高良健吾:映画「白夜行」で堀北の相手役に 刑事役に船越英一郎

 累計180万部以上を売り上げた東野圭吾さんのミステリー小説「白夜行」が堀北真希さん(21)主演で映画化されることになり、堀北さん演じる雪穂と運命をともにする幼なじみの亮司役を高良健吾さん(22)、2人の成長を見守る笹垣刑事役を船越英一郎さん(49)が演じることが9日、明らかになった。「真木栗ノ穴」や「60歳のラブレター」を手がけた深川栄洋監督がメガホンをとる。

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 「白夜行」は、大阪の質屋の店主殺害事件で幕を開ける。何人も容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま、事件は容疑者の自殺をもって一応の解決となる。だが、担当の笹垣刑事だけは、容疑者の娘である暗い目をした美しい少女、雪穂と被害者の息子であるかなしい目をした物静かな少年、亮司の姿が、いつまでもまぶたに焼き付いていた。やがて、成長した雪穂と亮司の周囲に、不可解な事件が立て続けに起こる。そして笹垣は“白夜のように”当てどもない世界を、互いの息遣いのみを頼りに生きた雪穂と亮司の確かな愛に思い至る……というストーリー。05年に舞台化され、06年にはTBS系で綾瀬はるかさんと山田孝之さんの主演でドラマ化されている。

 4月に公開された「ソラニン」や公開予定の「ボックス!」「ノルウェイの森」など映画への出演が相次いでいる高良さんは、今回の台本を読んで「亮司の役柄は正直『キツイ』と思いました。しかし、監督と話すうちに、自分が最初に考えてたより、もっと人間的だし、悩み苦しんでるキャラクターなんだと思いました。今は、監督を信じて役を演じきることが、ぼくがやるべきことだと思ってます。きっと、素晴らしい作品になると思うので、本当に多くの人に見ていただきたいと思います」と意気込みを語っている。石垣裕之エグゼクティブプロデューサーは「雪穂を陰で支える亮司は、その内面に深い闇と悲しみを抱えています。高良くんの持つ繊細なイメージと、その奧に隠された狂気が、スクリーンを通して亮司とシンクロしていくのではと思い、お願いしました」と起用理由を説明している。

 「2時間ドラマの帝王」という異名をとり、数多くの作品で刑事役を務めてきた船越さんは「原作の笹垣とは若干違う、テレビドラマとも違う、なにものにもとらわれない映画の中の笹垣像を演じられればと思っています。原作ファンの期待を損ねない、映画オリジナルの笹垣像を監督とともに丁寧に演じていくつもりです」と抱負を語った。役作りについては「映画の世界の笹垣は、最愛の息子を失うという大きな運命、悲劇を背負っています。そしてその子を失った思いを、2人の主人公たちに投影していく。執念の捜査ではなく、父性愛の捜査であり、なんとか主人公たち2人を救いたいという、わが子へのレクイエムであり、(捜査により)自分の中の大きな穴を埋めていく作業です。そうした父性愛に満ちた捜査、優しい捜査をするうち、この事件にむしろとらわれていく。そんなふうに(この役に)取り組んでいきたいと思っています」と話している。

 そのほか、戸田恵子さん、田中哲司さん、姜暢雄さん、緑友利恵さんらの出演が発表された。11年初春に全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)

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