ばけばけ:ようやく本音をぶつけ合ったヘブンとトキ 視聴者が最もクギヅケになった場面はやはり? 注目度データで第94回を振り返る

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第94回(2月12日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時14分の70.5%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇最高値が久しぶりに70%超え

 第94回は、ヘブン(トミー・バストウさん)を松江に残らせるため、錦織(吉沢亮さん)が連日、あの手この手とアプローチを続ける。一方、トキ(高石さん)は気持ちが揺れる中、タエ(北川景子さん)の元を訪れ、三之丞(板垣李光人さん)とも再会する。松江に残りたい思いが高まるが、そんなトキに、タエと三之丞はある言葉をかける。

 テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、この日もオープニング終了後から、主に60%台前半をうろちょろするグラフを描いた。第19週は月曜から3日間連続で最高値は60%台止まり。この日も注目度が大きく伸びることはないかと思われたが、午前8時12分以降で急速に伸び、午前8時14分で70%台に久しぶりに乗った。

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 ◇6分間のラストシーン 幕開けで注目度がやや上昇

 終盤まで、あまり大きな注目度の変動はなかったが、トキが三之丞と再会した午前8時5分(66.2%)と、トキが帰宅すると祖父の勘右衛門(小日向文世さん)が来訪していた午前8時9分(65.9%)で微妙に浮上した。特に午前8時9分は、エンディングまで続くヘブンの家のシーンの幕開けとなる重要な場面だ。

 トキがタエの家から帰ると、勘右衛門がやってきて、ヘブンや司之介(岡部たかしさん)、フミ(池脇千鶴さん)と話をしている。「わしらは松江に残ることにした」「お嬢と離れるのはさみしいが、わしはおタツ(朝加真由美さん)と2人で暮らす」。勘右衛門のそんな決断をトキは立ち聞きしてしまい、衝撃を受ける。

 「なして?」。思わずトキが話に割って入るあたりからが午前8時10分台。勘右衛門は立ち上がると、「なら、わしが言おう」とトキに話し始める。「一緒におると、わしらのせいでまた騒ぎになりかねん」。借金を返してもらった勘右衛門や雨清水家が近くにいると、熊本でも結局同じ騒動につながると懸念しているというのだ。そんな緊迫したやりとりは午前8時11分台まで続くが、注目度はなぜかどんどん下がっていく。

 ◇本音をぶつけ合うヘブンとトキ 注目度が次第に上昇

 その話を受けて、ヘブンが2人だけで熊本に行こうとトキに話し始める午前8時12分台から注目度は伸びていく。「嫌、嫌。ダメ、ダメ」。感情的に怒鳴り散らすトキは「なして、私のすべてを奪おうとするんですか。大好きな松江も、大好きな家族も」とため込んでいた思いを一気に吐き出す。

 勘右衛門から「本当のことを話せ」と言われ、ヘブンもついに本心を明かすのが午前8時13分台。「ソレ(顔を覆う布)、ナシ、マツエ、アルク、デキマスカ?」「シラナイ、トコロ、イキマショウ」。涙ぐみ始めたトキの目を見ながら、ヘブンの語りかけは続く。

 そして、この日の最高値70.5%を記録した午前8時14分台へ。「クマモト、イキマショウ」。ヘブンの言葉に続き、勘右衛門も「お嬢、ペリーと行きなさい」とトキを諭す。ついに「はい」と答え、涙を流すトキをヘブンは抱きしめる。そんなやりとりを、やってきた錦織(吉沢亮さん)が庭で見つめている。

 ヘブンやトキが本音をぶつけ合い始めた頃から注目度は上昇し、大団円のエンディングに向かってきれいにピークを迎えた形になった。錦織は持参した虫かごを門前に置いて、そっと去る。事情を理解し、熊本行きを止められないと理解したのだろう。錦織の思いを考えると、ますますさみしくなるシーンだった。

 ちなみに、登場した舟形の虫かごは、小泉八雲の愛用の品の一つとして小泉八雲記念館(松江市)に今も残っている。その美しい細工の虫かごで松虫、鈴虫などを飼って、その声を愛でていたらしい。「ばけばけ」では、実は第1回にすでに登場していたのにお気付きだっただろうか。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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