注目映画紹介:「FLOWERS」 豪華女優陣6人共演、3世代の女の生きざま描く

 蒼井優さん、鈴木京香さん、竹内結子さん、田中麗奈さん、仲間由紀恵さん、広末涼子さん……化粧品CMに出演した6人の女優が共演、昭和から平成まで3世代にわたる女性の生きざまを、一つの家族の歴史とともに描き出した映画「FLOWERS−FLOWERS」(小泉徳宏監督)が12日、全国で公開された。

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 昭和11(1936)年。婚礼を明日に控えた凛(蒼井さん)は、まだ心が揺れていた。親が決めた相手とはまだ会ったこともない。時は変わって平成21(09)年、凛の孫・奏(鈴木さん)は、ピアニストになる夢のために上京して15年がたっていた。年下の恋人から別れを告げられたが、おなかの中にはその人の子が宿っていた。凛の葬式のために久しぶりに帰った実家では、幸せな家庭を築いた5歳年下の妹・佳(広末さん)がかいがいしく動き回っていた。奏と佳の母親は、凛の三女の慧(仲間さん)だが、既に亡くなっている。慧には2人の姉がいた。長女の薫(竹内さん)は専業主婦、次女の翠(田中さん)はキャリアウーマンとしてそれぞれの道を進んでいた……。

 時代とともに6人の女性の生き方が描かれるが、鈴木さんは女性が抱える苦悩がにじみ出るような地に足のついた演技でひときわ輝いている。田中さんの“ウーマンリブぶり”も可愛くていい。また、豪華女優が勢ぞろいする中、お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんの人間味のあるキャラクターにホッとさせられる。

 「ALWAYS 三丁目の夕日」などで知られるプロダクション「ROBOT」が製作に深くかかわっている。時代を表す美術は繊細な仕上がりだ。ふと横に座っていた年配の女性の表情を見ると、クライマックスの嫁入りのシーンで、蒼井さんの白むく姿をまぶしそうに見つめていた。ノスタルジーに浸るには十分な映画だ。12日から全国東宝系で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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