中川大志:「ボク恋」柊は“当て書き” 視聴者を「大志劇場」とうならせる演技力のウラ

連続ドラマ「ボクの殺意が恋をした」で主人公・男虎柊を演じている中川大志さん=読売テレビ提供
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連続ドラマ「ボクの殺意が恋をした」で主人公・男虎柊を演じている中川大志さん=読売テレビ提供

 俳優の中川大志さん主演の連続ドラマ「ボクの殺意が恋をした(ボク恋)」(読売テレビ・日本テレビ系、日曜午後10時半)が9月12日にいよいよ最終回を迎える。ターゲットに禁断の恋をした、最高に“間が悪い”殺し屋・男虎柊として、大きな身ぶり手ぶりで表現するユニークな演技と、大粒の涙を流したり、ほえたりと、中川さんの振り幅のある演技に、SNSで「中川大志劇場!」「演技に引きつけられる」「くぎ付け」といった声を上げさせるほど、視聴者をうならせてきた。中川さんを柊に「当て書きした」と明かす、本作の中間利彦プロデューサーに“俳優・中川大志”の魅力を聞いた。

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 ◇脚本に中川大志のアイデア 当て書きで魅力が際立ったキャラに

 ドラマは、映画「翔んで埼玉」「かぐや様は告らせたい」や連続ドラマ「グッド・ドクター」「ルパンの娘」(共にフジテレビ系)などの徳永友一さんらが脚本を手掛けるオリジナル作品。柊が、新木優子さん扮(ふん)するヒロインのターゲット・鳴宮美月(葉山葵)に恋をする様を描くラブコメディーだ。

 ボク恋は、どのように誕生したのか。中間さんは、「脚本の徳永さんと『殺意と愛情という両極端にある感情を題材としたラブストーリーをできないかな。刺激的なエンターテインメントになりそうだよね』と打ち合わせを重ねる中で企画を立てました」と説明する。警察が殺し屋組織を持っている、殺し屋同士のバトルなど、物語はファンタジーだが、「殺意と愛情という感情の部分だけはリアルにやりたかった。そこは丁寧に作りたいと思いました」と振り返る。

 主人公の柊役には、殺意から愛情へと動く感情の表現、ラブコメという世界観の中で見せるシリアスな演技と、高い演技力が求められる。

 そこで中間さんは、2020年放送の「親バカ青春白書」(日本テレビ系)では“残念なイケメン”を演じ、auのCMシリーズ「意識高すぎ!高杉くん」やNHKのコントバラエティー「LIFE!~人生に捧げるコント~」(総合)ではユニークなキャラクター性を見せ、さらに、連続ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」での、文武両道でカリスマ性がある“王子キャラ”馳天馬、映画「砕け散るところを見せてあげる」(SABU監督)での好きになった女子を守り抜こうとする正義感あふれる高校生などを演じてきた中川さんに目を向けたという。

 中川さんの出演が決まってからは、徳永さんと作り上げた第1、2話の台本の準備稿に中川さんのアイデアが加えられたといい、中間さんは「中川さんを当て書きして、彼の魅力を最大限、引き出したいと思った。中川さんのかっこいい部分と、ユニークな部分が際立ったキャラクターになったと思います」と、満足げな表情を見せていた。

 ◇役を作り込む能力 妥協しない姿勢も

 振り幅のある感情の表現、二枚目と三枚目を演じられる中川さん。中間さんは“俳優・中川大志”の魅力は、それだけではないと明かす。それが、キャラクターの細かい部分を作り上げる「落とし込む能力」だ。

 中間さんは、中川さんの撮影現場での様子について「現場に来た時点で、台本のせりふを完璧に覚えて来てくれます。NGもほとんどありません」と明かしつつ、「中川さんは『柊ならこう動きます』『柊ならここまでできると思います』とアイデアを提案してくれます」と話す。中川さんが演じるキャラクターと真剣に向き合い、スタッフへアイデアを共有した結果生み出されたキャラクターの“厚み”が「私やスタッフの思い描いた以上のものに仕上がっている。本当に難しいキャラクターを自分のものにしてくれた」と語る。「23歳という若さで、こういうことができる俳優さんはなかなかいません。本当にすごいと思います」と絶賛する。

 さらに中間さんは、中川さんについて「良い作品を作るために妥協しない」と話し、「共演者やスタッフを引っ張っていく力がすごい。彼の良い作品を作るという姿勢に、みんなついて行く」と明かしていた。高い演技力のみならず、役を作り込む能力、作品作りへの姿勢といった中川さんの魅力が、視聴者を引きつける演技につながっているのかもしれない。

 中間さんが「序盤、中盤、終盤……。『中川大志劇場』だらけです!」と語る最終回では、柊が、育ての親に近い存在の綿谷詩織(水野美紀さん)と対峙(たいじ)する。詩織が殺人を犯したと信じられない柊は、詩織とどのような感情のぶつけ合いをするのか、また、葵との関係にどのような終止符が打たれるのか、今夜も目が離せなくなりそうだ。

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