女優の若月佑美さんのセカンド写真集「若月佑美写真集 アンド チョコレート」(小学館)が9月8日に発売される。現在は女優としてはもちろん、女性ファッション誌「Oggi(オッジ)」(同)の美容専属モデルとしても活躍している若月さんにとって、2017年の「パレット」(集英社)以来となる、4年ぶりの写真集で、若月さんは今回、打ち合わせ段階の「1」から制作に参加し、「今できる容姿、表現、内面までもすべて詰め込めたのかなって思っています」と手応えを明かす。また「自分が好きな自分を出せた」という若月さんに“現在地”を語ってもらった。
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「アンド チョコレート」は持ち前のクールなかっこよさから、ふとした素の表情、無邪気な笑顔、セクシーな一面といった、若月さんの多彩な表現力と“今”に触れられる一冊になっている。
若月さんが制作にあたってこだわったものの一つが「男性と同じくらいのかっこよさ」だ。写真集の中で男装を披露しているが、方向性を決めるにあたって、男性の写真集も参考にしたという。
「私は自分のポジションに悩むことが多かったんですね。女性がたくさんいる環境にいましたし、それ以上に多くの魅力的な女性の方が芸能界にはいらっしゃるので、その中で、自分の武器、合っているものはなんだろうかってことは常に考えてきていて。一時期、ない物ねだりといいますか、可愛いとか、女性らしいふわっとした雰囲気や天然な感じがいい、そうなりたいという思いもあったのですが、何かしらのタイミングでそうじゃないと気づきまして。お芝居でも男の子の役をやらせていただいたりして、すでにある長所(=クールなかっこよさ)を伸ばした方がいいんじゃないかって思ったんです」
そのほか写真集制作を通して、4年前の前作からの成長も実感。「カメラの前で構える自分が減ってきたなって感じました」としみじみする若月さん。
「1冊目のときは『いま笑った方がいいのかな』とか、いろいろと考えてしまう自分がいて、当時は不意の自分があまり好きじゃなかったし、結果として『作られた自分』と言いますか、硬い写真が多かったと思うんです。でも今回出来上がりを見たら、抜けている表情も多くて、今まで構えていたものが、すごくリラックスできていて。ただただ自分がやりたい表情、表現ができるようになったのかなって。もちろん、服やシチュエーションに合った表情はあると思うのですが、それでも作り込み過ぎないでできたのかなって思います」とうれしそうな笑顔を浮かべた。
改めて若月さんは、「昔に比べて、自分の考えや意見を周りに伝えられるようなったのも大きいですし、この業界に入って10年で、少しは成長できて自信を持てるようにもなったので、こういった写真集を出すことができたかなって思います」と明かす。
デビューしてから10年がたったことについては、「自分でもびっくりしています」といい、「習い事も続けられて5年くらいでしたし、『うわー、よく続いているな』と自分でも思います」と素直な気持ちを告白する。
また若月さんは「有り難いことに誰かに影響を与えられるというのが大きいと思ってはいて。以前の私は『何のために頑張っているんだろう』と立ち止まってしまうことがあって、『自分のためだけ』では、どこかで行き詰まってしまうと思っていたので。やっぱりこの仕事を通して周りの人が喜んでくれるというのは、自分にとって大きな原動力。例えば写真集発売を一緒になって喜んでくれる人がいて、発売までを楽しみにしてくれる人がいるって、こんなにうれしいことはないと感じています」と語った。
10年のうちで「転機」となったのは、映画化もされた連続ドラマ「今日から俺は!!」でメガホンをとった福田雄一監督との出会いだ。
「私が隠そうと思っていたコンプレックスや弱点を全部表に出して『笑いにしようよ』と言ってくれたのが、すごく自分には響いて。自分の弱さを認めてほしいときって誰にでもあるじゃないですか、それは慰めてほしいとう意味ではなく、弱さを知ってもらって共感してほしいって。そんなときに出会ったのが福田監督。当時も今も私は真面目人間で、何をしても『真面目だね、優等生だね』と言われて終わってしまうことに悩んでいたのですが、『真面目に全力投球でバカをやるから面白いんだろう、それができるのは若月で、お前はこの仕事、向いているよ』って福田監督に言われて肩の荷が降りたというか。そんなすてきな考え方があるのかと思えて、真面目な自分を肯定してもらえたのが大きかった」
そんな若月さんは、今年の11月で独り立ちしてから丸3年となる。「一人になってみて、仕事をいただけるのはこんなにも大変で有り難いことなんだなって、日々感じるようになり。その分、責任感も増したと思います」と話す。
さらに「『若月佑美』という一人の俳優を名指しして、仕事を依頼してもらえるって相当なことで、本当に有り難いことなんだって、感謝しながら生きていかなくてはいけないなって、今年で業界に入って10年たちましたけど、最近改めて感じています。(グループ時代と比べて)一人でいるのことはさみしくもありますけど、そのさみしさすらも自分にとっては『財産』なんだなって」と実感を込めた。
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