東映の新プロジェクト「東映ムビ×ステ」の第1弾となる「GOZEN」の時代劇映画「GOZEN-純恋の剣-」(石田秀範監督)が7月5日、公開された。主人公の青山凛ノ介(あおやま・りんのすけ)を演じたのが、特撮ドラマ「仮面ライダービルド」の桐生戦兎(仮面ライダービルド)役で知られる犬飼貴丈さん。そんな凛ノ介の恋敵となる狂気の剣士・寺脇甚八郎(てらわき・じんぱちろう)役を務めているのが、「仮面ライダービルド」「仮面ライダーキバ」に出演した武田航平さんだ。「仮面ライダービルド」に続く共演で、今作では敵として、劇中で刃を交えている2人。「ビルドでは彼(犬飼さん)をサポートする仲間でしたが、今回は対極」と語る武田さんと、「2人の役者の関係としても新しい局面となったと思う」と手応えを明かす犬飼さんに話を聞いた。
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「東映ムビ×ステ」は、ムービー(映画)とステージ(演劇)の「挑戦的な融合」を掲げた東映の新プロジェクト。第1弾「GOZEN」は、将軍や大名の面前で行った武術の試合「御前試合」に由来しており、8人の男たちが臨む命を懸けた御前試合での攻防と、試合の出場者たちの秘めた思いが描かれる。映画には、凛ノ介と恋に落ちるヒロイン・神谷八重(かみや・やえ)役で女優の優希美青さんも出演。ロミオとジュリエット的な恋愛要素も見どころとなっている。
今作が時代劇初挑戦となった犬飼さんは、「これまでやってこなかったジャンルですので、お芝居どうこうより、まずは所作が大変でした」と話す。「ましてや、以前なら“変身してしまえば、それまで”といった感じでしたけど、今回は刀を手にして自ら戦わなくてはいけなかったり。そういった意味でも、航平さんと戦うところはものすごく力を入れた部分。殺陣も一番、難しかったんですけど、航平さんにアドバイスをもらって、すごく助けていただいたから成立したなって思いますね」と武田さんへの感謝も忘れていない。
一方、時代劇出演は「久しぶり」で、「普段とは勝手が少し違うのでピシッとしないといけないっていう気持ちになった」という武田さん。時代劇は特撮ドラマと並ぶ世界に誇れるコンテンツでもあることから「和服を着て、刀を振ってと、日本人にしかできない、日本人がやるからカッコいいっていう部分に喜びを感じました。若いキャストもそろっていたので、ワクワク感や高揚感もあった」と明かしている。
「仮面ライダービルド」で共闘していた犬飼さんと武田さんが、「御前試合」で対峙(たいじ)するというのも見逃せない。ビルドとは異なる作品世界と役どころで向き合ったことで、何かお互いに再発見したことはあったのだろうか……。
武田さんに“俳優・犬飼貴丈”の魅力を聞くと、「その手の質問は得意分野ですね」とにやりとし、「いろいろなところで言ってきたことですけど、やっぱりすごいんですよ」ときっぱり。「主役を張れる人間が限られる中で、彼はそれができる。表現者としてとても才能豊かで、どんなに難しい役もやれてしまうというのもありますし、本番では必ず100%以上のものをちゃんと作ってくる。“そつなくこなす”っていうのとはまた違う、器用なんですけど、それだけでは終わらないっていうのが面白いですよね。自分の経験値から絞り出して、努力して、チャレンジしている結果というか。だからこそ、主役を張れるんだろうなって思います」と力説する。
犬飼さんは武田さんの言葉に照れつつ、「航平さんは時代劇の扮装(ふんそう)でもカッコよく、色っぽくできる。僕との経験値の差というか、航平さんがこれまで培ってきたものを、今回の『GOZEN』を通して改めて感じましたね。積み上げてきたものを目の当たりにしたというか、自分はまだまだ学ばなくてはなって思いました」と話していた。
今作においても「どうすれば貴丈がカッコよく見えるのかを第一に考えた」といい、「イコールそれは自分を輝かせるためのものでもあった」と振り返る武田さんは、次回に共演するときは、「貴丈が白衣を着てお芝居をしているところを見たいですね」といった考えも明かす。
「僕の勝手な思い込みかもしれないんですけど、お医者さんとか、カッコいいと思いますね。長ぜりふもサクサクと、感覚でやれてしまう人なんで、見てみたいですし、じゃあそこで、僕はどういう立場で絡むのかというと……患者とか(笑い)。刑事ものでバディーでっていうのも悪くはないんですけど、ミスマッチ感のある関係の方がより面白くなるんじゃないのかな」と推測する。
犬飼さんも「あとは弁護士と被告人とか、面白いですよね。僕が弁護士で、航平さんが被告人。僕が被告人をやるより、ずっと面白いと思いますよ」と自身のアイデアに自信をのぞかせていた。
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