離婚同居:ドラマ化記念で“離婚式” 作者あいさつ「夫婦は結婚してからなるもの」

 マンガ「離婚同居」のNHKドラマ化を記念して、仏滅の1日、マンガ主人公の鈴木竜次さんとその妻春美さんの“離婚式”が、東京・浅草の「離婚屋敷」でファンなどが参列する中、執り行われた。原作者の柏屋コッコさんも立ち会い「すっごく苦手なんですけれど」と恐縮しながらあいさつ。「夫婦というのは、結婚してなるものじゃなくて、結婚してからなるものなんです。この言葉は、今描いている『離婚同居』のセカンドシーズンでも描いています。ぜひ読んでください」と連載中の原作をPRした。

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 「離婚式」は、新郎・新婦ならぬ「旧郎・旧婦」が“最後の共同作業”として結婚指輪をハンマーでたたきつぶし、別れを新たなスタートにつなげるという儀式。“スゴ腕”離婚式プランナーの寺井広樹さんが「始まりを披露する結婚式はあるのに、なぜ終わりは何もないのか」という疑問から、先輩の離婚式を企画したのがきっかけでこれまで21組の離婚式を執り行ってきた。マンガ「離婚同居」のファンでもある寺井さんは、「離婚同居」も離婚式も、円満でなければできないという共通点を感じて、柏屋さんに主人公たちの離婚式の企画を持ち込んだという。

 離婚式には柏屋さんのほか連載中の「週刊コミックバンチ」(新潮社)の渡辺慎之介副編集長や原作ファンも参列。パネルにイラストで描かれた主人公2人は、浅草寺の二天門前から人力車に乗り、浅草の町をねり歩いた後、旧家に手を加えただけのボロボロの「離婚屋敷」に到着。式は寺井さんが離婚理由や2人の今後のことなどを解説した後、離婚屋敷のシンボルとして設置されているピンク色のカエルの置物「Re:婚がえる」の前で、柏屋さんが結婚指輪をハンマーで粉砕。つぶした指輪を「Re:婚がえる」の口の中に納めた。参列者には「二つに分かれているけれど、使うときは一緒」という再生の意味を込めてはしが引き出物に配られた。

 柏屋さんは「ドラマ化はとってもうれしいです。ありがとうございます」とあいさつ。現在の離婚同居の現状については「みなさん事情もあって、離婚しても同居せざるを得ないという世知辛い世の中に増えてきていると思います」とコメントした。

 マンガ「離婚同居」は、今まで家庭を顧みることのなかった鈴木竜次が、妻・春美に離婚を言い渡され、離婚届を提出。それから1カ月後、元妻は結婚前の美しい姿で彼の前に現れ、双子の娘たちと同居することになるという物語。ドラマでは、阿部サダヲさん演じる写真家の小中大が、佐藤江梨子さん演じる妻の直子から結婚8年目の浮気がきっかけで離婚されるが、直子はある事情から同居を申し出る。ヨリを戻したい大は受け入れるが次々と不幸に見舞われ、一方の直子はモデルとして輝きを増していく。その後双方に新たな恋の予感も訪れて……という物語。NHK総合で5月18日から毎週火曜日午後10時。全5話予定。(毎日新聞デジタル) 

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