薬師丸ひろ子:映画「わさお」で22年ぶり9作目の主演&主題歌

映画「わさお」の主題歌「僕の宝物」を歌う薬師丸ひろ子さん
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映画「わさお」の主題歌「僕の宝物」を歌う薬師丸ひろ子さん

 女優の薬師丸ひろ子さんが、11年3月公開の主演映画「わさお」(錦織良成監督)で主題歌「僕の宝物」を歌うことが発表された。薬師丸さんが主演を務める映画で主題歌を歌うのは、89年の映画「READY!LADY!」の「Windy Boy」以来で、22年ぶり9曲目。薬師丸さんは13日、東京都内のスタジオで公開レコーディングを行い、「優しいメロディーに優しい言葉を乗せて歌うことがこんなに難しいんだと思いました。『わさお』という映画をこの曲もまた語っています」とコメントしている。

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 わさおは白神山地のふもと、青森県鰺ケ沢町に住む秋田犬の雄で、ブログをきっかけに「ぶさかわいい(不細工でかわいい)」として全国的に人気になり、住民票も交付された。映画には、訓練された別の犬ではなく、わさお「本人」が出演することでも話題を呼んでいる。ストーリーも07年10月まで捨て犬だったわさお自身の過去がモデル。鰺ケ沢町でイカ焼き店を営むセツ子(薬師丸さん)は迷い犬に出会い、わさおと名付ける。セツ子はわさおに愛情をかけるが全く懐かない。店を毎日のように訪れる少年・アキラは、飼い犬が原因の事故で母親が入院中だが、セツ子の店で動物と触れ合うことで寂しさを忘れることができた。やがてわさおはセツ子に心を開いていく……という感動の物語だ。甲本雅裕さん、鈴木砂羽さん、大沢樹生さん、嶋大輔さん、尾美としのりさん、佐野史郎さん、笹野高史さん、平田満さんらも出演する。

 わさおの演技について薬師丸さんは、「(実際の飼い主である)お母さんがすべて指導するんですが、頭が良くて、自分は何をやっているか、何を望まれているかを理解している。こちらが願った以上のことをしてくれて、台本を読み込んでいるんじゃないかと思うくらいの読解力の高さにびっくりしました」と絶賛した。

 「僕の宝物」は、作詞をデュオ「kiroro」の玉城千春さん、作曲を海田庄吾さんが担当。「僕はここにいるよ どんな時でも 君のこと見守ってる」と犬の目線で歌うような温かい歌詞。薬師丸さんは「実はメロディーが歌うととても難しい。最初は仮歌で歌って、落ち込むだけ落ち込んで帰った」と明かし、「わさおは何もしゃべらない。『こんなことを感じてるんじゃないかな』ということを代弁して、歌詞の形で映画の最後に伝えるというのは、すてきなことではないかと思いました」としみじみと話した。

 薬師丸さんは、1981年の「セーラー服と機関銃」の同名主題歌など過去8作品で主演と主題歌を務めたことについて、「今振り返るとあまり例のない貴重な経験だけど、(オファーを受けた時に)『この映画の最後に流れるのは、自分の歌じゃない方がいいと思う』とお話しした時期もありました」と振り返った。11年には歌手デビュー30周年を控えており、「新しい歌への強い希望はないのですが、今までやってきた音楽を集大成としてお届けできるよう企画しています」と話した。

 映画は11年3月5日公開、「僕の宝物」のシングルCD(1000円、EMI)は11年3月2日に発売される。14日からレコチョクなどの配信サイトで着うたを先行配信する。(毎日新聞デジタル)

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