パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−
#1 殺人犯と禁断愛…刑務官が悪女へ
1月11日(日)放送分
人気ラッパーの般若さんや呂布カルマさん、KZさん、輪入道さんらが、放送中の連続ドラマ「レッドアイズ 監視捜査班」(日本テレビ系、土曜午後10時)に続々とゲスト出演し、話題になっている。ヒップホップユニットとして活躍した後、俳優として現在の地位を築いたウィル・スミスさんを筆頭に、米国ではラッパーの俳優進出がしばしば見られるが、今後日本でも増えていくのだろうか。ラッパーが映像作品に与える影響や、俳優としての存在感について「レッドアイズ」の尾上貴洋プロデューサーに聞いた。
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ヒップホップの本場・米国では、ラッパーがドラマや映画に出演する例は、枚挙にいとまがない。ヒップホップユニット「DJ・ジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンス」で活躍していたウィル・スミスさんは、1990~96年に放送されたコメディードラマ「ベルエアのフレッシュ・プリンス」に出演。その後、映画「バッドボーイズ」(1995年)、「インデペンデンス・デイ」(1996年)、「メン・イン・ブラック」(1997年)と立て続けにヒット作に出演し、俳優としての地位を不動のものにした。さらに「ALI アリ」(2001年)と「幸せのちから」(2006年)ではアカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、名実ともに米国を代表する俳優の一人だ。
このほかに、「スリー・キングス」(1999)など、これまで30本以上の映画に出演した元「N.W.A.」のアイス・キューブさん、「トレーニング・デイ」(2002年)などに出演したドクター・ドレーさんやスヌープ・ドッグさん、「スーサイド・スクワッド」(2016年)、「ジョン・ウィック:チャプター2」(2017年)などのヒット作に参加したコモンさんなどが挙げられる。映画出演は1本のみだが、日本でもブームを起こした「8 Mile」(2002年)のエミネムさんも印象的だ。
一方日本ではこれまで、ラッパーの映像作品への出演はそれほど多く見られなかった。ところが昨今、即興のラップバトルで競う「フリースタイル」の人気が広がり、ラッパーの一般層への知名度が向上。それに伴いラッパーの俳優業進出も少しずつだが増えてきた。
ヒップホップユニット「Creepy Nuts」のR-指定さんは、昨年10月期に放送された「危険なビーナス」(TBS系)でドラマ初出演を飾ると、昨年11月に放送された「閻魔堂沙羅の推理奇譚」(NHK)にも出演。Creepy Nutsとして「バイプレイヤーズ 〜名脇役の森の100日間〜」(テレビ東京)への出演も発表されている。
ほかにも、映画「TOKYO TRIBE」(2014年)、「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」(2016年)などに出演したYOUNGDAIS(ヤング・ダイス)さん、映画「シン・ゴジラ」(2016年)、「461個のおべんとう」(2020年)など話題作に出演したKREVAさん、「HiGH&LOW」シリーズに出演したANARCHYさんなどが挙げられるだろう。ANARCHYさんは、映画「WALKING MAN」(2019年)で監督を務めるなど、マルチに活躍している点も注目ポイントだ。
「レッドアイズ」ではこれまでに輪入道さん、般若さん、呂布カルマさん、KZさんがゲスト出演。2月20日放送の第5話には崇勲(すうくん)さんが出演するほか、以降もラッパーがゲスト出演する予定だ。ラッパーの「レッドアイズ」出演は、尾上さんの発案であり、以前から彼らに俳優としての魅力も感じていたという。
尾上さんは、ラッパーについて「韻を踏んで言葉を紡ぐことは、内気な行為だと思いますが、(ラップバトルで見せる)リズムに乗って相手を挑発するという、真逆な行為を同時にしているのはすごい」と以前から感じていたそうで、「自分の思い、生き様を言葉にしてラップをしている人たちなので、(ドラマ内の)自分のたたずまいを客観的に見られる人たち。表現者としてすごくレベルが高い方たちだと思い、ドラマに出ていただけないかなと考えました」と明かす。
実は般若さんは、尾上さんが以前担当した「ボイス 110(イチイチゼロ)緊急指令室」にもゲスト出演している。吉川愛さん演じる女子大学生を監禁する男性を演じ、逃げ惑う吉川さんをジリジリと追い詰める演技を披露すると、SNSでは「『シャイニング』のジャック・ニコルソンが頭をよぎった」という声が上がるほど、視聴者に強烈なインパクトを残した。尾上さんは、そんな般若さんの演技に「自信を感じた」ため、「レッドアイズ」への出演をオファーしたという。
「ボイス」では圧倒的な存在感で怖さを表現した般若さん。ところが「レッドアイズ」で演じたのは、警察を挑発する凶悪犯。野球好きという設定で、元プロ野球選手の種田仁さんの「ガニマタ打法」で構えたバットを武器に襲いかかるなど、「ボイス」から一転して、ユニークで狂気じみた犯人を演じた。
二つのドラマで、まったく違う凶悪犯を演じて見せた般若さんについて「普段は静かな方ですが、表現に対してご自身がどのように見られるかをすごく考えている方。自分がどういう外見をしていて、どういうキャラクターを演じたら凶悪犯に見えるのか、すごく考えていただきました(笑い)。希有(けう)な役者さんだと思います」と高評価している。
見た目のいかつさを求めるなら、強面(こわもて)の俳優も多くいるが、どうしてラッパーが演技をする必要があるのか。どのようなことを求めてオファーしているのか聞くと、「セリフで感情を表現するというよりも、たたずまいや目線、表情」だという。
「たくさんラップでしゃべる方たちだからこそ、少しだけのセリフに逆にすごみが出ている気がします。また本業も見られるお仕事ですから、魅力的な悪役としての立ち姿、表情が非常かっこいいんですよね」
実際に放送されると、「狙ったとおりで、セリフだけでなく表情や雰囲気で世界をグッと上げてくれた気がします。ラッパーを知らない人から、『この人は何だ?』と思ってしまう異様な空気感があった、という感想を多くもらったので成功したと思っています」と胸をなで下ろしていた。
日本でも、ラッパーが俳優業に進出していくのだろうか。尾上さんに聞くと、「僕が一概に大きなことは言えませんが、パフォーマンスや、雰囲気でどう自分を大きく見せることができるのか知っている人たちですよね。自分を表現するという意味においては、ラップも芝居も同じことだと思っているので、僕はすごく俳優に向いていると思っています」と持論を展開。
「出演オファーのお話をさせていただく時も、多くのラッパーの方が乗り気で、演技の世界に興味があるとおっしゃってくださっています。今後もとんがった演技をする方が出てくるのではないでしょうか」と分析していた。
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