俳優の磯村勇斗さんの民放連ドラ初主演作として、7月14日にスタートし、第5話まで放送された「僕達はまだその星の校則を知らない」。カンテレが制作し、フジテレビ系の月曜午後10時台に放送されている学園ドラマだ。熱心なファンからは「とても優しい世界で癒やされます」「今期で一番大好きなドラマです」との声も上がっている同作で、随所で好演を披露している生徒役キャストに注目してみた。

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　◇夏の学園ドラマらしい青春が詰まったシーンも

　“ぼくほし”とも略されるドラマは、2015年度後期の連続テレビ小説（朝ドラ）「あさが来た」、2021年の大河ドラマ「青天を衝（つ）け」などで知られる大森美香さんのオリジナル。独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治（磯村さん）が、少子化による共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー（学校弁護士）として派遣されることになり、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、必死に向き合っていく姿が描かれている。

　物語の舞台となる私立高校「濱ソラリス高校」は、男子校の「濱浦工業高等学校」と女子高の「濱百合女学院」が合併したばかり。校内では次々と問題が起こる。第1話では制服（校則）、第2話では男女交際（失恋はいじめか？）、第3話では盗撮、第4話では情報漏洩などが取り上げられ、その都度一部の生徒にスポットが当てられてきた。

　直近の放送となった第5話では、それまでの問題に巻き込まれたり、積極的に関わったりする中で結集した5人の生徒が、復活した天文部の部員として、健治の実家で夏合宿をする様子が描かれた。

　部員の顔ぶれは、のせりんさん演じる高瀬佑介、月島琉衣さん演じる江見芽衣、近藤華さん演じる三木美月、日向亘さん演じる藤村省吾、南琴奈さん演じる斎藤瑞穂。そこに越山敬達さん演じる生物科学部の内田圭人も加わり、一晩かけて流星群を満喫するという、夏の学園ドラマらしい青春が詰まったシーンが繰り広げられた。

　◇ここから先が楽しみな、次世代を担う若手がゴロゴロと

　そんな“青春の一コマ”とともに視聴者の心にも刻み込まれたであろう生徒役キャストの面々。のせさんは、高校在学中にファッションモデルとして活動を開始すると、「最高の教師　1年後、私は生徒に■された」（日本テレビ系、2023年）で連ドラデビューし、以降は俳優としても活動の幅を広げていて、月島さんは、人気マンガ原作のドラマ「からかい上手の高木さん」（TBS、2024年）のヒロインや、全国高校サッカー選手権大会20代目応援マネージャーを務めた現役のSeventeenモデルだ。

　近藤さんは、昨年の日曜劇場「アンチヒーロー」（TBS系）で場面緘黙症を抱えた死刑囚の娘という難役に挑戦したことも記憶に新しく、日向さんは、特撮ドラマ「仮面ライダーリバイス」（テレビ朝日系、2021～22年放送）で注目を集めると、日曜劇場「Get Ready！」（2023年）などを経て、同年のNHK大河ドラマ「どうする家康」では戦国屈指の人気武将・真田信繁を演じた。

　また南さんは、杉咲花さん主演で10月24日に公開される映画「ミーツ・ザ・ワールド」で美しいキャバ嬢に扮し、“ぼくほし”とは大きく異なる表情を見せていて、越山さんは初主演映画「ぼくのお日さま」（2024年）で数々の新人賞を受賞し、大ヒット公開中の「国宝」にも出演している。

　さらに第1話でフィーチャーされた生徒会会長・鷹野良則役の日高由起刀さんは、実力派俳優がそろう「鈍牛倶楽部」に所属し、NHK連続テレビ小説（朝ドラ）「あんぱん」に小倉連隊の初年兵・目黒新役で出演。第2話でフィーチャーされた堀麻里佳役の菊地姫奈さんは、グラビアアイドルとして高い人気を誇り、“令和の完売クイーン”などと呼ばれているほか、non-noモデルとしての顔も持つ。まさにここから先が楽しみな、次世代を担う若手がゴロゴロといる状況だ。

　それぞれが異なるバックボーンを持ちつつ、俳優としてはまだまだ手付かずの“青さ”を発揮し、爽やかな風を作品に注ぎ込むなど、作品の大きな魅力になっている。そんな彼らが、後半へと入るドラマでどんな物語を紡いでいってくれるのか、引き続き注目だ。