上野樹里:新春インタビュー 「柔軟にしなやかに」江の一生演じきる

今年の大河ドラマ「江 姫たちの戦国」で主演する女優の上野樹里さん
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今年の大河ドラマ「江 姫たちの戦国」で主演する女優の上野樹里さん

 今年の大河ドラマ「江 姫たちの戦国」の放送が9日始まる。今回が大河ドラマ初出演で初主演、時代劇への出演も初めてという上野樹里さん(24)が放送開始を前にこのほど取材に応じ、「毎日パワーを出し切って撮影している」という役への思いや撮影の様子などを語った。(毎日新聞デジタル)

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 上野さん演じる主人公・江は、織田信長の妹・お市と近江の戦国武将・浅井長政との間に生まれた“浅井3姉妹”の三女で、生まれて間もなく、伯父の信長に父・長政が滅ぼされるなど苦労を重ね、3度目の結婚で徳川家康の三男で後に二代将軍となる徳川秀忠に正室として嫁ぎ、三代将軍となる家光を出産、娘は天皇家に嫁ぐという人生を歩んだ。

 上野さんは江役について番組プロデューサーから「水のように生きた江を表現してほしい」という言葉を受け、その言葉をテーマとしているという。江の人生を「いろんな人と出会って別れて、いろんな場所に行っていろんな思いをする。でもその場ごとに自分の考え方、生き方を変えながら柔軟にしなやかに生きていった」と表現し、「自分の思うようにいかなかった人生かもしれないけど、どう生きてきたかという過程がすばらしいのではないかと思う。そこをいちばん楽しんで見てもらいたいし、江を通して江が出会う人(武将たち)の魅力を伝えていけたら」と意気込んだ。

 自分と役柄の接点について「3姉妹の末っ子というところが同じ。育った環境や(家族)構成は(人格形成などに)影響すると思う。私は放っておくと自分で自由にやりたいことを見つけて生きていく。3姉妹や3兄弟の末っ子は自由で責任とかを考えないという気がしている。江も小さいころから自分で行動している」と語った。子供時代を演じたことで「姫という固定観念はなくなった。感情を追っていくとすごく親しみがわく」といい、実年齢より幼い年齢から、結婚、出産を経て老成していく女性の一生を演じることに「未知なる世界」としながらも「ストーリーを追うごとに、自分の中でいろんなシーンの思い出が詰まっていき、江が成長していく。そのころには大人の江が演じられると思う」と自信をみせている。

 また今作が大河ドラマの50作目という節目にあたることから上野さんは「責任とプレッシャーもある。絶対いい作品にしたいし、みなさんが幸せになるような作品にしたいという気持ちが強くある。シンプルにいい作品にしたいというのが目標」とコメント。「内容がぎゅっと詰まっていて濃いので、1話から入り込んで見ていただけると思う。面白いところとまじめなところの振り幅が大きいので、歴史が分からない、姫とか武将とか分からないという人でも、(登場人物の)感情を追っていけば楽しめると思います」とアピールしている。

 「江 姫たちの戦国」は、江が波乱万丈の戦国時代をしなやかに生き抜き、江戸時代の幕開けを見届ける様を描く。連続テレビ小説「さくら」(02年)、大河ドラマ「篤姫」(08年)などを手がけた脚本家・田渕久美子さんが原作小説を執筆、オリジナル脚本で臨む作品。放送は総合テレビで9日から毎週日曜午後8時。初回は73分の拡大版。

 <プロフィル>

 うえの・じゅり。86年5月25日生まれ、兵庫県出身。02年のNHKドラマ「生存~愛する娘のために」で女優デビュー。04年の映画「スウィングガールズ」で第28回日本アカデミー賞新人賞を受賞、ドラマ「のだめカンタービレ」などで人気を集めた。

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