2026年1月から始まった冬の連続ドラマが序盤から中盤へと差し掛かっている。テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっている程度を示す「注目度」でランキング化したところ、上位には“視聴率”のランキングとは少し違った作品が並んだ。“視聴率”1位のTBS系「リブート」(日曜午後9時)を上回り、初回から視聴者を本当にクギヅケにしていた作品は何だったのだろう? 男女の性別や世代別のランキングと合わせて紹介する。
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活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO株式会社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。
視聴率は、番組にチャンネルを合わせていた世帯や個人の割合はわかるが、テレビの前の人たちがどこまで集中して見ていたかまではわからない。視聴率と注目度を重ね合わせると、番組の見られ方の本当の姿がうかがえるというわけだ。
今回のランキングは、NHKや民放で1月からゴールデン帯やプライム帯に放送されている連続ドラマ17作品の初回を対象に調べた。
注目度で、全年代が対象の「個人全体」はもちろん、「男性」「女性」の性別のランキングでも、比較的若い世代の「コア視聴層」(男女13~49歳)でも、ダントツの1位となったのはNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合、日曜午後8時ほか)。いわゆる「視聴率」に当たる「世帯テレビオン率」はTBS系「リブート」に1位を譲り、2位となったものの、性別、年代を問わず、視聴者の関心を初回からしっかりつかんでいたのは間違いないようだ。
ただ、1年間放送されるNHK大河ドラマはやや性格が異なるため、2位以下の作品に今回はスポットを当ててランキングを見てみたい。そのためランキング表では、上位3作品ではなく、民放の上位3作品まで色付けしてみた。
世帯テレビオン率で1位だった「リブート」は、注目度の「個人全体」では残念ながら4位。放送枠である「日曜劇場」は男性ファンが多いと言われているが、「女性」ランキングで4位に入ったものの、「男性」は6位とやや低迷。比較的若い世代の「コア視聴層」も5位と今一つふるわなかった。話題作だけに、ストーリーの展開とともに、視聴状況がどのように変化していくか、注目される。
そんな民放連ドラの“王者”「リブート」を抜いて、注目度の「個人全体」で2位に入ったのはNHK総合「テミスの不確かな法廷」(火曜午後10時)。「男性」が3位で、比較的若い世代の「コア視聴層」で10位だったことを考えると、クギヅケになった層は年代の高い男性だったと見られる。普段は知ることができない裁判官の生活、裁判の裏側をのぞき見ながら、リーガルミステリーとして楽しめるのがこの層の心をつかんだ理由だろうか。発達障害を抱えた裁判官、安堂清春を、松山ケンイチさんが安定の演技で見せ、作品に安心して入っていけるのも大きい。
続く注目度「個人全体」3位は、テレビ東京系「元科捜研の主婦」(金曜午後9時)で、民放ドラマではトップだ。「男性」4位、「女性」6位とともにまずまず視聴者の心をつかんでいるが、どちらかというと「男性」寄りというのは主演が松本まりかさんで、ミステリー色が強いことも影響したのかもしれない。ドラマは、元“科捜研のエース”で、今は専業主婦の吉岡詩織(松本さん)が新米刑事の夫(横山裕さん)を助ける形で、事件捜査にからんでいくという設定。他局に長寿ドラマもあるように、「科捜研」のワードは視聴者を引き付ける何かがあるのかもしれない。16位と下位に沈んだ比較的若い世代の「コア視聴層」の心をつかめるかが今後のカギなのかもしれない。
注目度「個人全体」で4位の「リブート」を上回った「テミスの不確かな法廷」と「元科捜研の主婦」がどちらかというと男性の支持を視線をつかんだのだとすると、「リブート」に続き「個人全体」5位のテレビ朝日系「再会~Silent Truth~」(火曜午後9時)は女性の心をつかんだといえる。
「再会~Silent Truth~」は、「女性」、比較的若い世代の「コア視聴層」とも「豊臣兄弟!」に次ぐ2位と、実は民放の冬ドラマでは抜群の結果を示したのだが、なぜか「男性」が14位と低迷したのが響いた。最終回までに、男性の視聴者をつかめば、大きく順位を上げる可能性を秘めている。
注目度「個人全体」6位のテレビ朝日系「おコメの女」(木曜午後9時)は、「男性」が2位なのに、「女性」12位、「コア視聴層」9位。同じ局のドラマながら、「再会~Silent Truth~」とここまで対称的な結果が出るのは興味深い。
注目度「個人全体」7位には、「男性」5位と男性の支持に支えられたフジテレビ系「ヤンドク!」(月曜午後9時)が滑り込んだ。
性別や年代別のランキングで興味深かったのは、注目度「女性」の3位に入ったフジテレビ系「ラムネモンキー」(木曜午後10時)。主人公は1988年に中学生だった3人の中年男性で、アニメ「機動戦士ガンダム」などのネタが会話にちりばめられている。内容的に男性受けがいいようにも感じていたが、少なくとも初回は「女性」3位、「男性」15位と圧倒的に女性だった。
ちなみに比較的若い世代の「コア視聴層」のランキングは、「豊臣兄弟!」「再会~Silent Truth~」に次ぐ3位がTBS系「未来のムスコ」(火曜午後10時)、4位が日本テレビ系「パンチドランク・ウーマン」(日曜午後10時半)。「個人全体」とは、大きく違っているのだが、「恋愛」要素が加味されているドラマほど「コア視聴層」では上位になっているように思われる。
あと注目は、「個人全体」「男性」「女性」「コア視聴層」のいずれも下位に沈んだ日本テレビ系「冬のなんかさ、春のなんかね」(水曜午後10時)。ヒロイン役の杉咲花と男性の会話劇がひたすら続き、テレビドラマにありがちな過多な背景説明はなし。そういう意味では異色のドラマといえ、ネット上でも、好き嫌いの2派に大きく分かれる話題のドラマだ。ドラマの中身がしっかり理解された最終回ではどのような結果になるか、注目したい。。(文・佐々本浩材/MANTAN)
俳優の志田未来さん主演のTBS系ドラマ「未来のムスコ」(火曜午後10時)。2月10日放送の第5話のあらすじと場面写真が公開された。
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