注目映画紹介:「トロン:レガシー」 最新技術を駆使した3D映像 父と子のきずなやドラマ性も

「トロン:レガシー」の一場面 (C)Disney Enterprises,Inc.All Rights Reserved.
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「トロン:レガシー」の一場面 (C)Disney Enterprises,Inc.All Rights Reserved.

 最新の映像技術を駆使した3D(三次元)立体映像で、コンピューターの中という仮想空間でのアクションがダイナミックに展開する「トロン:レガシー」(ジョセフ・コジンスキー監督)が17日、公開された。

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 20年前、突然姿を消した大企業エンコム社のCEO、ケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジスさん)。その息子サム(ギャレット・ヘドランドさん)は、父の共同経営者だったアラン(ブルース・ボックスレイトナーさん)から、父からと思われるメッセージを受け取り、それをきっかけに、父が構築に成功したコンピューター内部の理想の世界に入り込む。そこは、クルー(ブリッジスさん2役)という独裁者がすべてを支配しており、サムは、人類存亡をかけたコンピューターとの戦いに身を投じていく……。

 物語の主たる舞台はコンピューターの中。人間と同じ容姿をした不完全なプログラムたちが、排除されるために戦わされているという設定だ。ライト・サイクルやライト・ランナーといった乗り物や、バトンから生成される武器の数々が光を発しながらスクリーンの中で暴れ回り、3D映像ならではの興奮を味わうことができる。82年に公開されたSFファンタジー映画「トロン」はコンピューター内部に送り込まれた男の冒険を描き、初めてコンピューターグラフィックス(CG)を本格的に使った作品として当時話題になった。今作は、その世界観を継承している。

 コジンスキー監督はこれまで、ナイキやアップル社のCMやXbox用ソフトを手掛けてきた映像クリエーター。彼の映像の持ち味は近未来的なテイストで、それが今作でも存分に生かされている。その一方で、エディー・キツィスさんとアダム・ホロヴィッツさんの共同脚本では、父と息子のきずなや、社会的な問題提起も含まれており、ドラマ性も考慮されている。

 サムを演じるのは、「トロイ」(04年)で映画デビューを果たし、「エラゴン 遺志を継ぐ者」(06年)などに出演した26歳のヘドランドさん。父サムとクルーの2役を演じるのは、82年の「トロン」で主演したジェフ・ブリッジスさん。ブリッジスさんは、モーション・キャプチャーによって28年前と変わらぬ若々しい姿を披露している。ダフト・パンクのクールな音楽が作品の世界観とマッチしている。17日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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