奥野壮:「1カット100テーク撮ったことも」仮面ライダージオウを演じて「強いメンタリティーを得られた」

「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」大阪会場のスペシャルアンバサダーを務める奥野壮さん
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「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」大阪会場のスペシャルアンバサダーを務める奥野壮さん

 平成仮面ライダーシリーズ20作目の記念作として2018~2019年に放送された「仮面ライダージオウ」。主人公・常磐ソウゴ/仮面ライダージオウを演じた奥野壮さんは、2000年8月21日、大阪府出身ということもあり、「ひらかたパーク」(大阪府枚方市)で開催中の「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」の大阪会場スペシャルアンバサダーを務めている。「ジオウ」がテレビドラマ初出演作だったという奥野さんが、当時の思い出を語った。

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 ◇2人のソウゴが登場 劇場版も重なり「何してるのか分からなくなって」

 「『仮面ライダーキバ』(2008~2009年)が好きで、しゃべるおもちゃで遊んでました」という奥野さん。演じた常磐ソウゴは、「王様になる」という夢を抱くポジティブ思考の持ち主という、変わった感性のキャラクターで、奥野さん自身も「変な人でしたよね」と笑う。

 「僕はそれまでドラマの仕事をしたことがなくて、(演技で)苦労をしたという経験がなかったから、その分、難しく考えることもなく、台本の内容がすんなりと入っていたように思います。ソウゴは『なんか行ける気がする』が口癖ですけど、僕も口から出る言葉はポジティブにしたいから、できないと思っても『できます』と言うようにしていて、そこは多少僕と似ていたかも……」と自己分析する。「ただ、ソウゴは本気で『できそう』と思っているけど、僕は『そうなってほしい』という願望が添えられた言葉だから、やっぱりタイプとしては違いますね」と笑う。

 先入観や気負いがなかった分、意外とプレッシャーもなく「『ジオウ』を一番楽しんでいたのは、僕自身じゃないか」というほど、撮影中は充実した日々を送った。とはいえ、ソウゴが2人登場する第12話の撮影は「頭がおかしくなるというか、何してるのか分からなくなっていました」と、今だからこそ語れる過酷さを打ち明けた。

 「その頃は劇場版の撮影と、ドラマ本編の撮影を同時にしていて。すごく過密なスケジュールの上に、僕が2人出てくる……ようは2人分演じないといけないから、多くの時間がかかりました」といい、「しかもそのときの監督が、厳しいので有名なカミホリさん(上堀内佳寿也さん)だったから、1カットを100テークぐらい撮ったりして。でもあそこまで粘ってくださる方はなかなかいないから、ありがたい経験でしたし、2、3回NGを出しても平気に思えるぐらい、強いメンタリティーを得られたと思います……あまり良いことじゃないんですけど(笑い)」と語る。

 「仮面ライダー」は、10年ごとに過去のライダーが大集合する作品が作られる。「仮面ライダージオウ」でも、平成生まれのライダーたちが大挙出演。次に誰が出るかは、直前まで出演者にも伏せられていたので「、台本を開いたときに、はじめて『え、あの人が出るの!?』と知りました(笑い)」と明かす。

 もしジオウがライダーシリーズに帰ってきたら、どんな形で登場したいかと聞くと……。

 「ソウゴもジオウも何でもできて、どうとでもなるキャラクターなので、ちょっと想像がつかないです。でも10年たったら僕も年を取りますし、当時のようなソウゴをもう一度演じられるのかなあ? ちょっと大人びた、カッコいいソウゴになってもいいのかなと思ったりするし……『何でも楽しめそうな気がする』という感じですね」と笑顔で語った。

 「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」では、昭和、平成、令和と三つの時代を通して描かれてきた仮面ライダーの魅力をさまざまな角度から紹介する。2022年3月11日に名古屋で開幕したのを皮切りに、これまで福岡、札幌、東京、静岡で開催された。大阪は9月3日まで「ひらかたパーク」内のイベントホールで開催。

 (取材・文・撮影:吉永美和子)

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