注目映画紹介:「しあわせの雨傘」カトリーヌ・ドヌーブのジャージー姿が新鮮 女性賛歌コメディー

「しあわせの雨傘」の一場面 (C)Mandarin Cinema 2010
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「しあわせの雨傘」の一場面 (C)Mandarin Cinema 2010

 フランスが誇る大女優、カトリーヌ・ドヌーブさんの赤いジャージー姿が話題を集めている映画「しあわせの雨傘」(フランソワ・オゾン監督)が8日、全国で公開された。ドヌーブさん演じる専業主婦が、いきなり工場経営を任され、それによって巻き起こるハプニングをつづったヒューマンコメディー。ドヌーブさんとは「8人の女たち」でタッグを組んだオゾン監督がメガホンをとった。

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 父親が創業した雨傘工場を、いまは夫(ファブリス・ルキーニさん)が経営し、専業主婦生活を優雅に送るスザンヌ(ドヌーブさん)。ところが、横暴で従業員ウケのよくない夫が心労で倒れたことで、社長代理のイスがスザンヌに回ってくる。普段は詩をしたためたり刺しゅうにいそしんだりしていたスザンヌは、工場経営など全く分からなかったが、人柄の良さで従業員の心をつかみ、傾きかけていた工場は見る見る間に持ち直していく。そこへ退院した夫が戻ってきて、再び問題が持ち上がる……というストーリー。

 これは、新しい道を与えられた女性が、それによって自分の隠れた才能を開花させていく、まぎれもない女性賛歌の物語だ。そこに、ロマンスと色気とユーモアがちりばめられている。ドヌーブさんは、ジャージーを着こなし、ダンスも踊り、歌も歌う。ダンスのお相手は、これまたフランスが誇る名優、ジェラール・ドパルデューさん。ドヌーブさんは、63年の「シェルブールの雨傘」で傘屋の少女を演じていた。その彼女を知る人は、今作のドヌーブさんを一層感慨深く見ることができるだろう。8日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)、新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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