中村悠一:「PSYCHO-PASS」最新作への思い 大きな挑戦も

「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」の一場面(C)サイコパス製作委員会
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「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」の一場面(C)サイコパス製作委員会

 人気アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」のシリーズ最新作「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」が、3月27日から2週間限定で劇場公開され、動画配信サービス「Amazon Prime Video」でも配信される。公開に先駆け、炯・ミハイル・イグナトフを演じる中村悠一さんがコメントを寄せた。

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 --2019年10月から放送されたテレビアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 3」を終えて、感想を教えてください。

 ただ続編を作るだけではなくて、毎週1時間の拡大枠で放送するということがとても大きな挑戦だなと感じました。僕たち(キャスト)の収録も30分を2回に分けて……というやり方ではなくて、1時間のドラマということで脚本が書かれていることもあり、分割せずに1時間分収録していました。こういう試みは従来のテレビシリーズのアニメではなかなかできないし、そういう冒険を許してくれる環境も含めて、とても面白い作品だと思いました。

 --「中村さんが演じられた新任監視官の炯の印象は?

 正義感が強く、真面目で真っすぐが故に、自分の価値観と違うことに対して、憤りを感じやすいのかな?と。柔軟さをあまり持ち合わせていない印象がありました。彼が移民であるということも彼にとっては大きい要素で「日本で暮らす肩身の狭さや立場の弱さ、偏見で見られることの想(おも)い」みたいなものを考えながら演じています。

 --バディーの慎導灼の印象は?

 物語の中で、どのタイミングで知り合ったのか、どういう関係になっていったのかを知ることができたので、彼ら(炯と灼)は濃密な時間を過ごしてきたんだろうなと思いました。軍事経験もある炯にとって、体を張って自分の前に立ってくれる人間は、灼以外にいなかったんだろうなと。そういう意味でも、灼への信頼感は大きいんでしょうね。第7話のラストで二人の間に亀裂が入ったような関係性になってしまいましたが、個人的にはそこまで深刻な仲たがいではないのかなと捉えています。灼はメンタリストなので人の心を誘導しているのかもしれないし、炯は事件の渦中にいて、お互いのすれ違いが大きくなってしまった。炯は自分で何とかしなきゃと思い詰めてしまって、歯車がかみ合わなくなってしまったのかな?と。

 ――第8話で炯はビフロストのコングレスマン法斑静火と接触し、インスペクターになる契約を交わしてしまいます。

 炯の暴走に見えてしまうような行動だったので、どうなるんだろう?と心配をしていました。でも「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」の台本を読ませていただいて、彼の心は変わっていないことが分かって安心できました。

 --ビフロストのコングレスマン・法斑静火やファーストインスペクター・梓澤廣一の印象は?

 静火と炯のやり取りが始まったのは第8話からだったので、どういう関係値になるか分からないところがあったのですが、腹の底を見せあうような関係ではなくて、お互いに利用するような関係がスリリングでしたね。「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」の台本を通して見える静火は、えたいがしれない人物で。本当の彼の真意は見えない。警戒が解けない相手だと感じていました。静火は仮面をつけているような人間ですが、梓澤は仮面をつけていない。知能犯で自ら事件を仕掛けている、頭のネジが飛んでいるような人物。それを大先輩の(堀内)賢雄さんの声で感じることができました。静火も梓澤もすごく面白いキャラクターだなと感じています。

 ー-「FIRST INSPECTOR」が公開を迎えます。この作品をどのように楽しんでほしい?

 この作品をどう受け取るかはみなさん次第だと思っています。僕は炯を演じるにあたり、意図を持って芝居をしていますし、作り手の思惑もあると思いますが、あくまで完成した映像を見た人の気持ちこそが答えになるんだと思っています。僕らはあくまで台本を読んで、音声を入れるまでしか立ち会っていませんし、画(え)が完成して音楽が付けばきっとさらにイメージが変わると思います。ぜひ、見たままで感じていただければうれしいです。

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