放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
俳優の桐谷健太さんが、WOWOWで2024年3月3日から放送・配信される「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」で主演を務めることが明らかになった。併せて、倉科カナさん、橋本良亮さん、蓮佛美沙子さん、斉藤由貴さんの出演も決定した。
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ドラマの原作は真梨幸子さんによる同名小説(徳間文庫)。真梨さんの小説は、WOWOWでは尾野真千子さん主演の「フジコ」(原作「殺人鬼フジコの衝動」)、同じ名前の女性が悪の渦に巻き込まれる「連続ドラマW 5人のジュンコ」で映像化されており、本作で3作目となる。
物語は、新人作家が18年前の女子高生両親殺害事件をモチーフにした小説企画を、出版社の編集者に持ち込んだことから始まり、やがて登場人物たちが抱える嫉妬、劣等感、孤独、過去など“黒い感情”の正体と事件の真実が明らかになっていく。物語の軸となる女子高生両親殺害事件や登場人物たちが抱える“闇”が垣間見える特報映像も公開された。
桐谷さんは主人公の轟書房編集者、橋本涼を演じる。また、倉科カナさんは新人作家・小椋沙奈を、橋本さんは女子高生両親殺害事件の主犯格とされる死刑囚・大渕秀行を、蓮佛さんは大渕と獄中結婚した法廷画家・礼子を、斉藤さんは大渕に破滅させられたパトロンでもあった元編集者・市川聖子をそれぞれ演じる。
閑静な住宅街にある赤い屋根の家。18年前、この家で開業医の両親を殺害したのは、実の娘の青田彩也子と、その恋人・大渕秀行(橋本さん)だった。大渕は裁判中に「早すぎた自叙伝」を出版し、過去に女子児童に手を掛けたことを告白。裁判では彼に洗脳された彩也子が凶行に及んだとされ、主犯の秀行は死刑、彩也子には無期懲役が確定した。それから数年後。「早すぎた自叙伝」を担当した轟書房の編集者、橋本涼(桐谷さん)のもとに、新人作家の小椋沙奈(倉科さん)から事件をモチーフにした小説の企画が持ち込まれる。橋本と沙奈は小説の連載を実現すべく、大渕死刑囚と獄中結婚した大渕礼子(蓮佛さん)や、大渕のかつての愛人で元敏腕編集者の市川聖子(斉藤さん)ら関係者たちの取材を始めていくうちに、黒い感情に引きずり込まれ……と展開する。
「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」は、2024年3月3日から毎週日曜午後10時、WOWOWプライム、WOWOW4K、WOWOWオンデマンドで放送・配信される。全5話。
桐谷さん、倉科さん、橋本さん、蓮佛さん、斉藤さん、原作者の真梨さんのコメント全文は以下の通り。
初めに企画書を読ませていただいた瞬間からこれは面白い作品になりそうだなと思い、即決しました。そしてこの橋本という人物は他人から見ると得体の知れない、何を考えているか分からない男ですが、そこにはやはりタネがありました。そのタネをたどりながら、橋本という木を育てました。このミステリーは、登場人物の業や欲望、彼らの宿命の渦が、覆いかぶさり、ぶつかり合い、消え、更に大きくなる。もしかしたらそこには、あなたの心の奥深くの何かと重なり合うかもしれません。ぜひ楽しんで見ていただけたら幸いです。
脚本を読んだとき、最後まで結末の気になるストーリーに魅了されました。私が演じる小椋沙奈という役の誰かに認められたいが故の焦燥感や抑圧、そこから生まれる爆発、自分の力を誇示したい気持ちは多少なりともわかるので、その部分を増幅させて役に挑みました。本当に大変な役だったのでエネルギーを使いましたが、主演の桐谷さんの人柄に何度も救われ演じ切ることができたと思います。ぜひたくさんの方にこの作品を楽しんでいただけたらうれしいです。
死刑囚という役柄は初挑戦で12、3キロ減量して、外見と内面の役作りをしました。小説では大渕はものすごく「爽やかイケメン」と強調されていたので、ドラマを撮影するにあたってハードルが高かったです。一作品で高校生から30代後半まで年齢の振り幅が広い役を演じ、さらに大渕という人物には色々な面があり、撮影もすごく楽しんでやることが出来ました。30歳を迎えての節目の作品でもあり、これまでにない「橋本良亮」をご期待いただけたらと思います。是非、大渕秀行に惚れてみませんか?
孤独、抑圧、侮蔑。彼女の周りに浮遊するワードはどれもハードなものなのに、誰もがどこかで共鳴してしまうような、不思議な“何か”を内包した役でした。卑屈な感情に支配されて相手のせりふが聞こえなくなったり、役を通して出会った初めての感覚はとても苦しく、同時に役者としてとても幸せな時間でした。謎が解き明かされていく面白さはもちろん、登場人物のいろんな“欲”が、いびつな形で画面いっぱいに漂っていると思います。楽しんでいただけますように。
この作品は、登場人物が皆、様々な過去を十字架のように背負い、生身の人間の裏の部分、憎しみ、裏切り、強欲などを抱えながら生きている、残酷だけれどある意味とても血の通った物語であると感じました。私が演じた市川聖子という人も、編集者としての栄誉、名誉、お金、そして美しい若い男、それらにしがみつきながらも運命に振り払われてゆく女の悲しさや醜さが描かれていて、演じていてとても魅力的な人物でした。栄華を極めていた時代、落ちぶれた現在、若い女盛りの時代、老いて諦めてしまった現在。演技者として、何か、託されたと思えて、とてもうれしい経験でした。
物語の舞台は、坂の街です。坂は、「土」に「反」(土にかえる)と書き、「死」を意味するという一説があります。坂の向こう側には黄泉(よみ)の国が広がっていると、昔の人は考えたかもしれません。坂は、高台と低地を隔てる「境」も意味するそうです。つまり結界です。「死と結界。ドラマチックじゃないか。いつか必ず、小説にしてみよう」と坂の街を散歩しながら作り上げた物語です。坂道をのぼるときの、あの息が切れる感覚を思い出しながらご覧いただけたら幸いです。
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