じゃあ、あんたが作ってみろよ
最終話 不器用な愛で、変われ!
12月9日(火)放送分
伊藤沙莉さん主演の連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、佐田優三を演じている仲野太賀さん。第8週「女冥利に尽きる」(5月20~24日)では、優三とヒロインの寅子(伊藤さん)が結ばれる様子が描かれたが、2022年のドラマ「拾われた男」に続いて、夫婦役での再共演となった伊藤さんの印象や、自身の役どころについて話を聞いた。
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「虎に翼」は、連続テレビ小説の第110作。日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子さん(1914~84年)の人生をモデルに、ヒロインの寅子(伊藤さん)が、迷える子供や、追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテインメントだ。
仲野さん扮(ふん)する優三は、猪爪家に下宿しながら弁護士を目指していた青年で、早くに両親を亡くし、天涯孤独であったが、やがて寅子と結婚。2人の間には娘も誕生した。演じるにあたっては「優三がもつ柔和な、温かい空気を大事にした」と仲野さんは話す。
「なおかつ、寅ちゃんがすごく猪突猛進(ちょとつもうしん)というか、すごく真っすぐにものごとに向き合っていく人で。それと対照的な面もありつつ、彼の中にはすごく太い芯がある、そういうふうに表現できたらいいなと思っていました」
また仲野さんは、自身と優三とを比べ「夢に向かってひたむきな姿、自分には『やりたいことがある』というところは近いのかな」と話すが、作中ではそんな優三の人生を戦争の影が覆い、ついには寅子と娘を残し、戦地へと向かうことになってしまった。
「出征のシーンが近づくにつれて、本を読み進めるのが苦しくて。優三が寅ちゃんと結ばれて、寅ちゃんだけじゃなくて、ずっと一緒に暮らしていた猪爪家のみんなとも本当の家族になれて、愛する娘もできて、法律の道には進めなかったけれど、彼自身、心の底からほしかったものを手に入れたんじゃないかなと思っています。そんなときに戦況がどんどん悪化していって、本当に胸が苦しかったです」
その一方で「優三の中の主語は寅ちゃん」とも考える仲野さんは、「つねに寅ちゃんが悲しくならないように、寅ちゃんがつらくないようにと思っていて。だから優三ができることと言えば、戦争に行くのは仕方がないから、せめて寅ちゃんを悲しませないように、そういう空気を作らないようにという思いがあったんじゃないかな」と気持ちを代弁した。
そんな仲野さんに改めて、寅子役の伊藤さんの印象も聞いた。
「本当に沙莉ちゃんとは“阿吽の呼吸”といいますか。打ち合わせはせずとも、お芝居がしやすくて。こちらがどんな表現をしても全て受け止めてくれるし、隣に沙莉ちゃんがいるだけですごく安心します。沙莉ちゃんだからこそ、思いっきり飛び込めるというか。絶大な信頼を置いていますし、ずっと寅ちゃんでいてくれる姿はありがたいです」
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