良いこと悪いこと
最終話 真犯人、だーれだ?
12月20日(土)放送分
松本潤さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合、日曜午後8時ほか)の第1回が、1月8日に放送された。主人公の徳川家康(松本さん)が父のように慕う駿河の大名・今川義元を演じる野村萬斎さんが、「桶狭間の戦い」で早くも討ち死にするという驚きの幕開けとなった。
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萬斎さんは、「見た人たちが『えっ!』と驚くんじゃないかなと思います」と笑い、「私もちょっとひっくり返りそうになりましたけどね。『これでおしまい?』って。『ここ見せ場じゃないんだ』って(笑い)」と率直な思いを吐露。
「今までの大河で見ると、『元禄繚乱』(1999年)の(中村)勘三郎さんの死に際がすごかったと話題になっていましたけど、逆に私の場合は皆さんの想像力にお任せするというか、家康たちが『うそだろ?』と信じないことで、それがどれだけショックが大きいかを見せていたのだと納得しているつもり」と話す。
今作は「義元の死に様よりも、彼が理想として掲げた“王道”“覇道”の違いにポイントがある」といい、「家康に“理念”を与える役回りが義元。今回の全体の脚本は、戦を描くということ以上に、国作りや平和な国家にどう推移していくかっていうことに重きを置いているのかなと。今後の展開にも期待していただきたいですね」とアピールした。
「家康が江戸幕府を作っていくプロセスに焦点を当てるときに、『今川義元のおかげだったんだな』という印象が残るといいと思うし、いよいよ幕府が開く時に、(回想シーンなどで)もう1回くらい登場できたらいいな(笑い)」と笑顔を見せた。
萬斎さんは、第1話の撮影を振り返り「出陣の前に舞を舞うシーンは、雅楽を基に私の能楽に引き寄せました。非常に呪術的なシーンになっていると思います」と説明。「それが士気を高めることでもあるし、我らには神が味方しているんだという理想形というか、理想郷を感じるような、そういうシーンになるといいなという思いで演じました」と語る。
「このシーンはいろいろと時間をかけてだんだん盛り上げていったので、監督たちも喜んでくれました。そこは“野村萬斎の底力”だと思っていただけたらうれしいですね」と思いを口にした。
また、家康に金色の甲冑(かっちゅう)を与えるシーンについては、「実はあれがファーストシーンだったんです。ちょっと緊張しました(笑い)」と告白。「台本を読むと逆算できるけど、あれは家康を目立たせるために着せているわけですよね。そういう意味では、義元も二枚舌といえば二枚舌だし、家康は一つの試練を与えても、それをかいくぐって生き残れる人物なんだと信じていたんでしょうね」と話す。
萬斎さんは、そんな重要なシーンだからこそ「面白くしたい」と思ったといい、「みんなのリアクションがよかったので、それにのっかって、さぞ素晴らしいもののように『汝(なんじ)に託す』と演じた覚えがあります(笑い)。面白くオチがつくように意識しましたね」と振り返った。
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