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5月29日(金)放送分
英国ロンドン「O2アリーナ」で開催される総合格闘技(MMA)イベント「UFC286」が3月19日(日本時間)、WOWOWで生中継・ライブ配信される。メインイベントは、ウェルター級新王者レオン・エドワーズ選手が地元ロンドンで、前王者カマル・ウスマン選手を迎え撃つダイレクトリマッチだ。WOWOW「UFC-究極格闘技-」解説者で“世界のTK”こと、髙阪剛さんが見どころを語った。
--「UFC286」のメインはエドワーズ対ウスマンのウェルター級王座を賭けたダイレクトリマッチ。前回は昨年8月、絶対王者だったウスマンが最終5ラウンド残り時間1分を切ったところで、エドワーズの左ハイキックを食らって初のKO負けという大番狂わせでしたね。
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そうでしたね。なので今回、自分も「なぜ、ああいう結果になったのか」という要因を見つけるために、前回の試合を改めてじっくり見直してみたんですよ。そうしたら、いろいろと自分の中で見つかったことがあって、これを頭に入れてもう一度前回の試合を見直すと、相当面白いと思います。
ウスマンっていうのは、大学時代にNCAAディビジョン2のオールアメリカンに3度選ばれて全米優勝もしているので、レスリングの攻防にめっぽう強いことはみんなわかってると思うんです。けれど、こと四つ組に関しては、エドワーズがウスマンの上をいってたなと思ったんです。
1ラウンド目にウスマンがテイクダウンされたじゃないですか。自分はあれがすごく気になってたんですよ。「なんであんなに簡単に倒されたのかな」って。ウスマンがテイクダウンされたのは、あれが初めてだったんですよね。
しかも粘って粘って寝かされたわけじゃなくて、小外刈りでスコーンと倒されて一気にマウントまで奪われたので。「これはタイミングが良かったのか、ウスマンが気を抜いてたのかな?」って思ってたんです。でもあらためて見返したら、あれはエドワーズの四つ組が相当強いからこそ起こったことだったんです。自分もWOWOWの生放送中に気づけばよかったんですけど、テイクダウンの印象が強烈すぎて、その前の攻防が頭から飛んじゃってたんですよね。
初っぱなの1ラウンド1分20秒すぎに、ウスマンがジャブからタックルにつないでケージに押し込むことに成功したんですけど、その後、エドワーズは差し合いで四つに戻して、オクタゴンの中央まで逆にウスマンを押し戻してるんですよ。そこでウスマンが「あれっ!? やべえな」って感じになったところで、外掛けで倒してたんです。
ケージにしっかり押し込んでからはウスマンのほうが圧倒的に上なんですけど、四つに戻す動きや四つ組の展開はエドワーズが上回っていた。おそらくウスマンサイドも、1ラウンドの攻防で「エドワーズの四つ組はちょっと面倒だぞ」ということがたぶん分かって、その後、少し戦い方が変わったんですよ。例えばスタンドの打撃の攻防で距離が近くなって、エドワーズが組みにいこうとすると、ウスマンはそれをすごく嫌がって離れたりするシーンが何回かあったんです。エドワーズは組み際、離れ際のヒジ打ちが得意なので、ウスマンはそれを嫌がってるのかなと思ったんですけど、映像を見返すと「おそらく四つ組になるのが、倒される危険性があって嫌なんだろうな」ということに気づいたんです。結局、1ラウンド以降、エドワーズはテイクダウンを奪えてないので、ちょっと見た目では分かりづらいんですけど。それはウスマンが組まれることを相当警戒していたからだと思うんですよね。
今までの強い状態のウスマンっていうのは、ジャブで距離を制して、近づいたらケージレスリングで削っていって、相手が「こいつ相手にどうすりゃいいんだ?」っていう感じでなす術なしという状態にされて、完勝するパターンが多かったと思うんです。けれどエドワーズに対しては、ウスマンのほうが四つ組の展開を嫌がっていたから、そこまで盤石の展開にできなかったんじゃないかと思いますね。
おそらく影響していたと思います。スタンドの打撃に関しては、ウスマンのジャブがすごく有効で、エドワーズはなかなか自分のパンチの距離にさせてもらえなかった。ただ、左の蹴りはボディや狙った腕にヒットしてるんですよね。だからエドワーズは「近づいてパンチを入れるのは難しいけど、蹴りは当たるな」っていうイメージを持ちながら試合が進んでいったと思うんですよ。一方でウスマンのほうは、「ケージ際で倒してしっかり上を取れればいいけど、四つ組になるのは面倒だな」という感じで、お互い少しうまくいかない部分がありながら、最終の第5ラウンドを迎えたと思うんですね。
それもあってか最後までスタンドではウスマンの距離だったんですよ。だから、エドワーズは左ストレートから左ハイキックのコンビネーションで倒しましたけど、あれは「パンチが当たらない距離だな」と理解した上で、左ストレートはあくまで目くらましで出して、ウスマンの頭を動かして左ハイキックを入れた。あれはエドワーズが「この攻撃なら当たる」という感覚をつかんだからこそ、出せた一撃だと思いますね。
おそらくあのコンビネーションを途中で出していても防がれていたと思うんです。でも5ラウンド目だからこそ、ウスマンのほうにも「この距離ならパンチは当たらない」「あとは下手に組まれずに、蹴りに関しても致命傷になるようなものをもらわなければ勝てる」という気持ちが生まれたことで、言ってしまえばベーシックなフェイントに引っ掛かってしまったんだろうな、と。
だから目に見える攻防だけじゃなく、頭の駆け引きもいろいろと行われていたんでしょう。それを想像すると、かなり深い5ラウンドだったんだと思いましたね。
再戦っていうのは、必ず前の試合で起きたことがまずポイントになるんですよ。前回はハイキックで決まったので、ウスマンは蹴りをより警戒するというか、ちょっとしたトラウマになってると思うんですよね。だからエドワーズは逆に、蹴りのフェイントを多用する可能性が高いと思います。
ウスマン側からすると、そうならないためにどうするかといえば、その距離にならないことが手っ取り早いので、ケージに押し込んでのテイクダウン。それは前回の試合でもかなり有効だったので、そっちを柱にしてくるんじゃないかと予想します。エドワーズが四つ組に強いこともしっかり想定して準備をしてくるでしょうからね。
そうなんですよ。だから、お互い想像もできないような秘策を用意するか、別の穴を見つけるしかなくなってくるので、これはお互い大変な試合ですよ。
エドワーズ側からすると、前回はウスマンが四つ組を嫌ったことで得意とする“際(きわ)”で放つエルボーがあまり出せませんでしたけど、今回、ウスマンが組んでくるとしたら、それが突破口になるかもしれない。あとはテンカオ(カウンターのヒザ蹴り)も得意なので、ウスマンが組み付いてくるところに入れるテンカオというのも1個起点になるかもしれません。ただ、ヒザをキャッチされたらテイクダウンされる危険性が高まるので、双刃の剣ですけどね。エドワーズからしたら、そこで脚を刈られそうになったところで、ヒジを入れるというのもありかな、と思いますけど。
あとは間違いなく裏のかき合いになるので、そうなるとベーシックな攻撃が有効だったりするんですよ。
「生中継!UFC‐究極格闘技‐UFC286 in ロンドン エドワーズvsウスマン、ダイレクトリマッチ!」は3月19日午前6時からWOWOWライブ・WOWOWオンデマンドで生中継・ライブ配信される。
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2026年05月31日 11:00時点
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