海に眠るダイヤモンド
第2話 スクエアダンス
11月3日(日)放送分
詐欺師をだます詐欺師“クロサギ”の活躍と葛藤を描く連続ドラマ「クロサギ」(TBS系、金曜午後10時)が、いよいよ12月23日に最終回を迎える。本作で主人公の黒崎高志郎を演じてきたのが、人気グループ「King & Prince」の平野紫耀さんだ。詐欺師をだます“クロサギ”の黒崎はさまざまな詐欺師と対峙(たいじ)するために、毎回違った人物を装う。いわば“人物を演じた人物”という難役を、平野さんは単なる変装としてではなく、それぞれのキャラクターとして見事に体現してみせた。最終回の放送を前に、今作での黒崎を振り返りながら、平野さんの魅力に迫りたい。
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ドラマは、夏原武さん原案、黒丸さんによるマンガ「クロサギ」シリーズが原作。詐欺被害で家族を失った黒崎が、クロサギとなって真の敵に立ち向かっていく物語だ。
黒崎の標的は人をだまして金銭を奪う“シロサギ”。詐欺師界のフィクサー・桂木敏夫(三浦友和さん)から情報を買い、業界の秩序を乱したシロサギと、桂木に刃向かったシロサギだけを狙っている。
劇中には、毎回異なるシロサギが登場し、彼らの職業や詐欺の手法に合わせて、黒崎もさまざまな人物に“変身”。音楽出版社や総合プロデュース業の代表といった“やり手の経営者”から、投資で損をしている“金持ちのボンボン”まで多岐にわたった。
それぞれの人物になりきるため、黒崎は細かな設定を考え、服装、髪形などもチェンジ。第8話ではターゲットの妻に近づくため、彼女好みのホスト風の男を装い、カラーコンタクトや金髪メッシュ姿も披露した。
相手の信頼を得るために、ハイブランドの服や小物を身につけることも多い黒崎だが、決して“着られてしまう”ことがないのが平野さん。むしろ自身が持つ華やかさと相まって、存在感をより際立たせている。
本作を手がける武田梓プロデューサーも「平野さんの何でも着こなす力はさすがだなということを目の当たりにしました」と話しており、黒崎がかけるサングラスを選んだ際の裏話として「いくつかの候補からオーディションをしたのですが、どれもド派手なのに全部似合ってしまうので、スタッフ内でも意見が分かれて選ぶのが逆に大変でした」と語っていた。こうした“着こなす力”も手伝って、あらゆる役が自分のものになっている。
見た目の変化もさることながら、平野さん自身もなりきる人物によって演技を細かく変えていたのが印象的だ。武田さんは「声のトーンやちょっとした仕草など、細かい部分で“普段の黒崎”とあえて変えている部分がたくさんある」と明かしている。
さらに「私たちが相対する人によって見せる顔が変わるように、黒崎も氷柱(黒島結菜さん)、桂木(三浦友和さん)、ターゲットとそれぞれに見せる顔が違うのですが、黒崎という一人の人間としてそれを使い分ける平野さんの演技がとても上手で。見ていて楽しくなる黒崎になっていると思います」と話していた。
物語が進んでいくにつれて、黒崎と氷柱、桂木の関係性は変化し、彼らに向ける黒崎の表情もまた変わっていった。平野さんは瞳の動きなど、繊細な芝居でその移り変わりを表現。黒崎が次にどんな顔を見せてくれるのか、気づけば片時も目が離せなくなっていたはずだ。
こうした平野さんの姿から感じるのは“何者にもなれる力”だ。どんな人物像にもハマり、どんな場面も平野さんがいることで図らずも絵になってしまう。一挙一動に見入ってしまい、いつの間にか存在を追い続けてしまうのだ。
平野さんは、ジャニーズJr.時代からトップで活躍し、センスの良さと確かな実力で見る者を楽しませてきたエンターテイナーだ。それは俳優業においても生かされ、物語にさらなる説得力を与えている。まさに平野さん自身が“圧倒的主人公”そのものなのだ。
いよいよ迎える「クロサギ」の最終回。黒崎の行く末を見届けつつ、平野さんの“何者にもなれる力”を最後まで堪能したい。
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