「ヤングアニマル」(白泉社)で連載中の天原さん原作、クール教信者さん作画のマンガが原作のテレビアニメ「平穏世代の韋駄天達」が、フジテレビの深夜アニメ枠・ノイタミナで放送されている。韋駄天と魔族、人類の三つどもえのバトルロワイアルを描くアニメで、主人公・ハヤト役の朴ロ美さんのほか、緒方恵美さん、堀江由衣さん、岡村明美さん、石田彰さんら豪華声優陣が出演していることも話題になっている。韋駄天のリン役の岡村さん、リンの一番弟子のプロンテア役の石田さんに、アフレコの裏側、互いの役者としての印象などについて聞いた。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
石田さん かなり倫理的に攻めていますが、それが、深夜枠で放送することのアドバンテージなのかなと思います。世間に文句を言われないように気にしてばかりだとつまらなくなる。もちろん、それだけを目指すのは間違いですが、こういう作品が許されているうちは、日本もまだ安泰だと思います。自分としては、多少は毒をはらんでいる方がエンタメとしては面白いな……という立場です。
岡村さん 最初、タイトルを聞いた時は陸上のお話だと思っていたんです(笑い)。だから、ええ!!とびっくりしました。ノイタミナさん、攻めるな! 血が出ると、きゃあ!ってなっています。血の色が違うから、大丈夫かなと思いつつ(笑い)。
石田さん 最初に氷河で魔族が発見されますし、内容は全然違うけど「デビルマン」みたいだな、とも感じました。
岡村さん 脳を改造するところは、ショッカー!?となったり。ちょっと懐かしさもあるけど、斬新でもあって、すごい作品ですよね。
石田さん 昔だったら、見ちゃいけない番組にリストアップされるかもしれない。いつ見られなくなるか分からないですよね。危険な作品ですから。見られる状況を逃さないようにしていただければ。
-ーキャラクターの印象は?
石田さん 初登場時のプロンテアとイースリイとのやり取りは意味深な雰囲気を醸し出していましたが、その後はごく普通に演じています。軽妙な感じで、重大局面を重大と捉えていない。プロンテアにとってはそんなに重大局面がないんでしょうね。対抗できる自信があるから、イースリイのように先のことを心配して、作戦を練らなくてもいい。軽くやっているかもしれません。
岡村さん リンは、800年生きていて「ババア」と呼ばれているけど、見た目が可愛いですよね。最初は人間っぽく可愛らしく、涙を流したり、少女らしいところもあります。50年間何もできずに恐怖と戦い、350年間鍛えて、プロンテアさんを200年間鍛え、600年たって、やっと笑えるようになった。800年生きて、体も声も変わらないけど話し方が違います。リンさん、話し方が変わるほど大変だったんだ……と。今はすごく強いけど、ものすごく頑張った。そこが印象に残っています。神だけど人間っぽいんですよね。
石田さん 僕はオーディションを受けていないです。
岡村さん 私もオーディションじゃないです。
-ー豪華キャストも話題です。
石田さん 最初は韋駄天側のキャストしか知らなかったのですが、このキャスティングは狂っている。今時ないだろうと思いました。お金のことを考えたら、こんなキャスティングはしないでしょうから。でも韋駄天は物語スタート時、魔族よりも強いという印象を与えるために、こういうベテランがキャスティングされたのかな?と想像しました。
岡村さん 自分のことは置いておいて、4番バッターばかり! ドリームチームだ!となりました。私は何でこのキャラクターなんだろう? どなたがキャスティングしたんだろう?と思いました。すごいですよね!
石田さん コロナ禍ですし、収録は全員そろってという形ではありません。僕が一緒になる機会が多いのはイースリイですね。 緒方(恵美)さんは、安心できるところもあり、そのおかげで、やりやすいです。あんまり構えずにいられるところは正直ありますね。
岡村さん 私は韋駄天チームと一緒になることが多いですね。朴(ロ美)ちゃんが多いですね。朴ちゃんがアドリブで「ババア」に「クソ」を増し増しで入れるんです。「クソクソババア」って(笑い)。リンは強いキャラクターですし、韋駄天は息をしていないので、なるべくアドリブは入れないけど、やられる人たちは、アドリブをいっぱい入れています。余裕のある強いキャラクターなので攻撃の息をほとんど入れていないんですよね。
石田さん 宮本充さんが演じられているタケシタは「我が!我が!」というキャラクターばかりの中、一人だけ引く芝居をされていて、すごく目立っていますよね。さすが……と思いました。
岡村さん 私はバコードさんが気になっています。バーコードさんだと思っていたんです(笑い)。龍田直樹さんが本当にすてき! いつも気にして見ています。
石田さん 第7話でしたっけ?
岡村さん そうですね。テストの時は「お久しぶりです! 石田さん!」という気持ちが乗ってしまい、本番の時は「威厳を……」とディレクションをいただきました。最近、なかなか一緒にマイク前に立つことがないので、気持ちが乗ってしまって(笑い)。
石田さん そうですね。「ONE PIECE」もありますが、一緒に出番のある回が少ないので。
岡村さん そうですよね。石田さんにお会いすると、勝手に「守らないと!」と思っちゃうんです(笑い)。「ガンパレード・マーチ」の時のイメージで。
石田さん ありがたい話です。
岡村さん (石田さんは)尊敬する先輩です。
石田さん 一応、僕が先輩という立場ですが、守っていただいています。逆に僕は岡村さんのことは守れないですから。そんな余裕がない。お世話になっています。
岡村さん 私も守れていないですよ! もう尊敬以外なにもないです。プロンテアさんがポーラに「おいで」というせりふがすごくすてき。キュンとなっている女子が多いと思います。
石田 そういうところで貢献できているのなら、プロンテアとしてうれしいですね。
岡村さん やめてくださいよ!
石田さん 「ガンパレード・マーチ」でがっつり共演させていただきましたが、今回は全然違う役ですし、当たり前の話だけど、安心してリンさんというキャラクターと受け入れています。僕なんかが、とやかく言う筋合いではないのですが。
岡村さん ありがとうございます! プロンテアさんは、リンにとって一人になってから初めての仲間ですしね。
-ー後半の見どころは?
石田さん 前半は韋駄天側が、魔族よりも圧倒的に優位に立っています。一番の見どころは、プロンテアとハヤトたちが魔族と戦い、イースリイがピサラと一騎打ちするところ。プロンテアについては誰も心配しない。ハヤト、ポーラは二人でかかればなんとかなる。イースリイは知略で勝てるのか? ドキドキしながら、それぞれの戦いを見ていただけると思います。これからは、魔族が巻き返していくのか?も見どころになっていきます。
岡村さん これからは、頭のいい人がいろいろ考えていきます。“脳筋チーム”は戦ってなんぼなんで(笑い)。目の前のものを倒していくだけです! 後は頭のいい人がなんとかしてくれるでしょうね。サブタイトルも注目です。いつもサブタイトルを探しています。第1話は、木に彫っていて、第2話は岩に彫っていました。どこ!?と探したら、雲や天井にあったり。そういうところも癖になります。
※朴ロ美さんの「ロ」は「王へん」に「路」。
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