俳優の寺尾聰さんが、「メアリと魔女の花」などで知られるスタジオポノックの劇場版アニメ「屋根裏のラジャー」(百瀬義行監督、12月15日公開)に声優として出演することが分かった。寺尾さんがアニメで声優を務めるのは初めてで、重要なキャラクターとなる老犬を演じる。寺尾さんは、1968年公開の映画「黒部の太陽」で俳優デビューし、約55年間の俳優人生で初めて声優に挑戦することになった。「メアリと魔女の花」でヒロイン・メアリの声優を務めた杉咲花さんが出演することも発表された。杉咲さんは謎に包まれたオーロラを演じる。
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寺尾さんは「アニメーションに声を当てるということが、俳優人生で初めての経験でした。自分の声を出した時にそのキャラクターに一体化しているかどうか、アニメーションの中のキャラクターに命を与えられるかどうかとても責任重大で、難しくて怖がってこれまでアフレコのお仕事を一切やってこなかったのですが、今回オファーをいただいて、西村(義明)プロデューサーからいただいた映画の資料を拝見した時、すごくすてきな話で引き込まれるものがあり、やってみたいと素直に思いお引き受けしました」と声優初挑戦への思いを語っている。
「初めての仕事でしたが百瀬監督や西村プロデューサーなどベテランの方たちから教わることがたくさんあると思い、安心して寄りかからせていただきながら、とても良い温度感をもらってアフレコさせていただきました。後は映画をご覧になっていただく皆さまが、楽しんで喜んで帰ってくれるかなと、ワクワクして期待しています」と話している。
西村プロデューサーは、寺尾さんについて「ラフな格好でスタジオに入り、『うまくできるかな、俺。ま、やってみるよ』とほほえみながらアフレコブースに入っていった寺尾聰さんでしたが、その第一声が発せられた瞬間、スタジオ内が静まり返りました。そこにいた全スタッフが息をのむ、素晴らしい声の芝居。寺尾さんの声は、この映画に隠されたもう一つの物語を浮き彫りにしていきます」とコメントを寄せている。
杉咲さんについては「『思い出のマーニー』では第三のヒロイン・彩香を、『メアリと魔女の花』ではヒロイン・メアリ役を演じていただきました。日本映画界で唯一無二の存在感を有した俳優である杉咲さんに、この映画で最も特殊なオーロラ役をお預けしたかった。彼女の声が発せられた時、映画は予想外の展開に引き込まれていきます。想像の友だち《イマジナリ》の人生を感じさせる、日本を代表する俳優・声優陣の素晴らしい声の演技に、ぜひご期待ください」と話している。
杉咲さんは収録について「大胆さと線の細さのどちらもを心に、まだ行ったことのない魅力的な惑星のなかへ、えいやっと踏み出していくような時間でした。参加することができてうれしかったですし、一人の観客としてもとても楽しみです」と語っている。
「屋根裏のラジャー」は、英作家のA・F・ハロルドさんの児童文学「The Imaginary」が原作で、少女の想像から生まれたイマジナリと呼ばれる“誰にも見えない少年”ラジャーと仲間たちが、愛する人と家族を救うために冒険を繰り広げる。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などのスタジオジブリ作品に携わり、劇場版アニメ「二ノ国」を手がけた百瀬さんが監督を務める。
俳優の寺田心さんが主人公の少年・ラジャーの声優を務めるほか、鈴木梨央さん、安藤サクラさん、仲里依紗さん、山田孝之さん、高畑淳子さん、イッセー尾形さんが声優として出演する。
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