした作品はほかにはないのかなって。僕はすごく面白いって思いましたし、人間のダークな部分がかなり緻密に描かれていたので、楽しみでもあり、挑戦でもあり、そこはしっかりと伝えなくてはいけないなって思いました」。
萩原さんによると、健人は「腹黒い部分はあるんですけど、その前に純粋」で、「純粋であるがゆえに自分でも自分の感情を整理できない。自分が誰かに劣っていると感じた時に毒を吐いたりもするんですけど、そこには純粋な思いがちりばめられている」といった印象も。
「自分もこんなこと言えたらいいなって言葉をポロって口にしたりするので、純粋さと黒さのバランスを取りながら、マイちゃんに引き出してもらいながら、染まっていく感じを表現するのは面白い」といい、「僕も他人が目立っていたり、何かにたけている子を見てうらやましいって思いますし、そんなに大きく声に出して言うことじゃないのかもしれないんですけど(笑い)、嫉妬心や腹黒さは当然あります。だから健人は決して遠くない存在ですし、誰もが健人になり得る可能性はあるので、幅広く共感してもらえたら」と思いを語っていた。
「3年A組」出演で「声を掛けていただくことが増えた」といい、「そこは分かりやすい変化だなって思いますし、明確に『見てくれた』っていう実感を得ることができました」と話す。「ここ1年、ずっと高校生をやってきたんですけど、高校生役一つとっても学年が違えば、ものの見え方や考え方も全然違う。それだけ10代って繊細で難しい役なんだなって改めて感じましたし、今できる役を、それこそこういった高校生の役を、丁寧に演じたいって思うようになりましたね」という心境の変化も。
そんな萩原さんにとって、俳優としての理想であり、目標は「3年A組」で先生と生徒という立場で共演を果たした菅田将暉さん。「菅田さんを追っかけて、今の事務所(トップコート)に入らせていただいたんですけど、『3年A組』で共演させていただいて、改めてすごい、化け物だなって感じました。追っても追っても遠い背中で、その分、追いがいがあるというか。常々、追い続けたい俳優さんであり、ああいった圧倒的なエネルギーを持った俳優さんになっていきたいって思いますね」と目を輝かせていた。
「木ドラ25『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』」はテレビ東京で毎週木曜深夜1時に放送。Amazonの動画配信サービス「Amazon Prime Video」で見逃し配信され、BSテレ東でも放送されている。