水川あさみ:永井大と初共演 がんに侵された女性の命がけの出産 7月放送スペシャルドラマ

 女優の水川あさみさん(26)が、第2子を宿しながら血液のがんといわれる「悪性リンパ腫」に侵され、出産直後に亡くなった女性の実話を基にした7月放送のスペシャルドラマ「いぬのおまわりさん」(TBS・MBS系)に主演することが17日、明らかになった。女性を献身的に支える夫役は永井大さん(31)が演じる。

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 ドラマは、北九州市で悪性リンパ腫と闘いながら次女を産み、約4カ月後の08年11月に24歳で生涯を閉じた大石真由美さんがブログにつづった文章をまとめた書籍「いぬのおまわりさん~24歳で逝ったまゆちゃんのブログより~」(不知火書房、09年7月発行)が原作。ブログのタイトルにもなっている題名は長女が好きな童謡から取った。

 大石さんは07年8月に長女を出産、12月に第2子の妊娠が分かった。08年2月に胎児のエコー検査で卵巣に腫瘍(しゅよう)が発見され、血液のがんである「悪性リンパ腫」と判明。治療と同時に出産を決意し、「命がけ」の出産の様子などを携帯電話を使ってブログにつづった。大石さんの母が大石さんの死後、「残された2人の子どもに娘の思いを読ませてあげたい。多くの人に一生懸命に生きた女の子がいたことを知ってもらい、生きる幸せを感じてほしい」と書籍にまとめたところ、新聞に取り上げられるなど大きな反響を呼び、今回のドラマ化の運びとなった。

 授かった命を守るために必死に病魔と闘うヒロインを演じる水川さんは、原作を読んで「真由美さんの人柄や正直な気持ち、強い決断力が伝わってきました」といい、「何かを命がけで守ろうとする人は、とても強く、たくさんの優しさを持てるんだということ。家族とのきずなの意味や、思いやる気持ち、優しさという本当の意味などが私が演じる真由美さんを通して伝わればいいなと思っています」と話している。

 一方、優しく支える夫役の永井さんは原作を読んで、「自分の体と引き換えに子どもを産むと決意した母の強さと同時に家族愛にとても感銘を受けました」といい、共演の水川さんに対して「非常にテーマが重く、考えさせられる作品になると思うので、ともに頑張りましょう」と呼びかけた。妻か子か選ばなければならないという難しい役どころについて、「そのへんを心の中で葛藤(かっとう)しながら、水川さん演じる真由美さん、そして家族を支えていきたいと思います。家族のきずな、命の大切さを感じられる作品になると思います」と意気込みを語っている。

 森雅弘プロデューサーは「母の愛、夫婦愛、愛がいっぱい詰まった感動的な原作を、水川さん、永井さんという今や人気実力ともに注目の2人に演じていただけることになり、制作者である我々も楽しみでなりません。『希望なき時代』と言われる今日、『希望と勇気を持って生きること』を教えてくれた真由美さんのメッセージを多くの方々に伝えられるよう、大切にドラマ化したいと思う」とコメントしている。

 ドラマは「ヒューマンドラマ特別企画」と題して、1月に放送して好評だったドラマ「筆談ホステス」のスタッフが全力で制作にあたる。TBS・MBS系全国ネット(28局)で7月に放送予定。(毎日新聞デジタル)

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