俳優の舘ひろしさん（60）が26日、お笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の南原清隆さん（45）らと11年の正月に放送されるNHKの正月時代劇「隠密秘帖」の会見に登場。舘さん演じる主人公・神谷庄左衛門の同僚・榊半兵衛役の南原さんと初共演した舘さんは「僕を引っ張ってくれた」と絶賛した。

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　「隠密秘帖」は、脚本家の金子成人さん作で、江戸中期、主人公の庄左衛門（舘さん）が、老中・田沼意次から松平定信への政権交代のきっかけとなった意次の嫡男・意知の刃傷事件の謎を探る密命を受けて活躍。武士、人、親として伝えていくべきものを考えるきずなの物語が描かれる。庄左衛門の息子・又十郎を大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬の子ども時代を演じた濱田龍臣君が演じる。舘さんが時代劇に出演するのは06年の大河ドラマ「功名が辻」で織田信長を演じて以来。時代劇主演は98年のNHK金曜時代劇「物書同心いねむり紋蔵」以来となる。南原さんがNHKのドラマに出演するのは05年の大河ドラマ「義経」で伊勢三郎役を演じて以来6年ぶり。

　舘さんと南原さんはコンビを組んで事件解決を目指す役柄で、2人は劇中で笑いあり、シリアスありの息のあったやり取りを展開し、番組プロデューサーは「コンビものの『あぶない刑事』をほうふつとさせるものになったのではないか」とコメント。それを受けて舘さんは「僕はお芝居が鈍くさいというか、ゆっくりなんです。普通の役者さんはそれにつられるんですが、南原さんは最初からあの（自分の）ペースで、僕を引っ張っていってくれた。あの雰囲気が作れたのは南原さんのおかげ。助かった」と南原さんを絶賛した。

　南原さんは「舘さんがぐっと締めてくれるので、緊張と緩和で笑いが取りやすかった」とコメント。舘さんについて「もともと持っていらっしゃる」と舘さんの笑いのセンスを指摘、「お嫌いじゃないんじゃないのかな。舘さんがコントに来たら何でも成立すると思います。私はひたすら待っております」とラブコールを送った。すると舘さんは苦笑いで「あがり症なものですから、自分で何やってるか分からなくなって言ってはいけないことを口走ってしまうので、遠慮させていただきます」と断っていた。

　会見には神谷家の用人・喜八郎役の津川雅彦さん（70）、田沼家にうらみを持つ佐野善左衛門役の金児憲史さん（32）、脚本家の金子さんも登場した。放送は1月1日午後7時20分～同8時35分。同作の続編で舘さんが主演する「隠密八百八町」が1月8日から放送される。（毎日新聞デジタル）