全領域異常解決室
第6話 神VS神 全面戦争!ここですべてがつながった
11月13日(水)放送分
11月30日にスタートするNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」で、ヒロインの竹井千代を演じる杉咲花さん。喜劇女優として成長していく千代として、朝ドラの撮影現場で日々奮闘している杉咲さんは、「コメディー要素のあるドラマを撮影していて、笑ってもらうってめちゃくちゃ難しいし、怖い。喜劇に対するリスペクトが強まっています」と語っている。杉咲さんにドラマや役への思い、意気込みなどを聞いた。
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「おちょやん」は、上方女優の代名詞といえる存在で、「大阪のお母さん」として親しまれてきた女優の浪花千栄子さんの人生がモデル。浪花さんは戦前、「松竹新喜劇」の前身である「松竹家庭劇」に参加し、二代目の渋谷天外さんと結婚。喜劇女優としての道を歩んだ人物だ。戦後、「松竹新喜劇」に参加。離婚後、一時女優をやめるが、NHK大阪のラジオドラマで復活。その後、「大阪のお母さん」として映画やテレビで活躍した。今回のドラマでは実在の人物をモデルにするが、物語を大胆に再構築し、フィクションとして描く。
杉咲さん扮(ふん)する主人公の千代は、明治の末に大阪・南河内の貧しい家に生まれ、9歳で道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。多くの芝居小屋が立ち並ぶ街で、華やかな芝居の世界に魅せられた千代は、自らも女優を目指すようになる。そして喜劇界のプリンス、天海一平(あまみ・いっぺい)と出会い、妻になるとともに喜劇女優としても花開いていくが、戦争などの不幸が重なって女優を一時引退。しかしあるラジオドラマをきっかけに奇跡の復活を遂げる……というストーリー。
同作は、新型コロナウイルスの拡大感染の影響で2カ月半の撮影休止となっていたが、6月24日に撮影が再開した。そこから約5カ月、徐々に本作が完成していくことに、杉咲さんは「『作品を作ってつながって、ドラマとして完成していっている』と実感しています。自粛期間を過ごして、やっと見てもらえるんだとうれしさでいっぱいです」と胸をなでおろす。当初の予定から約2カ月半遅れの放送開始となったが、「放送が始まったらどんどん届いていくんだなと思うと、背筋が伸びるという思いと、緊張もあります」と責任感も口にしていた。
杉咲さんは千代を演じるにあたり、モチーフとなった浪花さんの自伝本「水のように」を読んだといい、「丁寧に毎日を過ごすことを大切にされていた方なんだなと感じました。苦しい体験やつらい思いをたくさんされている方だと思いますが、それに負けないぐらい生きるパワー、諦めない気持ちが強い方だと感じました」と、浪花さんの印象を語る。
また、今作で挑戦する喜劇について聞かれると、「この作品が決まってから何回か見に行かせていただき、初めて生で楽しみました。出演者さんが舞台に現れただけで感動しましたし、お客さんみんなに楽しんでもらっている空気感に鳥肌が止まらなかったです。人を楽しませるために一生懸命向き合われている姿に感動しました」と笑顔で答えつつ、「コメディー要素のあるドラマを撮影していて、笑ってもらうってめちゃくちゃ難しいし、怖いし、喜劇に対するリスペクトが強まっています」と明かした。
喜劇のシーンでは、アドリブも多いそうだが、「でもビックリするぐらいシーンってなって、すごく落ち込むんです(笑い)。でもそんな時、次も頑張ろうって思えて、メンタルが強くなっている気がします」とにっこり。自身に喜劇は向いているかと聞かれると、「チャレンジするのは楽しいので、『自分に負けるな』と思ってやるんですが、怖いです。足とか手とか気がついたら震えています」と語っていた。
杉咲さんが演じる千代は、大阪・南河内の出身。まくし立てるような大阪弁による会話劇も見どころの一つだ。1年間かけて方言の指導を受けてきた杉咲さんは、「大阪弁をしゃべれること自体がものすごく楽しくて、今まで方言をしゃべる役を演じる機会がなかったので、いつかやれたらという思いがありました」といい、「言葉が荒かったりするんですけど、幼少期の千代を演じた毎田暖乃(のの)ちゃんがものすごくうまくて、迫力があったので、私も引き継げたらいいなと思っています」と意気込む。
印象的な大阪弁のせりふを聞かれると、「あるシーンで、自分に『やい! われ竹井千代! ええ加減にさらせ!』っていうシーンがあるんですけど、迫力とドスが利いていて、新鮮で楽しかったです」と笑顔で振り返っていた。
千代とともに「鶴亀家庭劇」に参加し、やがて結婚する“喜劇界のプリンス”一平を演じる成田凌さんとは、これまでにドラマや映画、CMなどで何度も共演してきた。「成田くんと私は関西出身ではないので、(大阪弁を)一から勉強しました。成田くんは(2017年度下半期の朝ドラ)『わろてんか』をやられているので、初めてではないと思うんですが、『ここまで関西弁でしゃべることはなかった』とおっしゃっていて、助け合いをしながら乗り越えています」。
成田さんのことを「同志という感じです」といい、「撮影に関係ない話や、現場の話、何でも話していて、成田さんが現場にいてくださると安心感がありますね。普段、なかなか共演者さんと話さないような細かいことも、話すことが増えてきてうれしいです」と再演を喜ぶ。
また、本作の見どころを「すごく楽しい場面でもなぜか泣けてきたり、ものすごく悲しいシーンなのにいとおしく感じてきたり。『笑いと悲劇は紙一重だ』というせりふが劇中で出てくるんですけど、そんなふうに感じられる作品だなと思いました。こんな時期ですし、苦しい思い、大変なことがみんながたくさんあると思いますが、『もう少し頑張ってみるか』と思ってもらえる作品だと思っています」とアピールしていた。
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