ワッチャプリマジ!:「プリティーシリーズ」7年ぶりメジャーアップデート 原点回帰と進化

「ワッチャプリマジ!」のクリアカード
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「ワッチャプリマジ!」のクリアカード

 アニメやゲームが人気の「プリティーシリーズ」の新作「ワッチャプリマジ!」のアミューズメントゲーム(タカラトミーアーツ、共同開発シンソフィア)が10月1日に稼働を開始した。「プリティーシリーズ」は昨年10周年を迎えた人気シリーズ。アーケードゲームは、2014年から投入された「プリパラ」以来、約7年ぶりのメジャーアップデートとなった。「10周年をへて、節目に新しいものを作ろうとした」といい、同シリーズの「歌、ダンス、おしゃれ」を受け継ぎ、原点回帰しつつ、新たな要素として「魔法」を加えるなど進化した。「プリマジ!」の進化の裏側に迫る。

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 ◇現実とゲームの世界がつながった!

 「プリティーシリーズ」は、2010年7月にゲーム「プリティーリズム・ミニスカート」が稼働を開始し、2011年4月にテレビアニメ「プリティーリズム・オーロラドリーム」がスタート。「プリパラ」「キラッとプリ☆チャン」などのアニメやゲームが制作されてきた。

 「ワッチャプリマジ!」は、カードを読み込ませてプレーするゲーム機で、玩具店などに設置されている。カードを使ってキャラクターの衣装をコーディネートして、好みの衣装を着せたキャラクターを使って、リズムゲームをプレーする。乱暴な説明にはなるが、着せ替え遊びとリズムゲームをミックスしたようなものだ。

 「プリマジ!」の筐体(きょうたい)は、「プリパラ」と同じくプリンターを内蔵しており、その場でカードをプリントしている。「プリマジ!」で驚かされるのは、カードの美しさだ。光が透けるクリア仕様のカードで、カードにはコーデと呼ばれる衣装がデザインされている。ゲームで使用する際は、ディスプレーの下部にカードを挿して、データを読み込む。カードを挿すと、ディスプレーの映像によって、カードがキラキラと光り、ステンドグラスのような美しさがある。

 カードに描かれたコーデが、読み込まれ、画面上のキャラクターがコーデを着用する。「プリマジ!」は、魔法がテーマということもあり、カードに宿った魔法によって、現実とゲームの世界がつながったようにも感じる。筐体が発光する演出もあり、これまで以上にキラキラ感が増した印象だ。

 ◇“新しい玩具”目指す クリアカードのこだわり

 「プリマジ!」の特徴の一つは、クリア仕様のカードで、「玩具としての魅力」を追求した。「プリティーシリーズ」の初代「プリティーリズム」は、プリズムストーンと呼ばれる宝石型の玩具と連動していた。プリズムストーンも玩具として魅力的だったが、「プリマジ!」は、原点回帰しつつ、「新しい玩具」を目指し、カードの仕様をこだわり抜いた。

 カードのデザインには試行錯誤を重ねた。透明感はあるが、コーデをしっかり視認できる。適度な厚み、強度もあり、玩具としての存在感もある。

 タカラトミーアーツの大庭晋一郎プロデューサーは「最初は、透けていることを生かすために透明部分の多いサンプルを作ったのですが、どうも存在感がないカードになってしまいました。シンソフィアのデザイナーの櫻井明香さんが白版の図形や線をデザインとして多用することで、透明でありながらも存在感のあるカードに仕上がりました」と振り返る。

 筐体、カードなどを開発したタカラトミーアーツの上西宏治さんは「カードの金色の枠の色味やデザインは数パターンサンプルを作るなど試行錯誤しました」と語り、ゲームを手がけたシンソフィアの加藤大典さんは、デザインのこだわりを「印刷の濃淡にもこだわりました。筐体に挿した時、カードが光り、コーデが飛び出てくる!という驚き、感動を目指しました。手に入れたカードをちゃんと使ってほしいという思いがありました」と話す。

 ◇魔法の世界の入り口に

 進化したのはカードだけではない。CGのクオリティーもアップし、より没入感が増した。加藤さんは「これまでの作品とはガラッと変わっているので、実際に遊んでみていただきたいです。コロナ禍で、現実世界では、大観衆の中のライブはなかなか難しいけど、『プリマジ!』では人や妖精がいっぱい出て、大観衆など人々の力がライブをさらに盛り上げるステージを作りました。また、ゲームで遊ぶ子供たちのテンションがもっと上がるように、ちやほやして、いい気分になるように改めて見つめ直した部分もあります。子供をちゃんと褒めてあげて、自信満々でライブを楽しんでほしいという思いがあり、妖精さんなどの演出を考えました」と熱い思いを込めた。

 カードを収納するコーデブックは、立体感のあるレリーフ付きで高級感あるデザインに仕上げ、ただの収納アルバムでなく「魔法の本」に見立てるなど世界観を堪能できるようにした。

 タカラトミーアーツの木村奈緒子さんは「『プリマジ!』は日常の世界にある非日常です。魔法の世界の入り口になることをアミューズメントゲームは意識していますが、コロナ禍ということで、これまでのように外で遊べない子供もいます。だから自宅でも“魔法の世界”にアクセスして楽しめるようにウェブサービス『マイキャラルーム』をスタートしました。コーデのリストやマイキャラの画像を閲覧できるなど、さまざまな機能を用意しています。店頭とウェブが連動した『プリマジ!』はスマホアプリでは味わえない体験があります」と話す。

 テレビアニメもテレビ東京系で10月3日から毎週日曜午前10時に放送される。大庭プロデューサーによると「アニメとの連動を強化している」といい、さらなる展開も期待される。今後も「プリマジ!」の“魔法”に驚かされることになりそうだ。

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