新ドラマ主題歌:セクゾ&キンプリのW主題歌、米津、ドリカム…ビッグネームの話題曲続々

連続ドラマ「MIU404」の主題歌を担当する米津玄師さん
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連続ドラマ「MIU404」の主題歌を担当する米津玄師さん

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で放送が延期や中断されていた2020年4月期の連続ドラマが6月から続々とスタートしている。人気グループ「Sexy Zone」と「King & Prince」のダブル主題歌、シンガー・ソングライターの米津玄師(よねづ・けんし)さんの書き下ろし曲、2人組音楽ユニット「DREAMS COME TRUE」(ドリカム)の新曲、すでに放送は終了したが異彩を放っていたドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系)の主題歌だった浜崎あゆみさんの楽曲「M」も含めて、ビッグネームの楽曲がそろった新ドラマ主題歌の注目曲をピックアップした。

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 ◇「未満警察 ミッドナイトランナー」はセクゾ&キンプリのW主題歌

 人気グループ「Sexy Zone」の中島健人さんと「King & Prince」の平野紫耀さんがダブル主演を務める「未満警察 ミッドナイトランナー」(日本テレビ系、土曜午後10時)は、「Sexy Zone」の新曲「RUN」(8月5日シングル発売)と「King & Prince」の新曲「Mazy Night」(発売中)によるダブル主題歌。ドラマのオープニングとエンディングでそれぞれ流れ、放送回ごとに曲が入れ替わる構成になっている。

 ドラマは、警察学校の学生(警察未満)の2人が、思わぬアクシデントに巻き込まれながら、力を合わせて難事件を解決していくストーリー。「RUN」と「Mazy Night」は、劇中で描かれる“絆”をテーマにしつつ、ドラマにピッタリな疾走感と躍動感に満ちたダンスナンバー。「RUN」はバンドサウンドとストリングスのアレンジ、「Mazy Night」はEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の要素を取り入れているのが特徴だ。

 ドラマのタイトルと曲をリンクさせることで、「夜(Night)」を「走る(RUN)」というコンセプトや情景を浮き彫りにしている。導入としての主題歌、本編、そしてラストを飾る主題歌というドラマの流れが、まさに真夜中(暗闇の困難な道のり)から朝(希望の光)へ向かって駆け抜ける時間を表現しているようだ。

 ◇「MIU404」は米津玄師の書き下ろし曲

 綾野剛さんと星野源さんのダブル主演を務める「MIU404(ミュウ ヨンマルヨン)」(TBS系、金曜午後10時)の主題歌は、米津玄師さんによる書き下ろしの新曲「感電」(8月5日発売のアルバム「STRAY SHEEP」に収録)。

 軽やかなリズムとホーン(管楽器)の響き、“相棒”に語りかけるような歌詞が印象的なナンバーだ。刹那(せつな)的でありながらひょうひょうとした雰囲気もあり、不思議な魅力を漂わせる楽曲に仕上がっている。

 ドラマの舞台は、事件の初動捜査にあたる「機動捜査隊(機捜)」の架空の設定の臨時部隊「第4機捜」。“機捜バディー”として覆面パトカーに同乗する伊吹藍(いぶき・あい、綾野さん)と志摩一未(しま・かずみ、星野さん)は、一見真逆で相いれないようでいて、共に過去にある事情を抱えている……という設定だ。「感電」はそんな物語性をはじめ、組織内部で“便利屋”的に扱われる疎外感や孤独感、また24時間という捜査のタイムリミットを共有する2人の姿が投影されている。毎回、物語のクライマックスを彩るこの曲は、“新たな始まり”も感じさせ、この先の展開への期待も持たせる。

 ◇「アンサング・シンデレラ」はドリカムの新曲

 石原さとみさん主演の「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジテレビ系、木曜午後10時)の主題歌は、2人組音楽ユニット「DREAMS COME TRUE」がドラマのために書き下ろした新曲「YES AND NO」(両A面シングル「YES AND NO/G」発売中)が採用されている。

 80年代テイストのシンセやギターの音色を含むサウンドは、ドリカムの新機軸といえる。また、不寛容な社会の中で自分自身のあり方や真の価値観を自問するリリックは、閉塞感のある今の時代背景を映し出しており、深く心に迫る。

 ドラマは、石原さん演じる病院薬剤師の葵みどりたちが、医療現場の“縁の下の力持ち(アンサングヒーロー)”として患者のために奮闘する物語。時に医師とぶつかりがらも自分の信念に従って患者一人一人に寄り添うみどりの姿は、疑問や不条理を感じつつも、自らを信じて前に進んでいこうとする「YES AND NO」の主人公像とどこか重なる。繊細な感情を表現した曲は、劇中でも登場人物たちの微妙な心の動きと共鳴し、ヒューマンドラマにさらなる深みを与えている。

 ◇異彩を放つドラマ「M 愛すべき人がいて」は浜崎あゆみ

 安斉かれんさんと三浦翔平さんのダブル主演ドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系、7月4日放送終了)の主題歌は、安斉さん演じるアユのモデルにもなった浜崎さんが2000年12月にリリースしたシングル曲「M」。

 最終回ではアユによる歌唱やミュージックビデオのシーンも登場した。トップアーティストへの階段を駆け上がっていくアユが、プロデューサーであり恋人のマサ(三浦さん)との別れを決意し、最後のラブレターとして書いたのが「M」の歌詞であり、ドラマのクライマックスを彩った楽曲だ。

 初回から、強烈な演出や個性的なキャラクター設定といった話題性でネットニュースやSNSをにぎわせた同ドラマ。ラストでは、恋の終わりを描いたバラード「M」が、ストーリーの締めくくりを美しく染め上げた。発売から20年近くたってもなお、変わらぬ楽曲の持つ力を印象づけたといえるだろう。

 このほか、女優の多部未華子さん主演のドラマ「私の家政夫ナギサさん」(TBS系、火曜午後10時)の主題歌はシンガー・ソングライターのあいみょんさんの「裸の心」(発売中)、篠原涼子さん主演のドラマ「ハケンの品格」(日本テレビ系、水曜午後10時)の主題歌は鈴木雅之さんの「Motivation」(40周年記念最新アルバム「ALL TIME ROCK’N’ROLL」に収録)、新川優愛さん主演のドラマ「ギルティ~この恋は罪ですか?~」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)はToshlさんの「BE ALL RIGHT」(配信中)が採用されている。ちなみに、4月からスタートした(現在は再放送中の)NHK連続テレビ小説「エール」の主題歌はボーカルグループ「GReeeeN」の「星影のエール」(発売中)。

 数多くのドラマが当初の予定より放送開始が遅れたり、中断したりしていただけに、今後のドラマの展開には、これまで以上に視聴者の注目度が高まっている。ドラマと同様、話題曲が多い主題歌にも注目したい。(水白京/フリーライター)

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