夏帆:映画「きな子~見習い警察犬の物語」主演 「あきらめずに生きる姿を見てほしい」

「見どころは全部です」と自信を見せる夏帆さん
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「見どころは全部です」と自信を見せる夏帆さん

 落第続きの日本一有名な見習い警察犬、ラブラドルレトリバーの「きな子」と見習い訓練士・杏子がともに一人前を目指して奮闘する姿を実話に基づいて描いた映画「きな子~見習い警察犬の物語」(小林義則監督)が8月14日に全国で公開される。主演した夏帆さんは今春高校を卒業し、本格的に女優として活動を始めている。「きな子」は卒業後初の主演作だが、撮影は高校3年生だった昨年の秋、実際の舞台となった香川県丸亀市で行われた。夏帆さんのインタビュー2回目は、山の中でずぶぬれになって走り回った撮影について聞いた。(細田尚子/毎日新聞デジタル)

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 夏帆さんは高校生活を振り返って、「お仕事も学校の方を優先させてもらえましたので、本当に満喫できました」と振り返る。友だちの理解もあり、「みんな普通に接してくれたので、私にとって学校はすごく居心地がよかった」という。修学旅行など学校行事にも参加でき、「友達と買い物やご飯を食べに行ったりとか普通にできました」と笑顔を見せた。

 「まだ残暑が残っていて暑かったですね」という昨年9、10月の約1カ月半、丸亀市に滞在し、ロケをした。雨中、山の中をずぶぬれになりながら走り回るシーンの撮影は1週間続いた。「この間、毎日ホテルに帰るとすぐ眠ってしまうくらい体はきつかった」というが、「体調も崩さず、大丈夫でした」と若さで乗り切った。

 「きな子」との演技は、「言葉ではやっぱり犬には伝わらなくて、心から本当にうれしそうに褒めないとだめだし、怒るときは本当に制する気持ちで怒らなきゃいけなくて、すごくむずかしかった」と振り返る。きな子の犬種「ラブラドルレトリバー」も好きだが、映画に出てきた「ジャックラッセルテリア」も大好き。「すごく可愛くて、撮影中はずっとちょっかいを出してました」という。

 夏帆さんが演じた杏子は、寺脇康文さんが演じる訓練所の所長の家に居候している。所長役の寺脇さんについて「映画に出てくる役柄のままというか、寺脇さんがムードメーカーで、みんなでワイワイと撮影していました」と思い出し笑いしていた。映画の中でしっかり者の長女・新奈を演じた大野百花ちゃんについても「すごくせりふが大人びていて、聞いていて笑ってしまいました(笑い)。実際も大人びた子でした。家族のシーンは本当に和気あいあいとして楽しかった」と振り返る。

 ほとんど出ずっぱりで熱演を見せた映画の見どころを「全部です」と自信を見せる。「やっぱり一番の見どころは杏子ときな子の成長していく姿です。きな子は試験に落ちてばかりだし、杏子も一度挫折していますけど、あきらめずに生きていく姿を見てほしい。あと出演しているキャラクターに悪い人がいないというところでしょうか。すごく爽(さわ)やかで穏やかな映画になったと思います」とアピールした。

 夏帆さんは、これからも両親からいわれた「感謝の気持ちを忘れずに」という言葉を信条にして、女優として成長していくことだろう。

 次回は、出演作が続く夏帆さんにオフの過ごし方や生き方について聞いた。

 <プロフィル>

 1991年6月30日、東京都出身。CMやティーン誌のモデルとして活躍後、04年のBS-TBSの「ケータイ刑事 銭形零」シリーズや06年の映画「小さき勇者たち~ガメラ~」(田崎竜太監督)などに出演。07年の主演映画「天然コケッコー」(山下敦弘監督)での演技が高く評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞や報知映画賞新人賞をはじめ多くの新人賞を受賞した。その後、映画やドラマ、CMなど幅広く活躍中。08年には映画「東京少女」(小中和哉監督)や映画「砂時計」(佐藤信介監督)、「うた魂♪」(田中誠監督)などに立て続けに出演。そのほかに、フジテレビ系ドラマ「ホームレス中学生」(08、09年)、「オトメン(乙男)」(09年)など。10年5月に「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」(堤幸彦監督)に出演した。主演映画「きな子~見習い警察犬の物語」は、8月14日に全国で公開予定。

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