放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
人気グループ「なにわ男子」の大西流星さん主演の連続ドラマ「彼女、お借りします(かのかり)」(ABCテレビ・テレビ朝日)でけなげな美少女・桜沢墨(さくらさわ・すみ)を演じるタレントの沢口愛華さん。ドラマは大西さん演じる“非モテ”な大学生・木ノ下和也と“レンタル彼女”水原千鶴との“レンタルからはじまる恋模様”を描くラブコメディーで、沢口さんが演じる墨は会話もままならないほどの人見知りだが、「自分を変えたい」と頑張り続ける女の子だ。“令和のグラビアクイーン”とも呼ばれる沢口さんは今作が初の連ドラレギュラーで、話を聞いた当初は「不安しかなかった」と振り返る。沢口さんに墨役への思いや役作りについて聞いた。
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ドラマは、マンガ誌「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の宮島礼吏さんの同名マンガが原作。“非モテ人生”まっしぐらの大学生・木ノ下和也(大西さん)と、美人な「レンタル彼女」との恋模様を描く。完全無欠のレンタル彼女・水原千鶴を桜田ひよりさん、小悪魔系な和也の元カノ・七海麻美を秋田汐梨さん、和也に一方的にアプローチを仕掛けてくる更科瑠夏を工藤美桜さんが演じている。
原作について「『偽物の思いが本物に変わる』ところが描かれているのがすてき」と沢口さん。「一人の男の子対何人かの女の子、というシチュエーションのマンガはたくさんあると思うんですけど、『かのかり』は内面を深く読み込める作品だと思っていて。女の子が可愛いことですごく人気だと思うんですけど、よく読んだらめちゃくちゃ深いな、と思わされる。一人の読者として『今後の展開、どうなっていくんだろう?』と先が楽しみです」と魅力を語る。
沢口さんは今作が初の連ドラレギュラー。話を聞いたときは「ドッキリじゃないかな」と思うほど驚いたという。「マネジャーさんから『墨ちゃん役が決まりました』と言われたときは『おだててもらっているのかな』と。『ちょっと落ち込んでいるから元気づけよう』とかそっち系かな、と信じていなかったんですけど、衣装合わせのときに『これは本物だな』と思いました。“衣装合わせ”という作業も初めてだったので『こういうふうになっているんだ』と……いきなり芸能界に入った感じです(笑い)」と冗談めかして胸中を明かす。
出演は、楽しみより不安な気持ちが勝っていたという。「人前でお芝居をすることも2~3年していなかったですし、自分のお芝居には自信がなくて、どうやって役作りして、作品に向き合っていけばいいのかな、と……。本当に手探りの状態で、不安しかなかったです」と吐露。ただ、「名古屋にいる両親や親戚に『私は仕事してるよ』という姿を見せてあげられることは楽しみでした」と役を演じている姿を見せられる楽しみもあるという。
演じる墨は極度の人見知り。沢口さんは、原作を読んでそんな墨に共感できるところがあったと話す。
「原作を読んで思ったのは『すごくけなげなんだな』ということ。人が苦手だけど、それは人のことを人一倍強く思っているからこそで、だからちょっと人見知りになって気を使ってしまうんだろうな、と。私もこういう仕事をしていて、人に気を使うことがあるので墨ちゃんの気持ちにすごく共感できると思いました」と自身と重ね合わせて印象を明かす沢口さん。「あの見た目で、ああいうキャラで……私が男の子だったら『墨ちゃん、ラブラブ』ってなっちゃうぐらい、可愛いなあと。瑠夏ちゃんとは違った妹キャラですよね。でも、たぶん墨ちゃんが本気になったら、芯が強すぎて誰にもそれは折れないんだろうな、と思います」と思い入れたっぷりに語る。
極度の人見知りで、人と話すことが苦手な墨。沢口さん自身も「もともと人が苦手」だといい、墨を演じるために「人に会うときの緊張感」を思い出していたという。「グラビアの仕事ではほとんど知っている方々との仕事なので、あまり『恥ずかしい』『緊張する』ということはなかったんです。でもこの現場に入って、衣装合わせのときなどに初めましての大人の方たちとたくさん話すことがあって。そういうときにまた、昔の“人に対する緊張感”が戻ってきて。それはちゃんと覚えておいて、有効活用しようと思っていました。ドギマギする思いや、測れない距離を測ろうとする感覚を忘れないように」と沢口さん。
また、言葉がうまく出てこない感覚も意識した。「思っていることを言葉にして出そうとするときや、言葉を組み立てているときのことをちゃんと考えてみたり……。無意識に『墨ちゃんだったらこうかな?』みたいなことを考えていた時期があります」と役作りの一端を明かす。口数が極端に少ない人物を演じる難しさも感じており、「思いは表情で伝えるしかない。でも表情を作ることは大切だけど、ちゃんと内面から出さなきゃいけないと思ってすごく台本を読み込みました」と語り、「難しいけど、研究していくことは楽しいし、あまり苦ではなかったので、今後にも生かせていけたらなと思いました」とほほ笑む。
役作りでは、人生で初めて髪を染めた。「女優として『役作りで染める』ということが、すごくうれしかったですね。あと、やっぱりメーク。グラビアってメークは薄めなので、墨役でアイラインをガチガチに入れたり、まつげをギュイーンとあげたりして、鏡越しに自分を見たときは『めっちゃメーク濃いな』と思いました(笑い)。いつもグラビアを見てくださっている方にはすごく違和感があるかもしれないですけど、そういう違和感も楽しんでもらえたらいいなと思います」と声を弾ませる。
撮影を終え、今後も女優業に「意欲的に取り組んでいきたいです」と意気込みを語る沢口さん。「まだまだ実力も経験もないし、不安定なところを見せてばかりだと思うんですけど、いずれ女優として頼ってもらえるように頑張っていきたい、という思いはあります」と前を見据える。
そんな沢口さんから見た、今作の見どころは?
「原作もリアリティーがありますが、実写化で、よりリアリティーが生々しくなって。『リアリティーが生々しい』って変な言葉ですけど、その言葉が合っているなって感じています。実際に人の温度に触れているからこそ見ることができる、温かさや耐えられない違和感があるのかな、と。墨ちゃんと麻美ちゃんと和也君のシーンもすごくギスギスしているので、漂う緊張感や温度を感じていただけたらうれしいですね」と沢口さん。「なんで実写化するのかというと、違う方向から見ることができる新たな切り口があるからで、それはすごくいいことだと思っているので、そういうところに少しでも気付いていただけるような作品になればいいなと思います」とドラマに込めた思いを語ってくれた。
ドラマはABCテレビで毎週日曜午後11時55分、テレビ朝日で毎週土曜深夜2時半から放送中。
※クレジット(敬称略)
メーク:長島由香(MARVEE)/衣裳:菊池奈由佳(東京衣裳)