平祐奈:「奇跡」のデビューから10年 「芝居に迷っていた」ことも 転機になった藤井道人監督との出会い

スペシャルドラマ「我が家の夏~リバー・サイド・ファミリー~」で主演を務める平祐奈さん=東海テレビ提供
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スペシャルドラマ「我が家の夏~リバー・サイド・ファミリー~」で主演を務める平祐奈さん=東海テレビ提供

 女優の平祐奈さん主演のスペシャルドラマ「我が家の夏~リバー・サイド・ファミリー~」(東海テレビ)が、9月12日午後1時25分から東海ローカルで放送される。2011年に公開された是枝裕和監督の映画「奇跡」でデビューし、今年で10周年。「すごく自分の芝居に迷っていた」とも明かす平さんに、転機となった作品や番組、スペシャルドラマの見どころなどを聞いた。

 ◇イッセー尾形にアドリブで対応

 ドラマは、愛知県豊田市が舞台。主人公の大津あかり(平さん)は東京で暮らす大学4年生。28社目でようやくもらった内定の報告をするため実家がある豊田市に笑顔で帰郷するが、実家に着いた途端、内定取り消しの報が届く。さらにたたみかけるように「祖母の認知症」「突然のプロポーズ」と、想像もしていなかった出来事が相次ぐ……という展開。イッセー尾形さんが祖父の大津小太郎、藤田弓子さんが祖母のサエ子を演じる。

 今作の撮影で初めて豊田市を訪れたという平さん。「車のイメージが強かったので、TOYOTAの車ばかり走っているのかなという印象でした(笑い)」というが、実際に行ってみると「自然豊かで、川と空の景色が絵のようにきれいで。(名物の)アユの塩焼きとかお刺し身とか新鮮でおいしくて、果物もおいしかったです。人も温かく、すてきな町でした」と印象の変化を明かす。

 祖父母役の尾形さん、藤田さんとのエピソードを聞くと、「お二人とも初めてあいさつをしたときからすごく気さくな方で。撮影中も本当のおじいちゃん、おばあちゃんのように優しく接してくださり、カメラの回っていないときもいろいろなお話をしてくださいました」と振り返る。

 「イッセー尾形さんはユーモアたっぷりでカットがかかっても、ずっとアドリブを続けたり、段取りからテスト、本番とセリフを変えてらして、それがすごく楽しかったです。ドラマでも使われている部分があるんです(笑い)。藤田弓子さんからは、『今まで行った国でここがよかった』とか、『こんな珍しいものを食べたのよ』とか話を聞かせてくださって。コロナ禍なので、落ち着いたらご飯食べに行きましょうと約束しました」

 尾形さんのアドリブには、平さんもアドリブで対応したといい、「返していったら『返せるようになったか』って言われて(笑い)。仲の良さがいっぱい画面に表れていると思います」という。「イッセーさんは日常のご自身の思いや感覚をお芝居に生かされているなと感じ、セリフの言い回しもナチュラルですてきでした。イッセーさんと弓子さんを見ていると、今までの経験があるから深みのあるお芝居をされていると感じたので、いつか自分もこういうお二人みたいになれたら」と語った。

 ◇転機は「奇跡」「おはスタ」「箱庭のレミング」

 これまでさまざまな役を演じてきた平さん。この10年を振り返ってもらうと「あっという間に過ぎて、つい最近女優を始めたばかりという感覚で、常に新鮮だという思いがあるんです」といい、「現場に行くと、いろいろな出会いがあると思うことがあります。共演者さん、スタッフさんとまた再会できるのは、すごくうれしいことですね」と笑顔を見せる。

 これまで女優として「自分自身が明るい性格なので、明るい役を求められることが多かったです」と振り返り、「最近は年齢を重ねるにつれて『落ち着いてきたね』って言われることが増えたんです。今後も役どころでダークなものなど、幅広くやっていきたいです」と意欲を示す。

 転機となった作品や番組などを聞いたところ、是枝監督の映画「奇跡」(2011年)、当時、山寺宏一さんがMCを担当していたバラエティー番組「おはスタ」(2012~2014年出演、テレビ東京)、映画「新聞記者」で知られる藤井道人監督が製作総指揮した配信ドラマ「箱庭のレミング」(2021年、ABEMA)の三つを挙げてくれた。

 「奇跡」については「是枝監督は子役に台本を渡さない監督だったので、何も分からない私には、即興でお芝居をするほうがよかったのかも」と振り返る。また、“おはガール”を務めた「おはスタ」について「それまでは恥ずかしがり屋だったんですけど、『自分自身をさらけ出していいんだ』って学びました。当時は役を演じるとき、恥ずかしさがあったんですけど、生放送の『おはスタ』で対応力が身についたのか、物おじせずに立ち向かうことができるようになりました」と語る。

 「今年もすてきな出会いがあった」という平さん。「箱庭のレミング」では「藤井監督とすごく仕事をしたいと思っていて、オーディションをやっていると聞いたので行ったんです。合格させていただき、出ることになったのですが、私、すごく自分の芝居に迷っていた時期なんです」と告白。「監督が、私が悩んでいたことをオーディションのときから分かっていたみたいで(笑い)。監督はドキュメンタリーチックに作品を撮る方で、いろいろとお話させていただくことができました。大きな出会いだったと思います」と声を弾ませた。

 「我が家の夏」でも、「箱庭のレミング」で受けた藤井監督からのアドバイスを取り入れることができたといい、「完成した作品を見て、序盤のシーンであかりは違和感があると思ったんです。明るいのに内定が取り消されて、どこか空元気。本当は田舎暮らしが合っているのに、都会で無理して頑張っている。田舎に帰ってきて、徐々に素の明るさに戻っていく様子が、このドラマの中で出せているかなと思っています」と自信を見せる。

 ドラマの見どころを「食べ物や気候、人の良さと豊田市の魅力がたっぷりで、アユが食べたくなると思います(笑い)。また、おじいちゃん、おばあちゃん、孫のハートフルな会話だったり、就活でつまずいたあかりなど、私と同世代の方も共感できる部分があると思います。困難に立ち向かいながらも、前向きになれるドラマだと思っています。ご家族で見てもらって、温かい気持ちになってもらえると思います」とアピールしていた。

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