ルックバック:藤本タツキの話題作が実写映画化 監督に是枝裕和 2026年公開

実写映画「ルックバック」のティザービジュアル2点(c)藤本タツキ/集英社 (c)2026 K2Pictures・集英社
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実写映画「ルックバック」のティザービジュアル2点(c)藤本タツキ/集英社 (c)2026 K2Pictures・集英社

 「チェンソーマン」などで知られる藤本タツキさんのマンガ「ルックバック」が実写映画化され、2026年に公開されることが12月3日、明らかになった。藤本さんの作品が実写化されるのは初めて。映画「万引き家族」などで知られる是枝裕和さんが監督を務め、脚本、編集も手がける。日本国内のみならず、韓国、台湾での公開も決定している。

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 「ルックバック」は、集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で2021年7月に発表され、初日に250万以上の閲覧数を記録。「このマンガがすごい!2022」のオトコ編の1位に選ばれ、「マンガ大賞2022」にノミネートされたことも話題になった。2024年には劇場版アニメ化され、ヒットを記録し、第48回日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞に選ばれた。アヌシー国際アニメーション映画祭をはじめ世界各地で上映され、国内外から高い評価を受けている。

 映画では、原作同様に、小学生時代から始まる約13年にわたる二人の主人公・藤野、京本の軌跡を、美しい四季とともに丁寧に描くという。秋田県にかほ市を中心に行われた撮影は既に終了しており、現在は編集作業に入っている。藤野と京本の後ろ姿を収めた2種のティザービジュアルも公開された。

 是枝監督は「京都からの新幹線の帰り、品川駅の本屋に平積みされていた表紙の『背中』に惹(ひ)かれて、思わず手に取ったのが、『ルックバック』との出会いでした。その晩、一気に読みました。マンガと映画でジャンルは違いますが、同じ作り手として、覚悟が切実に伝わってくる作品で、きっと藤本タツキさんはこの作品を描かないと先に進めなかったのだろうなと、そんな気持ちが痛いほど伝わってきました。自分にとっては、『誰も知らない』がそんな作品でした」とコメント。

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 「その出会いのあと、小出(大樹)プロデューサーから『ルックバック』を実写映画に、という誘いを受け、藤本さんにお会いする機会をいただきました。まずは、このような作品を世に産み落としていただいたこと、その作品に同時代に出会うことができたことへの感謝をお伝えできればと思っていたのですが、その帰り道、『やらないわけにはいかない』と覚悟を決めたことを覚えています。撮影は終了し、現在、編集中ではありますが、とても豊かなものが映し出される作品になるのではないかと思います」と語っている。

 藤本さんは「是枝監督作品で初めて見たのは『海街diary』です。主人公が新しく住む事になる家の中や、町の食堂の中の家具などがとても生活感があって物語に説得力を持たせるものになっていました。物語に関わらない細かい演技なども、キャラクターが日々、僕たちの見えない所で生きていると思わせるもので感動しました。是枝監督がルックバックを撮ってくれるなら僕はもう何も言う事はないです。楽しみにしています!」とコメントを寄せている。

 小出プロデューサーは「ジャンプ+で公開された日に何度も読み返しました。衝撃でした。すごいものを読んでしまったと思いました。さまざまな感情とともに、ぼくは、藤野の背中から、なにか強い力をもらった気がしました。その矢先、藤本タツキさんにごあいさつできる日がありました。藤本さんに読んだ直後の感想を伝えたいと思っていたのですが、ぼくは、間際になって、このマンガを、是枝監督による実写映画にさせていただけないかと伝えたいと思っていることに気がつきました」と振り返る。

 「是枝監督とは、ぼくが学生の頃に受けていた授業の先生として出会い、教室の席からその背中をみつめていました。『誰も知らない』で、1年をかけて四季をめぐりながら子どもたちの成長を撮影したこと、『海街diary』や『奇跡』で、子役の方に台本を渡さずにセリフを口伝えで演出されたことなど、これまで見聞きした話が思い出されました。なによりも、『誰も知らない』を見た際に抱いた強い感情が呼び起こされ、考えれば考えるほど、この実写映画化に際しては、是枝監督しかいないのではないかと思い、お声がけしました。是枝監督をはじめ、キャストとスタッフの皆さん、秋田県にかほ市の方々と、四季を通じて、出来うる限り丁寧に撮影してきました。力を尽くして作りますので、楽しみにしていただければと思います」と語っている。

 同作は、マンガへのひたむきな思いが二人の少女をつなげるが、全てを打ち砕く出来事が起きる……というストーリー。学生新聞で4コママンガを連載している小学4年生の藤野は、クラスメートから絶賛されていたが、「不登校の同級生・京本の4コマを載せたい」と先生から告げられる。

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