人気アクションパズルゲーム「ぷよぷよ」から生まれ、累計2500万ダウンロードを記録しているスマホ向けパズルRPG「ぷよぷよ!!クエスト(ぷよクエ)」。10月27日に実施されたリニューアルで初のメインストーリー収録とともに、シリーズの原点ともいえる「とことんぷよぷよ」も追加された。サービス開始から約8年、これまでの歩みとこれからの展開について、「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀さんと、「ぷよクエ」運営プランナーのハリガネスケルトンさんに語ってもらった。
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「ぷよぷよ」は、上から落ちてくる同じ色の「ぷよ」を上下左右に四つ以上繋げて消していくというルールのアクションパズルゲームとして1991年に生まれた。その後、1990年代に対戦ゲームとしてブレークし、30周年を迎えた現在もeスポーツの競技になるなど、老若男女を問わず幅広い層で人気を博している。
そんな人気シリーズから生まれた「ぷよクエ」。落ちていくぷよを操作するのではなく、フィールド上に配置されたぷよをタッチして消すというスタイルで、空いたスペースに落ちてきたぷよが同じ色で四つ以上縦横に繋がると連鎖が発生。連鎖したぷよと同じ色のキャラクターが相手を攻撃するというルールだ。ぷよは縦、横、斜めに隣り合って並んでいれば原則として最大5個まで「なぞり消し」することができるのがポイント。条件を満たすとお題に沿って1カ所を消すだけで大連鎖できる配置にフィールドが切り替わる「だいれんさチャンス」が発生し、簡単に大連鎖を楽しめる。
「ぷよクエ」の企画が立ち上がったのはシリーズ20周年の2011年だった。ブラウザーやガラケー、スマートフォンなど、家庭用ゲーム機以外のハードで生まれたさまざまなゲームが人気を博している状況で、スマホ向けに新たな遊び方の「ぷよぷよ」として「ぷよクエ」が企画されたという。
細山田さんは、細かい操作ができる家庭用ゲーム機のコントローラーとは異なり、スマホのタッチ操作では従来の落ちものアクションパズルは厳しいと考えた。スマホならではの「なぞり消しを生かしたゲームアプリ」という「ぷよクエ」のコンセプトが生まれたという。
ぷよぷよシリーズとしての「軸はぶれないように」ということを考えたという細山田さん。「連鎖の爽快感」や、「老若男女誰でも簡単操作で遊べる」というぷよぷよならではの魅力は損なわないようにシステムを作り上げていった。さらに、売り切りの家庭用ゲームとは異なり、スマホアプリは継続的なサービスであるという観点から、キャラクターにも注力。作り込んだことで、他の作品とのコラボ企画もやりやすくなったという。
2013年にサービスを開始。その後「銀魂」「名探偵コナン」など人気作品とのコラボ企画も奏功し、ユーザー数を着々と増やしていった「ぷよクエ」。細山田さんは「長くやっているシリーズなので、原作者の方がぷよぷよが大好きでコラボを承諾してくださるケースも多いんです。『ぷよクエ』は暴力表現が少ないので、そこも評価していただいています」と笑顔を見せる。
しかし、サービス開始から8年。ハリガネスケルトンさんは「(リニューアルは)2年前ぐらいから話していました。その時点でゲームとしては成熟していましたし、どうしても起爆剤が欲しかった」と語る。「最近のゲームと比べるとほとんどUI(ユーザーインターフェース)が変わっていませんでしたし、見栄えや使いやすさを改善したかった」という。
リニューアルにあたり、シリーズの原点でもある「とことんぷよぷよ」も収録した。キャラクターをそろえなくてもずっと遊べることから、一見するとマネタイズの面からは矛盾があるように見える。しかし、ハリガネスケルトンさんは「他のタイトルと比べてもぷよクエのユーザー層は幅広く、『ぷよぷよ』を遊んだことのない方も多かった。そんな方に『ぷよぷよ』も楽しんでほしいし知ってほしかった」と語る。「別のモードではありますが、ファン層の広い『ぷよぷよ』はインストールしたときの期待値が高いだろうと考えました。『とことんぷよぷよ』をきっかけに多くの方に『ぷよクエ』を知ってほしいですし、『ぷよクエ』をきっかけに『ぷよぷよ』を知ってほしいんです」という。
「ぷよぷよ」ファンへのアピールにもなった「とことんぷよぷよ」だが、一方、同じくリニューアルで実装されたストーリーモードは、それ自体がロングランタイトルとなった「ぷよクエ」ファンの要望に沿ったものだったという。「ぷよクエ」に登場する「アルル」や「アミティ」らは、それまでの「ぷよぷよ」シリーズのキャラクター。ハリガネスケルトンさんによると「『なぜサタンはカーくんを狙っているのか?』とか、キャラクター同士の関係性をはじめとした、『キャラクターのお話が見たい』という声が多かった」と明かす。
また、新規ユーザーの取り込みも図った。ストーリーモードは、“みならい探偵”のあたりをはじめとした新キャラクターが物語の舞台となる「プワープアイランド」を訪れ、冒険するという内容。新しいキャラクターが、新規ユーザーと同じ目線から既存のキャラクター同士の関係性を理解していくという流れにすることで、より始めやすくなったと分析する。
今回のリニューアルはあくまでも第1弾。細山田さんは「まだまだ完璧ではありません。スタートしたばかりの頃、『10年やりましょう』と言って笑われたけど、もう10周年が見えるところまで来ている」とこれからの展開に含みを持たせる。ユーザーの声も反映させて今後も盛り上げたいといい、10周年が近づく「ぷよクエ」の今後にも注目だ。
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