話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、ゆるやかに衰退を迎える人類と、代わって地球を支配する「妖精さん」の交流を描く「人類は衰退しました」(田中ロミオ著、山崎透画)です。小学館ガガガ文庫編集部の具志堅勲さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
読み手によって作品の魅力が変わるのが、最大の魅力だと思います! 本来、作品の魅力というものは十人十色でいいはずなのですが、それが許される作品というのも、そうはないので……。短編連作形式は、各話それぞれに違った切り口で挑むことができるので、それが田中ロミオ先生の作風にうまくフィットしたのかもしれません。老若男女、幅広い読者の皆様からいただく感想に、こちらが驚くときがあります。
−−作品が生まれたきっかけは?
企画自体は、ガガガ文庫の創刊(07年5月)よりかなり前にいただいていました。創刊準備中、田中先生のスケジュールの調整がついたため、いくつかの企画の執筆をお願いし、この「人類」が残った形です。売り上げだけを考えるなら、別の形のアプローチもあったかと思いますが、業界デビューというのは、また特別なタイミングなので……。当時のライトノベル業界の状況を考えると、かなりのチャレンジでしたが、おかげさまで第1巻は発刊2日目にして重版決定し、現在でもたびたび重版がかかっています。
−−作者とイラストレーターはどんな方でしょうか?
田中先生は、つかみどころのない方です。イラストレーターの山崎透先生は、真摯(しんし)に作品に取り組まれるまじめな方です。イラストで賞を受賞されたときに作品を拝見しており、その独創的な絵柄と緻密(ちみつ)な筆致が強烈に印象に残っていました。「人類」の企画が通ったあと、なるべく幅広い読者層に作品を浸透させるべく、ウェブを通してご依頼をさせていただきました。キャラクターはもちろん、小物や生物、装飾品の創作センスが抜群です。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
「人類は衰退しました」は、当初に目標として掲げていたとおり、今後もゆるゆると刊行していきたいと考えています。とはいえ1巻は現在11刷と人気の作品ですので、小説以外にもさまざまな展開を考えております。期待してお待ちください! 個人的には、カバーイラストベースのフィギュアがほしいのですが……(笑)。
また、田中先生には、もう少し印税を稼いでいただくべく、さまざまなジャンルに挑んでいただきたいと考えています。引き続きのご声援よろしくお願いします。
小学館 ガガガ文庫編集部 具志堅勲
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