「Dr.パルナサスの鏡」「シャーロック・ホームズ」(ともに09年)と話題作への出演が続くジュード・ロウさんが、コテコテのアクションに挑んだ珍しい作品が「レポゼッション・メン」(ミゲル・サポチニク監督)だ。共演に、オスカー俳優のフォレスト・ウィテカーさん、「ブラインドネス」(08年)のアリス・ブラガさんら実力派が集う。
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人工臓器移植による延命が可能となった近未来。しかし、その費用は高額で、ローンの返済が滞ると、レポゼッション・メン、つまり“回収者”が彼らのもとに赴き、臓器を取り上げていた。その“レポ・メン”として働いていたのが、ロウさんふんするレミー。ところが、彼自身が、ある出来事によって人工心臓を埋め込まれたことで、物語は波乱の展開を迎える。
好き嫌いが明確に分かれる作品だ。女性はおそらく厳しいだろう。血生ぐさい映画が嫌いな人も。だが、その血生ぐささの背景に隠れているテーマは、私たちがこの映画で目にする凶行よりも恐ろしい。
ここで描かれていることは、医療技術の進歩によって私たちがやがて体験するであろうあながち絵空事ではない未来図だ。原作者であるエリック・ガルシアさん本人が「コメディー」と表現しているように、全体に滑稽(こっけい)さが漂う。しかし同時に、そこには強烈な風刺も効いている。のんきに笑ってはいられない。
将来、人工臓器を身体に埋め込むことで、その人は、ひとまずは長生きはできるだろう。だがそれは、高額なうえに保険適用外になるはずだから、金持ちにしか受けられない医療になる。たとえ庶民が受けられたとしても、ローン地獄に陥るのが関の山だ。今作のテーマが「この映画で目にする凶行よりも恐ろしい」というのは、そんな理由からだ。社会的メッセージを含んだアクションサスペンス作だ。2日からTOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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