人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」の松村北斗さんと女優の上白石萌音さんが、映画「夜明けのすべて」でダブル主演することが2月13日、明らかになった。2人の共演は2021年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」で夫婦役を演じて以来。映画では初となる。
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「そして、バトンは渡された」で2019年本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの同名小説(水鈴社)を、「ケイコ 目を澄ませて」(2022年)を手がけた三宅唱さんの監督・共同脚本で映画化。昨年末に撮影が終了し、現在編集中で、公開は2024年2月を予定している。
松村さんは、仕事も恋も順調だったが、パニック障害を患ったことで人生が一変し、電車や美容室など逃げ場がない場所に行けなくなってしまった主人公、山添孝俊を演じる。上白石さんは、普段はおおらかな性格だが、PMS(月経前症候群)によって月に一度、イライラが抑えられず、怒りを爆発させてしまう、もう一人の主人公、藤沢美紗を演じる。
松村さんは「実はお話をいただいたのは結構前だったので、やっと動き出した今、とてもうれしく思っています」と話している。再共演する上白石さんについては「山添くんと藤沢さんは、形容しがたい特別な関係性で難しい部分もありましたが、上白石さん演じる藤沢さんの存在があったからこそ、とても自然に山添くんの日常に溶け込むことができました」といい、「未来に希望が持てるような作品をお届けしたいと思いますので楽しみにしていてください」とメッセージを送った。
上白石さんは、原作について「元から大好きな小説でしたが、撮影現場は小説がそのまま現実になったかのような空気感でした。三宅監督の深く心強い全方位への愛、松村さんの悔しいくらいすてきなお芝居、隅々までこだわり抜かれた現場。これ以上ないほどぜいたくな環境で、緻密な会話を重ねながら藤沢さんを演じた日々でした」と振り返り、「公開を楽しみにお待ちいただけるとうれしいです」と呼びかけた。
映画は、月に一度、PMSでイライラが抑えられなくなる藤沢美紗は、転職してきたばかりにもかかわらず、やる気がなさそうに見える同僚・山添孝俊のある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。自己嫌悪に陥る美紗だったが、実は山添がパニック障害を患い、さまざまなことをあきらめて、生きがいも気力も失っていることを知る。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもない、同志のような特別な気持ちが芽ばえた2人は、いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる……というストーリー。
松村さん、上白石さん、三宅監督、原作の瀬尾さんのコメント全文は以下の通り。
実はお話をいただいたのは結構前だったので、やっと動きだした今、とてもうれしく思っています。まず原作を読ませていただいたときに、すてきな物語と文章の面白さであっという間に読み終えてしまったのですが、脚本では新たな要素が加わり、でも本作の持つ温かさはもちろん変わらずにそこにあって、改めてすごい脚本だなと感じながら演じました。
そして今回、藤沢さんを演じられた上白石さんとは再共演となります。山添くんと藤沢さんは、形容しがたい特別な関係性で難しい部分もありましたが、上白石さん演じる藤沢さんの存在があったからこそ、とても自然に山添くんの日常に溶け込むことができました。三宅監督とはたくさん会話させていただいたことが印象に残っています。とても心地の良い距離感で接してくださるので、毎日現場に行って撮影するのが本当に楽しみで撮影が終わるときは寂しい気持ちでいっぱいでした。未来に希望が持てるような作品をお届けしたいと思いますので楽しみにしていてください。
「夜明けのすべて」は元から大好きな小説でしたが、撮影現場は小説がそのまま現実になったかのような空気感でした。三宅監督の深く心強い全方位への愛、松村さんの悔しいくらいすてきなお芝居、隅々までこだわり抜かれた現場。これ以上ないほどぜいたくな環境で、緻密な会話を重ねながら藤沢さんを演じた日々でした。できることならタイムスリップしたいくらいです。公開を楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。
この場を借りて、かけがえのない小説の映画化を許可していただいた瀬尾まいこさんに心より御礼申し上げます。ありがとうございました。撮影現場では、山添くんと藤沢さんを演じる2人の真摯(しんし)な姿から、生きることの切なさや可笑(おか)しさやまだ言葉にならないものを受け取り、いつしか気持ちのいいエネルギーまでもらいました。それらは必ずや映画館のスクリーンを通して多くの方にも伝わるはずだと信じています。幅広い年代の、ユニークという言葉には収まらない役者たちとともに、またタフで軽やかなスタッフたちとともに、真剣に悩みながら、時にはなんとか笑いをこらえながら、この時代に新たな挑戦ができたことを光栄に思います。この物語を必要としているはずのさまざまな方たちに届けられるよう、スタッフ一同、完成に向けて大切に進めていきます。
数年前突然パニック障害になり、楽しみが不安に変わる日々がやってきました。うまくいかないことが多い中、それでも、助けてくれる誰かがいて、明日を待ち遠しく感じることができています。
「夜明けのすべて」は、そんな中、出来上がった作品で、楽しんで書いている普段とは違い、ゆっくりと立ち止まりながらも書き進めていった物語です。
映画化され、物語の世界に触れられることをうれしく思います。また、見ていただいた方にとってほのかな光がちりばめられた温かいものになればいいなと楽しみです。
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