俳優の玉木宏さん(30)が、5日に放送されるBS朝日開局10周年特別番組「ダ・ヴィンチの指紋」でナビゲーター役に初挑戦した。98年にニューヨークの美術商が落札した、羊皮紙に女性の横顔を描いた絵画に残されたレオナルド・ダ・ヴィンチのものと思われる指紋。この謎に迫るドキュメンタリー番組で玉木さんはナビゲーターとナレーションを務める。今年30歳になった玉木さんは、依頼が来たとき「正直うれしかったですね。30代に入ったということもあってこういう声の仕事や初めてのことをいろいろやりたかった」と、連続ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」(フジテレビ・関西テレビ系毎週火曜午後10時)の出演中で忙しい合間をぬっての収録も楽しみながらできたという。
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98年にニューヨークの美術商に落札された羊皮紙に女性の横顔を描いた小品は、19世紀のドイツ人画家の作品と思われ、1万9000ドル(約170万円)で取引された。しかしその後、絵の左上に残る“指紋”の主が、ルネサンスを代表する万能の天才、ダ・ヴィンチのものだと発表された。番組ではその指紋のなぞに迫るべく、オーナーの許可を得て厳重に保管された謎の絵画「美しき姫君」の実物から真実に迫る。
本当にこの絵はダ・ヴィンチが描いたものなのか? そして、描かれた女性は誰なのか……? ダ・ヴィンチが残した作品はわずか17点、もし真作であれば1億ユーロ(約133億円)は下らないという。番組では、21世紀の現代に突然現れた“ダ・ヴィンチの新作”の正体を、最新情報を基に検証していく。
玉木さんはナビゲーターについて「1人しゃべりは、相手のあるお芝居と違ってやっぱりむずかしいなというところはあります。お芝居だと抜くところは抜いてしゃべっても平気な部分もありますけど、1人しゃべりは、なかなか抜くポイントのないまま説明をしなくてはならないので、そういう難しさはありました」という。
今回の題材になったダ・ヴィンチについては「ここのところ、(千秋役で出演した)『のだめカンタービレ』などでヨーロッパの文化に触れることが多かったので、(海外ロケなど)そのときにパリでルーブル美術館やオルセー美術館に行ったりして興味を持ち始めたところでした。ルーブル美術館では『モナリザ』を実際に3回見に行ってますし、映画『ダ・ヴィンチ・コード』も見たし、興味のあるジャンルだったからよかった」と振り返る。
世界的に有名な芸術品に触れるのは「大人の趣味的な感じがしますし、30代に入って意識的にいろんなことに触れてみたいと思っていたので、大人の教養としていろいろと見ていきたい」と前向きで、今後ドキュメンタリー作品も「こういう美術系の作品に出るのもありだと思うし、日本の歴史など全然違うジャンルもやれたらいいなと思いますね」と30代に入って仕事の幅を広げられる年齢になったことを喜んでいる。
番組の見どころを「『美しき姫君』は本当にダ・ヴィンチが描いたものなのか、真相をいろんな角度から検証していくところが番組の最大の魅力です。芸術の秋からは少し季節が過ぎてしまったけれど、こういう時期に芸術的なものを感じられるのはすごくいいのではないかと。僕もテレビをつけて放送していたら見るタイプの番組なので、興味を持っていただければと思います」と呼びかけた。番組は5日午後9時~10時54分にBS朝日で放送。(毎日新聞デジタル)
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