ラグビー:「シックス・ネーションズ」第3節へ 元スコットランド代表主将、グレイグ・レイドローが展望を予想 WOWOWで全試合を生中継

元スコットランド代表主将で浦安D-Rocksアシスタントコーチ、レイグ・レイドローさん
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元スコットランド代表主将で浦安D-Rocksアシスタントコーチ、レイグ・レイドローさん

 ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」が2月24、25両日に第3節の3試合が行われる。第2節まで無傷の2連勝中の首位アイルランドと2位イングランドを、1勝1敗のスコットランド(3位)とフランス(4位)、2連敗中のウェールズ(5位)とイタリア(6位)が追う展開となっている。全試合を生放送・ライブ配信しているWOWOWは、元スコットランド代表キャプテンで現在は浦安D-Rocksのアシスタントコーチをしているグレイグ・レイドローさんにインタビューし、第3節の展望などを聞いた。

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 ーー解説していただいたシックス・ネーションズ第2節のスコットランドvsフランス(16ー20でフランス勝利)の感想からうかがいます。

 振り返るには少し時間が必要です。スコットランドはいいスタートを切りましたし、ゲームを長時間コントロールできていましたが、決定的な場面での一つか二つのカギとなるペナルティーが敗因になりました。フランスは選手交代が試合を変え、彼ら(交代選手)がチームを助けることになりましたね。

 ーースコットランドの課題をお願いします。

 修正すべき点は常にあります。この試合も世界のトップチームとそう変わらない戦いぶりだったので、間違いなく正しい軌道には乗っています。ですから彼らは今やっていることをやり続けるべきです。テストマッチのカギとなる、ディシプリン(規律)を厳格に保つこと、ラインアウトでペナルティーを与えないこと、相手にフィールドを支配させないことが大事です。紙一重の問題だと思います。

 ーースコットランドでいいパフォーマンスを見せていた選手を挙げていただけますか?

 フィン(SOフィン・ラッセル)は今夜も最高でしたが、SHベン・ホワイトは今日のような試合ではカギとなる瞬間にもっとコントロールをしなければならなかったと思います。そして若手のFBハリー・パターソンは最高の出来でした。初めてのテストマッチで先発し、ハイボールに対しても自信があるようでしたし、雨で濡れたコンディションをまったく問題にしていませんでした。

 ーー共同キャプテンのFLロリー・ダージ選手とSOフィン・ラッセル選手のコンビはいかがでしょうか?

 彼らはお互いを補完し合っていると思います。若手のロリーは落ち着いた性格の静かな選手で、スコットランドには欠かせないフィンとは一緒にうまくやっていけるでしょう。FW(フォワード)のロリー、BK(バックス)のフィンによる2人のリーダーシップが生まれているのはチームにとっていいことです。

 ーーそれではスコットランド以外の5カ国についてうかがいます。現在のフランスについてはどう感じていますか?

 (今大会欠場の)SHアントワーヌ・デュポンとSOロマン・ヌタマックが不在のフランスは素晴らしいとは言えない状況にあります。昨年のシックス・ネーションズや2023年ワールドカップ(W杯)の時ほど自信を持ってプレーしていないのは確かです。この試合でも普段はあり得ないスキル面の単純なエラーもありました。今度はおそらくハーフバック(SHとSO)に何らかの変更を加えるのではないでしょうか。次の試合(第3節イタリア戦)ではSHノラン・ルガレックを先発に入れて流れを変えようとすると思います。

 ーーアイルランドはいかがでしょうか?

 今大会で最高のスタートを切りましたね。(第1節で敵地の)マルセイユでフランスに勝ったことがそれを証明しています。(元代表SO・キャプテンの)ジョナサン・セクストンというずば抜けた選手が引退したばかりなのに、それが全くチームに影響していません。アンディ・ファレルHC(ヘッドコーチ)は素晴らしいコーチですから、チームはこのまま突き進んでいくでしょう。

 ーーウェールズはどう見ていますか?

 明らかによくありません。特に第1節のスコットランド戦の前半がそうでした。十分にラグビーをやっていないように見えますし、ポジティブさを感じません。ディフェンシブなゲームをして勝とうとしています。若手の選手が(チームの中心へと)上がってきたので彼らには合ったスタイルなのかもしれませんが、やはり本気でチャレンジするならプレーの仕方を少し変える必要があると思います。

 ーーイングランドはいかがですか?

 ゲームプランを見る限り、2023年W杯の時の状態をそのまま続けているように見えます。キックを多用して相手チームを苦しめるようなプレーですね。それが苦しい状況を招くこともありますが、とても効果的に働くこともあります。ゲームプランがうまくいった時のイングランドに勝つのは非常に難しく、今大会の中でもっと良くなっていくでしょう。

 ーーイタリアについてはどうでしょうか?

 彼らは進歩しています。第1節のイングランド戦でとてもいいパフォーマンスを見せました。最高のコーチであるアルゼンチン人のゴンサロ・ケサダがHCに就きましたが、すでに彼のいい影響を試合で見ることができています。新しいコーチ陣が選手たちの助けになっていると思います。

 ーーそんな6カ国はまもなく第3節を迎えます。各カードについてレイドローさんの予想や注目ポイントをうかがいたいのですが、まずは「アイルランドvsウェールズ」からお願いします。

 アイルランドが勝つでしょうね。今のウェールズがアイルランドに勝つのは難しいと思います。

 ーーレイドローさんも気になる「スコットランドvsイングランド」についてはいかがでしょうか?

 (予想するのは)難しいですが、私はスコットランドが勝つと考えています。接戦になるとは思いますが、スコットランドが3~5点差で勝つのではないかと予想しています。

 ーー「フランスvsイタリア」はどうでしょうか?

 フランスはこの先、調子を取り戻そうとするでしょうね。ハーフバックを変更するなどして残り3試合でより強くなるように、ステップアップを図ると考えています。

 ーー最終的な順位予想もお願いしたいのですが、前回大会3位のスコットランドは今大会何位になりそうでしょうか?

 今回も余裕を持って3位に、あるいは2位になる可能性もあると予想しています、(第3節で)イングランドに勝てたらその可能性はさらに高まると思います。(第4節は)イタリアにも勝てるでしょうし、(最終節では)アイルランドに苦しめられると思いますが、3勝はできるかもしれません。

 ーー今大会の優勝予想をお願いします。

 アイルランドです。現在、一番優れたチームだと思っています。

 ーー最後に日本のラグビーに関してもうかがいます。まずは日本代表HCとして始動したエディー・ジョーンHCがこれまで率いてきたチームの印象をお願いします。

 エディーはキャリアが長く非常に経験豊富で、経験を積み上げてきたコーチです。彼が率いたチーム(日本やイングランド)とは何度も対戦してきましたが、彼は間違いなく勝負師ですね。日本のスコッドを強く押し上げて、きっと成功に導くでしょう。

 ーーエディー・ジョーンズHCはどういう日本代表を作り上げると思いますか?

 過去にやってきたことを踏襲しながらチームを作り上げ、きっと高いスキルを持ったチームに仕上げるでしょうね。自分らしいチーム像をよく理解しているでしょうから、かつて成功したモデルを目指すことになると思います。

 「シックス・ネーションズ」第3節以降の生放送・ライブ配信の日程は以下の通り。

 <第3節>「アイルランドvsウェールズ」=2月24日午後11時から(WOWOWライブ)▽「スコットランドvsイングランド」=2月25日午前1時半から(WOWOWプライム)▽「フランスvsイタリア」=2月25日午後11時45分から(WOWOWプライム)

 <第4節>「イタリアvsスコットランド」=3月9日午後11時から(WOWOWライブ)▽「イングランドvsアイルランド」=3月10日午前1時半から(WOWOWプライム)▽「ウェールズvsフランス」=3月10日午後11時45分から(WOWOWライブ)

 <最終節>「ウェールズvsイタリア」=3月16日午後11時から(WOWOWライブ)▽「アイルランドvsスコットランド」=3月17日午前1時半から(WOWOWプライム)▽「フランスvsイングランド」=3月17日午前4時45分から(WOWOWライブ)

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