ばけばけ:2025年度後期の朝ドラ 脚本はふじきみつ彦 「何も起きない物語を書いています」

ふじきみつ彦さん
1 / 1
ふじきみつ彦さん

 2025年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)が、「ばけばけ」に決定したことが6月12日、明らかになった。脚本を担当するのは、NHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」やWOWOWの「撮休シリーズ」などをてがけたふじきみつ彦さん。ふじきさんは「何も起きない物語を書いています」と物語の構成について語った。

あなたにオススメ

 外国人の夫と共に「怪談」を愛し、西洋化が進む明治の日本で埋もれてきた「名もなき人々」に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語となる。松江の没落士族の娘で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツがモデルで、主人公の松野トキ役、相手役となる外国人英語教師の役はいずれもオーディションで決定するという。

 ふじきさんは「人生、光もあれば影もあると言いますが、人生って光でも影でもないところがほとんどだなぁというのが僕の実感です。キラキラしているわけではないけど影というほど暗くもない、取り立てて人に話すほどでもない他愛もない時間。そんな光でも影でもない部分に光を当てる朝ドラを書いてみたい。今回のモデルである小泉セツさんのことを知ってそういう考えに至りました」と経緯を説明。

 続けて「セツさんは特別なことを成し遂げたりとてつもない夢を叶えたりした人ではありません。少し変わった、しかし何気ない日常を送った、言ってみれば普通の人かもしれません。だけど、だからこそ愛おしいのです。『夢は○○だけん!(島根言葉)』なんて一度も叫ばない朝ドラですが、好きになってもらえたらうれしいです」とコメントした。

 橋爪國臣プロデューサーは「ヒロイン・松野トキは、夢を宣言し、がむしゃらに追いかけるヒロインではありません。時代の中で取り残されたり、大勢の意見の中で埋もれていったりする人々に光を当て、尊重し、共に生き抜いていく、そんなドラマを作りたいと思っていました」と語った。

 朝ドラは、伊藤沙莉さん主演の「虎に翼」が放送中で、2024年度後期は橋本環奈さん主演の「おむすび」、2025年度前期は今田美桜さん主演の「あんぱん」を放送する。

テレビ 最新記事