モデルや女優として活躍し、ゲーム好き、マリンスポーツ好きな顔も持つ石田ニコルさん。現在はミュージカルへの出演機会も増えて活躍の幅を広げる石田さんは、仕事をするうえで「変にいろいろ決めつけない」ことを大事にしているという。2023年2月には素の表情やセクシーな姿などを収めた自身初のカレンダー「石田ニコル2023-2024年カレンダー『Which is…』」の発売も決まっている石田さんに、カレンダーの制作秘話やミュージカルへの思いなどを聞いた。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
以前に一度スタイルブックを制作していることもあり、今回は「違うことをしてみたかった」と初のカレンダー制作に挑んだ石田さん。カレンダーではランジェリー姿など大胆な写真も収められているが、それは石田さん自身が20代のころから挑戦してみたいことだったという。
「こういう大人っぽい撮影はずっとやってみたいと思っていたんです。下着での撮影は広告などで今までもいろいろとやっていましたが、初カレンダーとして、今まで見せてこなかった大人っぽいセクシーな雰囲気に振り切ることにしました」
カレンダーでは、ほぼノーメイクな写真と、自前のウイッグやリボンなどを持ち込み、作り込んで撮影した写真という対照的な作品が並ぶ。そうした二面性も今回表現したかったことだと話す。
「白が基調の写真はノーメークで、ほぼすっぴん状態。撮影スタッフは、なるべく素でいられるように、女性スタッフ、仲がいい人たちだけで固めました。それもあって撮影中は『こうやった方が可愛いんじゃない』とか『この方がちょっとセクシーなんじゃない』とアイデアを出し合って、みんなでその場で作り上げていきながら撮影ができました。まさに女子会のような感じで撮影していましたね。白が基調の写真は、メークを直しているところだったり、ぼーっとしていたりするところなんかを撮った写真も組み込まれていて素に近い表情を切り取ってもらいました。黒が基調の写真は、自前のウイッグやリボンなど、私物を使わせていただいて、世界観を作っていく感じ。そんなふうに二面性の世界観を表現することで、めくる度に驚きのあるカレンダーにすることも意識しました」
撮影に臨むにあたり、「ヘルシーで女性らしいプロポーションを表現」するための体作りを行った。具体的には、食事面では乳製品と小麦を控え、サラダや肉、魚を中心にしたメニューを意識。運動面ではピラティスに励み、腰のくびれを際立たせ、シルエットがきれいに写るように作り上げていったという。そんな日々を経て、新しい発見もあったと語る。
「体作りはタイミング・タイミングでずっとしてきたことではありましたが、今の自分の体について『あ、こうなるんだ』と新しい発見があって、楽しかったですね」と石田さん。そのような努力の結果、完成したカレンダーには新鮮なものを感じた。
「自分でも、見たことがない感じです。今までは『だいたいこういうイメージ』というものがあったんですが、今回は『こういう顔、見せたことないな』とか『こういうこと、やったことないな』という、私の中でもすごく新鮮な部分があって。もしかしたらみなさんもちょっとびっくりしちゃうかもしれないんですけど。自分でもすごく新しい私がいる感じがして、面白かったです。『めっちゃ素だな。これ、みんなに見せていいのかな? ま、いっか』と(笑い)」
そんな石田さんは、女優としても活躍中。特に現在は、ミュージカルへの出演が目立つ。そんな状況を、石田さん自身「楽しい」と感じているという。
「最近ミュージカルに出演をさせていただくことが多いですね。自分でもびっくりなんですが、毎回お話しをいただく度とても嬉しいです。ミュージカルに出させていただいた当初はもちろん大変なことも多かったですが、純粋に楽しい!と思えるようになって、そこからいろんな作品に呼んでいただけるようにもなりました。歌ったり踊ったり、演技したり、人前でパフォーマンスすることが好きなんだなと感じます」
そう充実感をにじませる石田さんだが、初舞台から再び舞台に立つまでに7年近く空白の期間があった。「舞台には向いていない」という時期もあったという。
「『私、舞台は向いていないな』と思っていた時期があったんです。ただ、久しぶりにミュージカルに参加させてもらえることになって、周りの皆さんが支えてくださったり、ボイストレーニングの先生に出会えたり、そんな環境によって『私、本当はこれが好きだったのかもしれない』という気づきがあって。舞台って、一度きりでカタチに残らない。たぶん、そういうところも好きなんです。毎回、絶対違う何かが起きる。その日のお客さんの雰囲気だったり、空気感が毎回違うように、舞台も毎回変化していくところも、もすごく好きなんだと思います」
1月30日から上演されるミュージカル「MEAN GIRLS(ミーンガールズ)」にも出演。同作は、2004年に米国で製作された同名映画が原作のアメリカンガールズコメディーで、2018年にブロードウェーでミュージカル化されている。石田さんが演じるのは、学園の女王様であり、「プラスティックス(Plastics)」という校内アイドル3人組のトップのレジーナ・ジョージだ。
「レジーナ役をいただいたときは、うれしかったです! もともとすごく映画版が好きで、よく見ていたので。レジーナという超ボスをやることになって、『どこまで意地悪に、楽しくできるかな』と今からワクワクしています(笑い)。悪い役を演じるのって結構、楽しいんですよ。だからどれだけ真面目にボス感をだせるか意地悪なことが言えるか、すごく楽しみです。コメディ要素もある作品なので、観に来てくださった方にどれだけ楽しんでもらえるか、レジーナを愛してもらえるか色々考えています。もともとブロードウェイで上演されている作品なので、稽古(けいこ)前から楽曲を聞きながら『この曲の時はこうしようかな』とアイデアを温めたりしていました」と意欲十分だ。
ミュージカルという舞台で活躍する石田さん。一度は「向いていない」と思った世界に飛び込んで、楽しさを見つけた。今は「変にいろいろ決めつけないこと」を心がけている。
「私は“不安がり”で、新しいことを始めることを怖がってしまう傾向があります。安定を求めるタイプなんだと思います(笑い)。でも、やる前に決めつけるのは、やめようかなと。やってみたら変わるかもしれないから。ミュージカルももちろん最初は大変なことが多かったですが、『楽しむ』と決めたらどんどんのめり込むことができました」
そうほほ笑む石田さんが今、挑戦してみたいことは“声の仕事”だという。
「アニメーションの声とかナレーションとか、声だけで表現する仕事をしてみたいです。舞台では、発声やしゃべり方、強弱などはよりオーバーに表現することが多いのですが、そのうち『声だけになるとどうなるんだろう、アニメーションに合わせるとどうなるんだろう』と思うようになって……。やってみたいなって思っています」と新しい世界に意欲をみせる石田さん。最後に「カレンダーしかり、舞台しかり。いろいろな場面で、さまざまな姿、違う部分を出していけたらいいなと思います」と今後の活動への意気込みを語ってくれた。
カレンダーはA5サイズで全14枚。価格は2800円。