リブート
第1話 至愛
1月18日(日)放送分
吉高由里子さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマは、最終回「物語の先に」の放送を残すのみとなったが、個性豊かなキャストによる名演、名場面が、この1年間で数多く生まれたことは間違いないだろう。ここでは、正義と筋道を重んじる藤原実資と、役を演じたお笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さんの足跡(活躍)をたどりたいと思う。
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藤原実資は、藤原小野宮流の当主。道長の先輩格で、有職故実(治や儀式のしきたり)に詳しく、学識がある分、プライドが高い頑固者としての一面はあったが、政の世界においては、いちばんの常識人であり、道長の行いにも一定の理解を示し、個人の損得勘定に流されない「良心」であり続けた。
秋山さんは大河ドラマ初出演。当初は、平安貴族らしからぬ色の黒さが、いい意味で視聴者の間でネタにされ、出てくるだけで、人の心をなごますような「笑い」を提供。「小右記」を残した実資の史実を巧みに盛り込んだ“日記コント”(妻から繰り返し『日記に書きなさいよ』と言われる)など、秋山さんの登場するシーンには、常に“おかしみ”が漂っていたのは否定はしない。
その一方で、決して“そのため”だけに起用されたわけではない、演技力の高さは誰もが認めるところ。宮廷内での政治的な駆け引きや人間関係において重要な役割を果たした実資と同様に、特にクライマックスへと向かうドラマにおいて、秋山さんは存在感を増していったようにも思えるが、いかがだろうか。
実資が、三条天皇に頼られ、譲位を迫る道長を説得しようするも、論破されてしまった第43回「輝きののちに」でのやりとりのおかしさも、お笑いの世界で長く活躍してきた秋山さんならではの「味」。また、刀伊撃退に成功した隆家らの褒章を巡って、他の公卿の対して「あってはならぬ!」と一人異を唱えた第47回「哀しくとも」のシーンも、実に真に迫っていた。
キラリと光る緊張と緩和を自由に行き来するような演技で“コメディリリーフ”の域にとどまらない活躍を見せた秋山さん。振り返れば、1年半以上も前、脚本の大石静さんから「念願中の念願キャスト!」と指名されながらも、本人は「コントキャラみたいになっちゃわないか心配ですが」と話してたが、それが杞憂に終わったことは、改めて言うまでもないだろう。
「光る君へ」最終回「物語の先に」は、12月15日に15分拡大で放送。
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