ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
沙村広明さんの人気マンガ「無限の住人」が原作のアニメ「無限の住人-IMMORTAL-」。昨年、Amazonプライムビデオで配信が始まり、4月からテレビアニメとして放送されている。主人公の不死身の用心棒・万次の声優を務めるのが津田健次郎さんだ。津田さんは、アニメ「遊☆戯☆王」の海馬瀬人役などで知られ、NHK連続テレビ小説「エール」で語り(ナレーション)を担当していることも話題の人気声優。「熱量のある現場だった」「全ての現場の中で一番時間がかかった」という「無限の住人……」のアフレコについて聞いた。
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「無限の住人」はマンガ誌「月刊アフタヌーン」(講談社)で1993年6月~2012年12月に連載。謎の剣客集団・逸刀流に両親を殺された少女、浅野凜が不死身の用心棒・万次を雇い、敵討ちを目指す……というストーリー。2008年にもテレビアニメ化され、木村拓哉さん主演の実写映画が2017年に公開された。新作アニメは、佐倉綾音さんが凜を演じるほか、声優として佐々木望さん、鈴木達央さんらも出演。
津田さんは、名作で知られる原作に「骨太」という印象があった。
「振り切った表現で、ドラマチックですよね。1ページ1ページの情報量が多く、内容が濃く、エネルギーにあふれています。キャラクターもくせ者ぞろいで、魅力的。骨太な作品で骨太なキャラクターを演じさせていただくことがうれしかったです。万次は死なないけど、生きている人間の体温、血なまぐささなど、生っぽく表現できるのではと、そこもやりがいがありました」
「生っぽさ」とはどんな表現なんだろうか?
「型にはめず、きれいな音ではなくても、根底にあるエネルギー、感情、呼吸などを表現する感じでしょうか。『無限の住人』の表現は説明的でもないんですよね。出演が決まった時、そこも面白いと感じました」
津田さんが演じる万次は、義と情に厚いが、幾多の生死を目の当たりにしてきたこともあり、普段は皮肉屋めいた体を装う。感情が分かりにくいところもあり、独特の雰囲気のキャラクターだ。
「万次は、減らず口が多く、本心を口にするタイプではありません。凜に対してストレートにものを言わない。万次は不死である、善行を重ねなければいけないというドラマはあるのですが、凜の復讐(ふくしゅう)がドラマを支えている。凜との関係性が主軸になる。立ち位置が難しいところもあります。アフレコでは、音響監督、監督とで完成されたイメージと自分が持ち込んだ演技の方向性をミックスして作り上げていきました」
万次を演じるにあたり、大切にしていたことがあったという。
「万次は常人とは違う感性で生きていて、変なところで笑ったりもする。そういうところを大事にしていましたね。自分が持っている感情、感性と万次の感情、感性をうまく融合させたいと思っていました。歩み寄る部分があったり、引き寄せる部分もある。普段も基本的にそうしているのですが、『無限の住人』は無理をしないでも、それができたんです。肩の力を抜いて演じられるところもありました」
アフレコは既に終わっている。津田さんは、監督、音響監督のディレクションが「かなり細かかった」と振り返る。津田さんは数々の作品に参加してきたが、その中でも「無限の住人」のアフレコは「全ての現場の中で一番時間がかかった」というから驚きだ。
「監督、音響監督のすり合わせが丁寧で、それを丁寧に説明していただける。セッションみたいなところもあって、さまざまなパターンを演じて、最終的にいいとこ取りをして、組み合わせたこともありました。監督が作りたいものが明確なんですよね。最初に公開されたトレーラー映像で『水車がガタンガタンとなるシーンから始まる』、あれを見て、監督が表現したいことは、そういうことなんですね!と腑(ふ)に落ちたところもありました。言語化が難しいのですが、心象風景を人物ではないもので表現をする。詩情豊かで、説明的じゃないんですね」
津田さんが特に印象的だったのが、監督と音響監督がぶつかった瞬間だった。
「いいものを本気で作ろうとするから、ぶつかる。僕はそういうのが好きです。それくらい熱量のある現場だったんです。スタッフの本気度が伝わってきますし、いいものを作るために時間をかけている。だから、収録時間が長くても全然いいんです。ある種の緊張感がありましたね。ハードルが高いですし。そこが面白い」
アニメの見どころを「とがっていて、過激です。血が出たり、首が飛ぶところではなく、根底に流れる過激さがある。個性的なキャラクターばかり。面白いですよ」と語る津田さん。アニメ「無限の住人-IMMORTAL-」からは、声優陣、スタッフの熱量を感じられるはずだ。
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