俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。第85回(2月1日放送)では、ヒロイン・スズ子(趣里さん)の出産と、恋人・愛助(水上恒司さん)の死が描かれた。生と死が交錯する演出の狙いや、脚本でこだわった点などについて、制作統括の福岡利武さんが語った。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
第85回では、大阪で療養中の愛助が危篤状態に。そんな折、スズ子に陣痛が始まり、マネジャーの山下(近藤芳正さん)と「村山興業」東京支社長の坂口(黒田有さん)は、スズ子を連れて大慌てで病院に駆け込む。スズ子は元気な女の子を出産するが、坂口のもとに愛助が亡くなった知らせが入り……と展開した。
スズ子のモデルとなった歌手の笠置シヅ子さんは、吉本興業の創業者である吉本せいさんの息子、頴右(えいすけ)さんと婚約するが、出産の2週間ほど前に頴右さんが結核で急逝。亡き婚約者の浴衣を抱きしめながら出産したという。
「ブギウギ」では史実から設定を変え、スズ子の出産と愛助の死をほぼ同じタイミングで描いた。その理由について尋ねると、福岡さんは「愛助の死をどこで描くかはすごく難しかったですし、脚本作りの中でも議論を重ねました」と明かす。
「脚本の足立紳さんは、スズ子に愛助の死を伝えるのは出産の後にしたいと強くおっしゃっていました。元気な子供を産んでほしいと願う愛助のためにも、子供が生まれる前に愛助が亡くなったことをスズ子に知らせることはできないと。それはスズ子にとって、あまりにも残酷すぎて……」
一方で、生と死が交錯する描写が「何ともドラマチックすぎて、ドラマの仕掛けが匂って、視聴者が冷めるのではないか」という懸念もあったのだという。
「足立さんの中でいろいろ考えて、劇的ではあるものの、こういう流れが一番自然でしっくりくるということをおっしゃっていたのが印象的でした。不安もありましたが、編集していく中で引き込まれる展開になったと思いますし、これで良かったなと思います」と実感している。
出産と死という“明”と“暗”を対比させた劇的なシーンではあるものの、ドラマチックになりすぎない印象に仕上がった理由は、「やっぱり趣里さん水上さんのお芝居のなせる技だと思います。スズ子と愛助の心情をしっかりと演じていただいたので、見る側もそれぞれの気持ちに共感できたところが良かったのかなと思います」と2人の演技をたたえる。
また、生と死を交互に見せる上で、スズ子と愛助が登場するシーンのバランスをどうするか、苦労もあったという。
「ちょっとしたシーンの並びでスズ子に寄りすぎたり、愛助に寄りすぎたりしてしまうので、そのバランスを取るのが難しかったです。お互いの存在をしっかり感じさせながらストーリーを進めていくのは、すごくデリケートな編集の作業でした。(演出を務めた)二見大輔が、ここが勝負どころだと分かっていたので、時間をかけてしっかりと編集してくれました」と振り返る。
同回では、愛助の死とスズ子の出産シーンで雨が降るが、これも二見さんのアイデアだった。
「生と死、二つの世界を描くために雨を降らせています。脚本を作る前の打ち合わせの段階で、二見が『雨を降らしたい』と言って」と明かした。
愛助の死を知らぬまま、出産に臨んだスズ子。幸せの絶頂の中、事実を知ったスズ子は、悲しみをどのように乗り越えていくのか。今後の展開から目が離せない。
俳優の長谷川博己さんが主演を務めるTBS系「日曜劇場」枠(日曜午後9時)の連続ドラマ「アンチヒーロー」の第6話が5月19日に放送された。野村萬斎さん演じる東京地方検察庁検事正、伊…
伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第36回が、5月20日に放送され、岡本玲さんが演じた満智のひょう変ぶりが視聴者の反響…
俳優の高杉真宙さんが、6月8日午後9時からフジテレビ系で放送される土曜プレミアム「世にも奇妙な物語’24 夏の特別編」の一編で主演することが5月20日、明らかになった。高杉さんは…
俳優の手塚理美さんが、5月21日午後1時から放送される黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演する。
今田美桜さん主演の連続ドラマ「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系、土曜午後9時)の第6話が5月18日に放送された。菊地凛子さん演じる昇仙峡玲子について、SNSで話題になった。