和泉元彌:足利義昭役で10年ぶり大河出演「時代の幕引きしっかり表現したい」

「江 姫たちの戦国」で足利義昭を演じる和泉元彌さん
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「江 姫たちの戦国」で足利義昭を演じる和泉元彌さん

 狂言師でタレントの和泉元彌さん(36)が女優の上野樹里さん主演で11年に放送される大河ドラマ「江 姫たちの戦国」に、室町幕府最後の将軍・足利義昭役で出演することが13日、分かった。和泉さんが大河ドラマに出演するのは01年に主演した「北条時宗」以来、10年ぶり。和泉さんは「時代の幕引きをしっかりと表現し、追い風とならずとも、つむじ風ぐらいは起こしていきたいとワンシーンワンシーンに栄枯盛衰・愛憎・強さ弱さなど感情盛りだくさんに懸命に努めております」とコメントしている。

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 「江」は大河ドラマ50作目となる作品で、織田信長の妹・お市と近江の戦国武将・浅井長政との間に生まれた“浅井三姉妹”の三女・江(上野さん)の波乱に満ちた生涯を描く。三姉妹の長女で後に豊臣秀吉の側室・淀君となる茶々を宮沢りえさん、次女の初を水川あさみさん、三姉妹の母・お市を鈴木保奈美さんが演じ、江の夫となる徳川秀忠を向井理さん、父・浅井長政を時任三郎さん、おじ・織田信長を豊川悦司さん、豊臣秀吉を岸谷五朗さん、徳川家康を北大路欣也さんが演じる。また、ミムラさんが江のあこがれの人物となる細川ガラシャ役で出演。宮崎あおいさん主演の大河ドラマ「篤姫」を手がけた田渕久美子さんのオリジナル脚本で、同じく「篤姫」の吉俣良さんが音楽を担当する。

 和泉さん演じる義昭は、いつか再び将軍となって表舞台にのしあがりたいという思惑を持ち、信長の庇護(ひご)のもとで室町幕府最後の将軍となる。お市と浅井長政の結婚や、その後の信長と長政の対立、ヒロイン江の誕生などを導いた陰のキーパーソンという役柄。過去の大河ドラマでは、73年の「国盗り物語」で伊丹十三さん、96年の「秀吉」で玉置浩二さん、06年の「功名が辻」で三谷幸喜さんが演じた。

 和泉さんは父で和泉流19世宗家の和泉元秀さんに狂言を学んで舞台に出演し、ドラマ、バラエティーなどでも活躍。和泉さんは「我が狂言の生まれた室町時代、最後の将軍!」と義昭役をよろこんでいる様子で「ぜひ1回目の放送から、しっかりとご覧いただきたいと思います。でないと、義昭公をご覧いただけませんから!」とアピール。「それではみなさん、また10年後!」とユーモアたっぷりにコメントを結んでいる。

 同番組の屋敷陽太郎チーフプロデューサーは「足利義昭は、頼りになりそうな戦国大名の間をコウモリのように飛び回った人物として描かれる場合が多いかと思います。しかし、実際の彼は、いつも誠実に、彼が目指す時代の在り方を実現しようと必死に奮闘していただけなのだと思います」と義昭を評し、「時代と向き合う真摯(しんし)な姿勢に、和泉元彌さんの演技に向き合う情熱と重なるものを感じます。50作目となる『江』で、ヒロイン江の誕生に大きな影響を与える大変重要な役を演じていただけることは、非常に光栄です」とコメントしている。(毎日新聞デジタル)

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