鎌倉殿の13人:血なまぐささの象徴? “準レギュラー”首桶 何回登場したか、数えてみた

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第36回場面カット 首桶を抱えて時政(坂東彌十郎さん)に迫る義時(小栗旬さん) (C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第36回場面カット 首桶を抱えて時政(坂東彌十郎さん)に迫る義時(小栗旬さん) (C)NHK

 12月18日に最終回を迎える小栗旬さん主演の2022年NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)。ここまで、人間くさくて血なまぐさい濃厚な歴史ドラマが描かれ、多くの登場人物が死に追い込まれてきた。そんな中、キャストとしてクレジットされることはなかったが、“準レギュラー”化したのが「首桶(おけ)」。同作の血なまぐささの象徴とも言える首桶は実際、何シーンで登場したのか。初回からオンエアを見返し、数えてみた。その結果は……。

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 首桶が初登場したのは、第6回「悪い知らせ」(2月13日放送)でのことだった。前週第5回「兄との約束」(2月6日)で、大庭景親(國村隼さん)率いる平家方の前に源頼朝(大泉洋さん)の一党は敗走。ここで戦死した坂東武者たちの首が入った複数の首桶が運び込まれるシーンで、善児(梶原善さん)に暗殺された北条宗時(片岡愛之助さん)の首と、伊東祐清(竹財輝之助さん)の“ご対面”もあった。

 第7回「敵か、あるいは」(2月20日放送)では、千葉常胤(岡本信人さん)が頼朝に“土産”を差し出し、「下総の国衙に寄りまして、これを襲撃。館に火を放ち、平家にくみする目代を引きずり出して、首をはねました」と説明するシーンがあったが、首はつぼのようなものに入っていたので、ノーカウント。次に正真正銘の首桶が登場したのは、第9回「決戦前夜」(3月6日放送)で、中身は、武田信義(八嶋智人さん)が討ち取った駿河の目代・橘遠茂らの首で、これを2回目とする。

 なお余談ではあるが、第10回「根拠なき自信」(3月13日放送)までで、堤信遠(吉見 一豊さん)、山木兼隆(木原勝利さん)、景親がさらし首となっている。

 3回目の登場となったのが、第17回「助命と宿命」(5月1日放送)。同回は源義高(冠者殿、市川染五郎さん)の最期が描かれたことで知られ、幼い大姫(落井実結子ちゃん)の決死の助命嘆願も間に合わず、義高の首の入った首桶が、伊豆の武士・藤内光澄(長尾卓磨さん)によって持ち込まれるシーンは視聴者に強いインパクトを与えた。

 続く4回目の登場は第20回「帰ってきた義経」(5月22日放送)。副題の通り、源義経(九郎、菅田将暉さん)が鎌倉に“無言の帰還”を果たし、頼朝が、義経の首が入った首桶を抱え、慟哭(どうこく)するシーンも視聴者の胸を打った。

 5回目の登場はすぐで、翌週第21回「仏の眼差(まなざ)し」(5月29日放送)でのオープニングタイトルバック明けでのこと。首桶の中身は義経を討った藤原泰衡(山本浩司さん)の首。それを差し出した泰衡の家人・河田次郎(小林博さん)も頼朝の命により首をはねられた。

 6回目の登場は第29回「ままならぬ玉」(7月31日放送)で、前週第28回「名刀の主」(7月24日放送)を最後に鎌倉を離れた梶原景時(中村獅童さん)の“その後”として、頼家(金子大地さん)の前に一族の首桶が並べられた。

 7回目の登場となったのが翌週第30回「全成の確率」(8月7日放送)。頼家に対して呪詛(じゅそ)を行った疑いにより、常陸国へと送られた後、死罪となった阿野全成(新納慎也さん)を、頼家が首実検するシーンで、蹴鞠(しゅうきく)の鞠を見て全成の首を思い出すという描かれ方もなかなかエグかった。

 そして、8回目の登場は第36回「武士の鑑(かがみ)」(9月18日放送)で、首桶の中身は、屈指の人気キャラクター・畠山重忠(中川大志さん)の首ということもあり、視聴者から「この首桶だけは見たくなかった」といった声が上がったほど。主人公・北条義時(小栗さん)は首桶を抱え、「次郎(重忠)は、決して逃げようとしなかった。逃げるいわれがなかったからです。所領に戻って兵を集めることもしなかった。戦ういわれがなかったからです。次郎がしたのは、ただ己の誇りを守ることのみ」と時政(坂東彌十郎さん)に語るシーンでは、無念さがとても伝わってきた。

 直近の第47回「ある朝敵、ある演説」(12月11日放送)までで、今のところ最後の首桶登場となったのが、第45回「八幡宮の階段」(11月27日放送)。同回では、雪の鶴岡八幡宮で、公暁(寛一郎さん)が、源仲章(生田斗真さん)と実朝(柿澤勇人さん)を次々と殺害。その後、公暁は「四代目鎌倉殿」を名乗るも、謀反人となり、最後は、三浦義村(山本耕史さん)に背後から刺され、命を落としたが、その公暁の首が入った首桶を「検分していただきたい」と義時に差し出しシーンで、通算9回目となった。

 改めて数えてみると決して多くはないように思えた首桶登場回数だが、“中身”も含めて、どれもが印象的だったため、“準レギュラー”化したのかもしれない。果たして、最終回に出番はあるのか、注目だ。

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